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ぽかぽか春庭「長谷川潔展 in 町田市立国際版画美術館」

2022-08-02 00:00:01 | エッセイ、コラム

20220802
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩夏(4)長谷川潔 1891-1980展 ― 日常にひそむ神秘 ―in 町田市立国際版画美術館

 7月16日。遠路はるばる町田市立版画美術館まででかけました。どこが遠路かというと。町田駅前から美術館までのシャトルバスがあると思ったのに、中止されていて、バス停からはどこから歩いても7~15分だと案内が出ている。
 雨もよいの中、最寄りバス停を降りてから公園の中を階段下ったり坂道登ったりぐるぐる回ったりしてえらく遠かったのです。これまでシャトルバスを利用できる日にしか来たことなかったから、これほど不便なところにあるとわかっていなかった。帰りは地図をもらって「いちばん近道」という順路を歩いたのですが、やはり遠く、シャトルバスがないときには、二度と来るか!と思いました。どうして7月16日に出かけたかと言うと、町田市立国際版画美術館は、展示替えがあったとき、展覧会初日は無料だからです。
 入館料の800円が無料になるということにつられた私が悪いのだけれど。無料大好きなもんで、、、、。

 そんなたいへんな思いをして見たのは「長谷川潔展」
 会期:2022年7月16日(土)~9月25日(日) 

 町田市立版画美術館の口上
 長谷川潔は1910年代半ばに文芸同人雑誌『仮面』の版画家として創作活動を開始、 1918年に日本を去って以来パリを拠点に活動した銅版画家です。サロン・ドートンヌやフランス画家・版画家協会に所属してパリの画壇で高く評価されたほか、フランスでは文化勲章、日本では勲三等瑞宝章を授与されるなど、芸術家としての功績がたたえられています。
 国際版画美術館は2018年度にこの版画家の展覧会を開催しました。
 本展はその時の展覧会をベースに、最初期の作品から1970年代の銅版画までを年代順に展示するとともに、関連作家の作品も展示し、全体を165点で構成するものです。また挿絵本の優品である仏訳の『竹取物語』について、挿絵頁を可能な限り多く展示します。
 長谷川潔の深い精神性が反映された表現世界に今一度向き合ってみてください。 
長谷川潔(はせがわ きよし、横浜生、1891-1980)は、1919年(28歳)から死去(89歳)までフランスに住みつづけ、創作と発表活動を展開した銅版画家です。オディロン・ルドンの暗示的な表現に最大の関心をあらわし、自分自身も小鳥や砂時計、植物などに象徴的な意味を持たせた作品の制作を行いました。
 現在、町田市立国際版画美術館には60点を超える長谷川潔の銅版画が収蔵されています。今回はそのうちの27点と、当館に寄贈の申し出があった40点をあわせて展示します。
 長谷川潔の銅版画の主題や様式の特徴を理解していただくことはもちろん、静謐で崇高な精神世界を実感していただけることと思います。 

 これまで長谷川潔の版画を何点かあちこちの美術館で見たことはあったけれど、このようにまとまった作品展を観覧したことはなかったので、期待して歩きに歩いてようよう館にたどり着いて見て、疲れたけれど充実した展示でした。「当館所蔵」の作品のうち撮影OKのものもありましたが、今となってはどれが撮影OKだったのか、覚えていません。たぶん、OKじゃなかったのも撮ってある。借り物画像も。

<展示構成>
第Ⅰ章(プロローグ) 日本時代 文芸雑誌『仮面』の画家 1913-1918
    コラム1 『仮面』および日本版画倶楽部の版画仲間
    コラム2 萩原朔太郎詩集『月に吠える』への共感
第Ⅱ章 フランスで銅版画家として立つ 1919-1941
    コラム3 青年時代の刺激
第Ⅲ章 仏訳『竹取物語』1934(1933)
    コラム4 エングレーヴィングという超絶技巧
第Ⅳ章 日常に神秘を視る 1941-1950年代末
    コラム5 メゾチント技法の作品を比較する
第Ⅴ章 精神の高みへ ―「マニエール・ノワール」の静物画 
    1950年代末~1969

    
コラム6 フランスの友人画家たち
エピローグ 

 思想の生まれるとき 1925



アレクサンドル三世橋とフランスの飛行船 1930年


仏訳『竹取物語』1934(1933)

 一樹(二レの木) 1941

 窓からの眺め 1941


コップに挿した枯れた野花 1950年

 置き忘れられた人形(人形とすぐり)1953


アカリョムの前の草花 1969年 


時 静物画 1969年
 

 ジロスコープのある静物画



 野辺小禽 1957


 

 「静謐な神秘性」というのが長谷川潔に対する惹句でしたが、ルドンの初期モノトーンの作品に通じる印象がありました。長谷川はルドンに私淑したという説明があり、納得。

ミニ企画展として「文明開化の子どもたち―浮世絵に描かれた遊びと学び
」が開催されていたのだけれど、公園の中歩いたので疲れていてささっと見たような見ないような。
 次は、ぜったいにシャトルバスがある日に観覧します。

<つづく>
コメント (2)
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