橋下徹大阪市長の就任から1カ月。職員給与については、今年4月から2015年3月まで、3~14%、退職手当は5%カットする案も提示し、「予想通りの大改革が始まった」(30代男性職員)とされ、3月末付けの早期退職に650人もが殺到した。一方で「予想外だったのは副市長人事」(同)という。今年3月末に退職する予定だった局長と、退職して外郭団体理事長を務めている職員OBの起用を決めたからだ。「市長になびけば、いいことがあるという“アメ”に感じられた」(40代男性職員)という。
橋下徹氏(公式サイトより)
給与・退職金削減案は19日、職員約3万人が加入する市労働組合連合会(市労連)に示された。橋下市長が、前職の府知事時代に行った府職員の給料カット並みの率だった。実現すれば総額で123億5000万円の人件費削減となる。
この案を組合に説明したのが、副市長への登用が内定している村上龍一総務局長(60)だった。
村上局長は「収入の範囲で予算を組むのが市長の方針です」と説明、労組側は「府と市の財政状況は違う。なぜ府のカット率に合わせるのか」と反発した。外野から眺めている府職員は「昇格させる人を矢面に立てるとは、モンスター橋下らしい」とつぶやいた。
案によると、給与の削減幅は、局長級が14%、部長・課長・課長代理級は11.5%。係長級以下は世代に応じて3~9%。交通局などの現業職員については、さらに民間並みの給料水準に引き下げる方針も示している。
橋下市長誕生が決まったときに予想されたことで、退職金が加算される早期退職制度を使って3月末に退職する職員が殺到。昨年度に比べ、およそ倍の650人もが3月末でやめる。このうち217人が交通局職員。同局の早期退職者は昨年度末が16人だったから、殺到ぶりがわかる。
市全体で、3月末に辞めるのは、定年退職を合わせると1300人強にものぼる。橋下市長は、約3万8000人の職員数の3割削減を目標にしているが、「あまりに急な減り方は、行政サービスに支障を来たすのでは」(メーカー30代男性)と心配する市民もいる。
一方、副市長人事の“アメ”。定員3のうち、2人を内部登用、1人を民間からとしている。内部組は、村上総務局長ともうひとり、昨年3月に建設局長で退職し、外郭団体「都市技術センター」理事長を務めている田中清剛氏(61)。2人についてはすでに市議会に伝えられ、31日開催の議会で提案される。
内部登用の副市長については、候補者リストは市総務局が作ったというが、今年度末に定年退職する村上局長はリストに入っていなかった。村上局長を指名したのは橋下氏だという。「若手を登用すると思っていたので、拍子抜けした」(40代男性職員)とも。また、技術職系の副市長に、天下りしたばかりの田中氏を指名したことも驚きを呼んだ。「橋下市長は、職員の天下り全廃も話していただけに、意外に思った」(同)とも。
大阪市の状況を見物している40代男性府職員は「橋下氏の懐に飛び込まなければ、損だという印象が植え付けられたのではないか」とし、「橋下氏は3年半の府知事経験で、いまや怪物になった。耐えてください」と話していた。
橋下徹氏(公式サイトより)
給与・退職金削減案は19日、職員約3万人が加入する市労働組合連合会(市労連)に示された。橋下市長が、前職の府知事時代に行った府職員の給料カット並みの率だった。実現すれば総額で123億5000万円の人件費削減となる。
この案を組合に説明したのが、副市長への登用が内定している村上龍一総務局長(60)だった。
村上局長は「収入の範囲で予算を組むのが市長の方針です」と説明、労組側は「府と市の財政状況は違う。なぜ府のカット率に合わせるのか」と反発した。外野から眺めている府職員は「昇格させる人を矢面に立てるとは、モンスター橋下らしい」とつぶやいた。
案によると、給与の削減幅は、局長級が14%、部長・課長・課長代理級は11.5%。係長級以下は世代に応じて3~9%。交通局などの現業職員については、さらに民間並みの給料水準に引き下げる方針も示している。
橋下市長誕生が決まったときに予想されたことで、退職金が加算される早期退職制度を使って3月末に退職する職員が殺到。昨年度に比べ、およそ倍の650人もが3月末でやめる。このうち217人が交通局職員。同局の早期退職者は昨年度末が16人だったから、殺到ぶりがわかる。
市全体で、3月末に辞めるのは、定年退職を合わせると1300人強にものぼる。橋下市長は、約3万8000人の職員数の3割削減を目標にしているが、「あまりに急な減り方は、行政サービスに支障を来たすのでは」(メーカー30代男性)と心配する市民もいる。
一方、副市長人事の“アメ”。定員3のうち、2人を内部登用、1人を民間からとしている。内部組は、村上総務局長ともうひとり、昨年3月に建設局長で退職し、外郭団体「都市技術センター」理事長を務めている田中清剛氏(61)。2人についてはすでに市議会に伝えられ、31日開催の議会で提案される。
内部登用の副市長については、候補者リストは市総務局が作ったというが、今年度末に定年退職する村上局長はリストに入っていなかった。村上局長を指名したのは橋下氏だという。「若手を登用すると思っていたので、拍子抜けした」(40代男性職員)とも。また、技術職系の副市長に、天下りしたばかりの田中氏を指名したことも驚きを呼んだ。「橋下市長は、職員の天下り全廃も話していただけに、意外に思った」(同)とも。
大阪市の状況を見物している40代男性府職員は「橋下氏の懐に飛び込まなければ、損だという印象が植え付けられたのではないか」とし、「橋下氏は3年半の府知事経験で、いまや怪物になった。耐えてください」と話していた。