2017.9.6(水)曇り
追悼展ではなくて、最初から予定されていたものだそうだ。「渡辺淳展~佐分利谷で~」が8月16日から11月13日まで開催されている。5日に西村君を誘って一滴文庫に行った。
亡くなられても一滴文庫に行ったら先生に会えるという思いでいた。本館の展示室に入る、おなじみの先生の絵が壁の周囲を取り囲んでいる。
「いつもなら、絵の配置をどうするか先生に見てもらうんですよ。ここに腰掛けて指示してもらうんですが、すぐにこの絵を描いたときにはこんなことがあってとか長々と話が始まるんですよ」
知ってる知ってる、先生の話って長いんだよね。でもよ~く聞くととっても味があって面白い話なんだよね。大概の人は話の起承転結を理解するに至らなくて、この人いったい何が言いたいんだなんて感じになってるようだ。今回の展示の多くが炭焼き窯のものなんだけど、先生の絵のモチーフが炭焼き時代にあることがよくわかる。暗闇と炎、蛾、ランプ、草、土。おそろしく長くて孤独な夜を灯りに集まる虫たちを友として窯のもりに過ごし、やがて山の端から白々と明けていく、、、そんな炭焼きの感情と根性がキャンバス一杯にあふれている気がする。ここにくればいつでも先生に会えるんだなという安堵感を感じられる日だった。