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ぽかぽか春庭「箱根の山は天下の嶮」

2022-08-23 00:00:01 | エッセイ、コラム
20220823
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記夏休み(1) 箱根の山は天下の嶮

 勤務している日本語学校の留学生は、7月30日から8月21日まで3週間の夏休みです。が、教職員の夏休みは、8月10日から17日まで、一週間だけ。そのうち土日と祝日山の日をのぞいて、私のもともとの研究日休日に当たっている水曜日をのぞけば、実質夏休みといえるのは3日間だけです。3日間でも休みを与えられることはフル勤務者にとってありがたいことではあるのですが、、、。

 娘が「1か月先取りの誕生日プレゼント」として、「美術館巡りの箱根2泊3日温泉滞在」を計画しました。
 娘は、岡田美術館の『深川の雪』を10年間見たいと思い続けてきました。「母は美術館巡りが好きだし、今回は大涌谷も芦ノ湖も行かないでひたすら美術館巡り」をする、という2泊3日になりました。

 夏休み第一日目。
 新宿からロマンスカーに乗車しました。


 ロマンスカーといえば、最前列の展望席に座りたい。しかし、娘が旅行社に予約した時は、すでに最前列席は予約があったのだとか。前のほうをうかがうと、最前列左側には二人連れが座っていましたが、右側にはいない。席のチェックに来た車掌さんが「最前列は相模大野から乗車ですので、相模大野に着くまで座っていていいですよ」と言ってくれました。らっき~!展望の風景を楽しみました。通勤に使っていた駅も、展望車からながめれば新鮮です。
 


 普段でも地下鉄やJRの車両の一番前や一番後ろの運転席うしろや車掌さんがいる席前の窓からレールを眺めるのが好きです。8歳の夏休み以来65年間の「乗り鉄」の愉しみのひとつです。
 相模大野で後ろに下がり、自分の席に落ち着きました。朝4時半に起きて支度したので、箱根に着くまでうとうと。9時半には箱根湯本駅に着きました。

 キャリークーポンで荷物をホテルに送って、最初にバスで今回の一番のお目当て岡田美術館へ。
 3日間のうち、岡田美術館、ポーラ美術館、星の王子様ミュージアム、ルネ・ラリック美術館、ガラスの森美術館、彫刻の森美術館、箱根美術館を巡りました。

 岡田美術館は、ユニバーサルエンターテインメント創業者の岡田和生が収集したコレクションを2013年に公開した美術館です。
 1967年創業の岡田和生、パチンコ台やゲーム機の販売で巨利を得て、美術品収集につぎ込みました。私は熱海MOA美術館の世界救世教教祖岡田茂吉とごちゃまぜにしていて、世界救世教教祖が建てた美術館だとばかり思い込んでいました。

 1948年以降に所在不明となっていた喜多川歌麿の肉筆大作「深川の雪」が2012年に発見され、岡田美術館が所蔵して2014年に66年ぶりに一般公開された、というニュースを聞いて以来、娘は10年間の思いを遂げての観覧となりました。観覧報告はまたのちほど。 

 ロマンスカーに乗るため早起きして、新宿駅で簡単な朝ごはんを食べただけだったので、12時まで岡田美術館の1階から5階まで見ていておなかがすきました。
 明治半ばに開業した外国人向けのホテル跡地に建つ、昭和初期の建物を改築した「開化亭」という食事処。美術館5階ホールから直接行く通路があったのですが、「お庭を見たい方は外から回ってください」というので、いったん出て、脇口から坂道を上りました。5階の高さまで行くのですから、そりゃかなりの急こう配です。

 疲れましたが、坂の途中で珍しいものを見ました。夏場によく見かけるミスト状の白いものがもくもく出ていて、なんだろうと近寄ると、「湯雨竹ゆめたけ」と書いてある。90度という高温の源泉を、水で薄めたりせずに、こうして竹を細く裂いたものの間を通すことで温度を下げ、温泉の成分そのままに人が入れる温度にするための装置、ということでした。


 開化亭玄関


 開化亭は、昭和初期の建物ということでしたが、庭をガラス戸ごしに眺めると、庭の景色が少しゆがむ。昔のガラスは均一の板を作るのが難しかったため、少しゆがんで見えるのです。今では昔の雰囲気を出すためにわざとガラスに少しのゆがみを加えて板にする方法もあるとのことですから、この開化亭のガラスがどちらかはわかりません。



 開化亭パンフレットの説明にも、昭和初期の建物というだけで、当時の棟梁の名前とかなにも書いてない。改築したときにいろいろな改変があり、「重要文化財」などには指定されていない模様。重要文化財指定には、昔のままの建材などを生かすことが必要なようなので。

 開化亭外観(画像借り物)


 隣の部屋には別家族がいましたが、ふすまで仕切られている私と娘がうどんをいただいた座敷は、二人だけで他の家族はいなかったので、個室みたいで落ち着いて庭を眺めながら食べることができました。

 娘は鶏ごぼううどん、私は納豆とろろめかぶなどのトロトロ系とちくわ天婦羅がのったうどん。

 食べ終わると「なんか外は暑いし、ここから眺めるだけで充分」ということになり、部屋から庭を眺めるヤワなふたり。



 岡田美術館開化亭でおなかもいっぱいになったので、午後は二つ目のポータ美術館へ。
 ポーラの作品がが渋谷文化村で移動展として展示されたとき、ふたりで見に行きました。でも「全部の作品がきていたわけじゃないから、見ていないのもあるはず」と、立ち寄ったのです。「モネからリヒターまで」という展示を見て、次は大急ぎで明日の予定に入れていた「星の王子様ミュージアム」へ。

 「星の王子様ミュージアム」と川を隔てて隣に立つ「箱根ハイランドホテル」が1泊めの宿泊地です。
 バスで回ろうとするとぐるりと遠回りになるのですが、川向うに見えるホテルへの「秘密の通路」を教えてもらい、川を渡り5分ほどの歩きでホテルに着きました。
 途中、「早くホテルに着きたい」という気持ちがはやり、川にかかる橋を渡るときも写真を撮らず、ざ~んねん。
 せっかくの「秘密の通路」。ハイランドホテル宿泊客のみが行き来できるミュージアムへの近道でした。

 箱根ハイランドホテルは広い芝生の庭が広がるゆったりしたリゾートホテル。芝生の上を子供たちがのびのび遊んでいました。夏休みの家族旅行、いいですね、思い出いっぱい作ってね。

 (画像借り物)

 部屋はゆったりしたツインルーム。 

 部屋に荷物をおくとすぐに晩御飯の洋食コース。アミューズ、前菜、スープ、魚、肉、デザート。
 冷製スープは氷の鉢の上に載っていて、最後まで生ぬるくならず冷たいまま。「家ではこんな手のかけかたしてないなあ」と思いました。いつも最低
限の時短料理ばかり。レトルトや出来合いお惣菜おかずも利用して「20分で1汁2菜」を基本に生活していますから。

 魚料理はスズキ。

 肉料理は子牛の揚げ煮
 デザート


 8月10日の総歩数わかりません。岡田美術館、入り口にセキュリティチェックがあり、カメラケータイスマホ飲み物を展示室に持ち込むことができませんでした。ガラケーの歩数計を利用しているので、岡田美術館1階から5階、広い館内を歩いた歩数が計測できません。一日の歩数記録は6600歩あまりで終了。美術館歩数を加えればおそらく1万歩を超えていたでしょう。
 箱根の一日め、よく歩きよく食べました。

<つづく>
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