
20241013
ぽかぽか春庭アート散歩>2024アート散歩秋(4)日本伝統工芸展 in 日本橋三越
毎年楽しみにしている「日本工芸展」。日本橋三越での展示が始まり、9月19日木曜日に観覧。ずらりと並んだ力作傑作に圧倒されました。
人間国宝=無形文化財保持者の作品もごろごろと並んでいて、値札はついていないけど、壺ひとつでン百万とかって、値段で見る癖がついているもんだから、「お手をふれないようにお願いします」と書いてあるのを見るまでもなく、うっかり触って落として割ったりしたら、一大事。撮影禁止マークのもの以外は撮影自由というので、気に入った作品にカメラを向けながら広い会場を回りました。


陶磁器の作品が一番出品が多いけれど、私は自分の好みの人形と染色から見ていく。
陶彫彩色「米芾山行」中村信喬(無形文化財保持者)
木芯桐塑和紙貼「春庭花」林駒夫


米芾(べいふつ)とは北宋時代の文人(書家画家文学者芸術全般)ですって。知らなかった。
木芯桐塑和紙貼「あかばな」満丸正人 高松宮記念賞
陶彫彩色「遠い地平」木佐貫倶子


上布帯「夏日和」新垣幸子((無形文化財保持者)

絣着物「雪華」諏訪豪一
友禅訪問着「蔦」佐川恵


竹工芸 花籠「兆」大木淑恵
煤竹文花籃「幻想」岐部笙芳


日本工芸会木工芸 神代杉造箱 角間泰憲 文部科学大臣賞奨励賞
截金飾筥「宙の調べ」江里朋子 日本工芸会奨励賞


栃造華文盆 川北良造(無形文化財保持者)
からすうり蒔絵箱 中野孝一(無形文化財保持者)


漆芸 金胎螺鈿蒔絵漆箱「さくら」 岸本圭司
七宝鉢「律」安藤令子 日本工芸会会長賞


さまざまな賞を得ている作品とそうではないのと、私にはどこにどんな差があるのかわからないのですが。並んでいる150点もの作品、ひとつひとつ見て回ると一日かかりそうだったけれど、どれも作家が一年かけて心をこめて作り上げたものだと思うと、さっさかさと通り過ぎるのが申し訳ないようなすばらしい作品ばかりでした。
71回日本工芸展大賞

現実には後継者不足などの問題もあるようで、会場の一角では染の後継者養成コースで2年かけて育てている方々の研修のようすを30分のドキュメンタリーにしたビデオが流され、研修生の作品も展示されていました。きっとこの中から育った工芸家が将来を担っていくのだと思います。

<つづく>