2015.12.23(水)
心療内科の待合室でかみさんが一冊の雑誌を見つけた。「ひと・健康・未来」という研究財団の機関誌である。その最新号に「長引く痛み、どうすればいいの?-痛み治療の最前線」という特集が組まれていた。何ともタイムリーにわたしが知りたいこと納得いかないことを教えてくれたのだろう。
医師や医科大学教授、患者も交えた6人の論者が慢性痛症(原因はよく解らないが痛みだけが続いている疾患)について、それぞれの立場で書いておられる。中身について総てを紹介できないので、表題を並べてみよう。
01 痛みを長引かせる脳の仕組みーストレスと痛みの関係について
02 オーストラリアで経験した慢性痛治療ー間者としていま私に出来ること
03 チーム医療による慢性の痛みの対策
04 心療内科医は慢性の痛みをどうみているのか
05 腰痛をこころで治すー診療整形外科のすすめ
06 長引く痛みを緩和するリハビリテーションー痛みのない健やかな毎日を送るために
07 総合討論 コーディネーター 中井吉英
長引く腰痛を持つ者にとってなんと魅力的な内容だろう、07のコーディネーターはわたしのかかっている中井先生である。
異なる分野の方々が書いておられるので内容は違ったものだが、基本的な考え方には共通点がある。少し乱暴かもしれないがわたしなりにまとめてみよう。
0.腰痛はこころ(脳)と多いに関係する。
1.慢性痛症はストレスにより痛みが増幅される。
2.痛み・ストレスが亢進するとうつ状態となりさらに痛みを増幅する
3.痛みの悪循環
損傷→痛み体験→恐怖無し→対峙→回復
↓
認知(否定的な思考・認知、脅迫的な病気情報)
↓
情動(痛みへの恐怖)
↓
行動回避(不適切な認知や行動による疼痛行動がさらなる疼痛憎悪を招く)
活動性機能(不活動、抑うつ、機能障害、社会への適応障害)
↓
痛み体験へ
4.痛みの悪循環を断ち切るには、運動療法