『東京の坂、日本の坂』その227。2015年5月以来久しぶりに王子駅から坂道巡りをした。前回は音無川・王子稲荷周辺の坂道をあるいたのだが、今回は飛鳥山公園からゲーテの小径を通り、さらに西巣鴨あたりを歩く行程にした。
JR王子駅で下車、まずは王子駅のキャラクターである『キツネ王子』がお出迎え。
駅前で少し迷ったが、歩道橋を渡り、都電の電停の方に行く。都電の線路に沿って左に上る坂を歩く。
この坂道が『飛鳥大坂』、緩やかに弧を描きながら登っていく。名前の由来は飛鳥山から取ったものらしい。
すぐに『アスカルゴ』の乗り場に出る。アスカルゴとは飛鳥山の無料モノレールで高低差18m、総延長85mの斜行エレベーターであり、2009年から運転をしている。2分で山頂まで登ることができる便利な乗り物で見た目がカタツムリに似ていることから飛鳥山+エスカルゴ=アスカルゴという愛称で呼ばれている。
但し、物好きにこれに乗るお客さんは私以外おらず、1人で係員のお爺さんに送られ、無事山頂へ。青空の下、眺めは眼下にサクラトラムが走り、上々であった。
公園は桜の季節でもなく、北風も強いためガラガラ。その中で大きなサザンカが見事にピンクの花を付けていた。
本来ならば公園内にある3つの博物館(飛鳥山博物館、紙の博物館、渋沢資料館)を廻るところだが、時間がないのでパス。
代わりに展示してある王子電車から引き継いだ都電の車両とD51機関車、飛鳥山の記念碑などを見て南口から本郷通りに出る。
この辺りの本郷通りは上り坂となるが、これが『六石坂』である。説明板に東京府村誌が引用されていて『長さ24間、広さ3間、元と坂上に租6石を納る水田があり、故に言う』とある。
つまり江戸時代に坂上には150kg×6=900kgの税金を支払うほどの広い水田があったようである。
飛鳥山公園の駐車場を左に曲がると日蓮宗の妙見寺という古刹がある。寺の先が下り坂になっている。先は車が入れないほど細くなるが、この坂道が『妙見寺坂』である。
道幅はお寺の前あたりまで広いため、車が私を追い抜いていくが、先には進めず、ターンもできないため、苦労してバックで坂登りをする様子を何台も見た。(以下、次回)