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ぽかぽか春庭「上野公園、東京国立博物館庭園」

2017-12-03 00:00:01 | エッセイ、コラム

上野公園小春日和

ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017年十七音日記東京紅葉(2)上野公園、東京国立博物館庭園

 11月26日の「11月最後の日曜日行楽」のスケジュール。なかなか盛りだくさんでした。
 12時まで、昼ごはんを食べる(駅前回転寿司)→12時半から13時無料ロビーコンサートを聴く(パイプオルガンとバイオリン)→上野に移動→東京国立博物館運慶展最終日を見るという予定。
 会期の最初に見に行った運慶展。同じ展覧会を2度見るのは、招待券があるからです。

 運慶展最終日は混むだろうと思い、「夜間開催時間」を狙い目にして、まずは上野公園でおやつ。開催中の「伊賀上野忍者フェスタ」に立ち寄りました。伊賀忍者に関わる物産の売店が出ています。

 伊勢志摩の海の牡蠣を焼いている煙に誘われました。
 私は、この秋、牡蠣にはまって、何度かご飯を牡蠣フライや牡蠣弁当に しました。そして、娘がデパートの駅弁大会で買った1700円の牡蠣弁当も、私が近所のスーパーで買った600円の牡蠣弁当半額セールも、私には同じようにおいしく感じる、というオバカ舌であることを実感。でも、きっと志摩の海の牡蠣は格別であろうと、「焼き牡蠣3個700円」をゲット。地ビールも飲みたかったけれど、これから夜まで東博で過ごすことを考えて、お茶。お昼にお寿司を食べたばかりでしたが、牡蠣は別腹。美味しかったです。



 3個の牡蠣の内、一番上のはまあまあの大きさでしたが、隠れている下の2個はごく小粒。これが忍者商売か。もうちょっと大きかったら、と食い意地張りながら、噴水のほとりで食べました。


 上野公園内の銀杏黄葉が日に照り映えているのを見ていると、気分も高揚してきます。
 上野公園の光景が好きです。家族連れやら観光客が思い思いに楽しんでいるようす、平穏無事な人々を見ていると、どうぞこの平和が保てますように、という思いでいっぱいになります。


 14時に東博到着。案の定、平成館入り口前には長い列。しかし、案外サクサクと列は進みました。平成館に入ってから、この入館者数では、2階の会場はまだまだこんでいると思うから、本館で国宝展示替えを見てから平成館に戻ろうと思いつく。そして、先に本館に入るなら、なにも平成館前に並ばなくても、本館にすぐに入れたのに、と後悔。段取りが悪いのはいつものことだけれど。

 2時から本館1階の仏像展示についてボランティア解説員が説明してくれるというのに、くっついていきました。ひとりのボランティアが一体を担当し、お地蔵さまや狛犬、阿弥陀様について、基本的なことを説明してくれました。手の印を結んだ形についてとか、制作の時代についてなど。30分ほどのガイドツアーでした。 

 そのあと、1時間ほど本館をぐるぐる回って、お目当ての国宝室、「ほう、今回の国宝は、元暦校本万葉集 巻十九)であるのか」と眺めます。よく読めはしないのですが、文字を眺めるだけでも、日本のことばが身に染みるような気分。


 開かれているページ、最初の歌、万葉仮名と平仮名表記を合わせると、ところどころ読める。大伴家持の歌。天平勝宝二年三月一日の暮(ゆうべ)に春の苑桃李の花をながめて詠める歌二首。
「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ」
「吾が園の李(すもも)の花か庭に散る はだれのいまだ残りたるかも」 

 館内休憩コーナーから外を眺めると、おや、庭園に人が歩いている。そうだ、今は秋の庭園公開中だ、と気づいたときもう3時。
 東京国立博物館(東博)の庭園は、春と秋に公開されます。2017年秋は、10月24日(火)~12月3日(日)の10:00 ~ 16:00です。

本館ベランダ側から池を眺める


裏側から見る本館



歴史的な建物、応挙館。


応挙館と九条館は、茶室として貸し出されています。
散り敷く銀杏黄葉を眺めながらの一服はおいしかろう。
20171203

 おやつの焼き牡蠣をのんびり食べていなければよかったと、またまた後悔しながら庭園を歩きました。公開終了時間まで1時間ほど。最後は係員に「もう終了ですから、出てください」と追い立てられながら、本館に戻る。
 秋の庭園、とてもよかったです。

庭園に立つ春草廬。河村瑞賢が淀川の工事を行ったときの休憩所


九条館前で。庭園開放終了時間を気にしながらも、セルフで1枚。


 庭園から戻って、本館をゆっくりもう1時間回って、5時に平成館へ。もう入館待ちの行列はなくなっていました。
 第1展示室。運慶の父、第2展示室。1回目にきたときは音声ガイドも借りて、ひとつひとつじっくり見ましたが、今回は2度目ですから、解説パネルなどは見ずに、好きな像だけゆっくり見て回りました。



 全国の寺などから集められた運慶仏、このように一同に会する次の機会はいつになるのかわからないから、2度見ることができて、ほんとうによかったです。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「小石川後楽園のひつぢ田と紅葉」

2017-12-02 00:00:01 | エッセイ、コラム


20171202
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017年十七音日記東京紅葉(1)小石川後楽園のひつぢ田と紅葉

 飯田橋に映画を見にいき、ついでに小石川後楽園で紅葉を見ようと11月25日に立ち寄りました。後楽園はよく散歩するところですが、紅葉を見るのは久しぶりです。

 後楽園の門に着いてびっくり仰天。門外に長い列ができていたからです。門の外に100mくらい人がならんでいました。門に入って券売所へ辿り着くまで、また長い列。



 夫の事務所が富士見町だったときはそうでもなかったですが、神楽坂へ次に飯田橋駅前に移って、後楽園まで近くなりましたから、おりにふれて散歩するようになりました。それ以来、四半世紀はたっているのだけれど、入場するまでにこれほど長い列に並んだのははじめてでした。列の整理をしている係の人に聞いたら、「ええ、私もこんなの長い列は初めてです」と言っていました。

 聞くところによると、いくつかのテレビで「後楽園の紅葉は今が見頃です」と言うニュースがながれたのだそうです。ニュースで知って、お天気の良い土曜日に出かけてきたくなるのも当然です。私は週末じゃなければ来られない、というのではないのだから、何もこんなに混んでいる日にこなくてもよかったな、と思いましたが、列に並んでしまったからには、と入園しました。

 とてもよいお天気。紅葉狩り日和でした。
 入場列に並んでいるとき見上げた空です。


 列は長かったけれど、園内は広いし、上を見上げているから、人の頭はそれほど気にならずに、ゆっくり紅葉を眺めることができました。



 小石川後楽園では、秋口のちょうどいい時期に訪れると、稲田に穂が垂れているのを見ることができます。園内の一畝(1アール)ほどもないくらいの広さですが、稲穂を見ると豊かな気分が沸き起こるのは、稲作農民の子孫だからでしょう。

2016年9月26日に後楽園散歩をしたときの稲田


 ブログ友達すみともさんが「穭田ひつぢだ」そしてひつぢ田に集まるサギについて書いておられました。(20171101「すみとも」)

 11月25日の後楽園稲田は穭田になっていました。


 私が「ひつぢだ」という語を知ったのは、農民作家山下惣一の著作による、と思っていたのですが、今検索してみたら、山下惣一の本のタイトルは「ひこばえの歌」(1981)でした。あれま。
 そして、蘖(ひこばえ・孫生)と穭(ひつぢ・稲孫)は同じものを指すと思っていたのですが、またまた違った。ひこばえは、倒木や切り倒した木から出てくる新芽、また実ったものを刈り取ったあとに出てくる芽など再生する芽全体を呼びますが、「ひつぢ」は稲の再生芽だけ。そうすると。私が「もったいながり」でよくやる「豆苗の根をプラスチックパックに入れたまま水につけてベランダに出しておくと、2度目の豆苗が育って食べることができる」というのも、「豆苗のひこばえ」なんですね。

 うろ覚えのままのことばを適当に使っている脳内辞書を正すことができました。ついでに。「ひつじだ」と入力すると「筆痔だ」になり、「ひつじ」と「た」を分けて入力しても「羊田」になってしまう。かなの間違いに気づいて、「ひつぢ」と入力しても「筆痔(じの間違い)」と出ました。現代社会、稲作関係の語にうといワープロになってしまったのも、仕方なし。それとも、このワープロ開発者は「痔」を患う人だったか。
 季語としてはかろうじて残っているけれど、実生活でひつぢ田に関わる人口は希少。絶滅危惧人口ですから。
 ちなみに、発音は「室町時代まではヒツチ、江戸以後はヒツヂ」だそうです。

 ひつぢ田に降り立つというサギは、隣の菖蒲田にいました。


 それでは、小石川後楽園の紅葉を存分に。






園内に残る「神田上水遺構」


休憩所前で


 11月末、東京の紅葉見頃に、小石川後楽園、上野公園、東京国立博物館庭園、旧古河庭園と、黄葉紅葉を楽しみましたので、順次写真UPしていきます。

<つづく>
コメント (6)
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