『久我山歳時記』(56)、年が明けてから最初に迎える二十四節気は『小寒』、今年は1月5日である。さらに寒さが強くなり、『大寒』は1月20日、『立春』が2月3日と季節は移ろい、暦の上では春となる。そして1月6日〜2月2日を寒の入りと言って一年で最も寒い時期となる。
昨年はかなり夏が暑く、二十四節気と乖離があったが、冬に入り暦通り寒くなってきた。特に年末には年末寒波(〜12月30日)、新年寒波(1月2日〜)と日本海側は大雪、猛吹雪となる一方で、太平洋側は1カ月以上まとまった降水がない日が続いている。
七十二侯では『芹乃栄(せりすなわちさかう、〜1月9日)』『水泉動(しみずあたたかをふくむ、〜1月14日)』『雉始雊(きじはじめてなく、〜1月19日)』とされている。確かに芹が八百屋の店頭でよく見かけるようになるのは年末以降である。ただ、水が温かくなるというのはまだ先のように感じる。もちろん、都会で雉子と出会う機会はない。
年末年始は久我山でも色々と催しが行われ、以前はpeacockの駐車場でイルミネーションが付けられたのをきっかけに始まった『久我山ピカピカまつり』。
普段は人が殆どいないのだが、お正月は混雑する『久我山稲荷神社の初詣』などには人が繰り出す。しかし、これを除くと静かなものである。
長い正月休みを持て余しながら久我山の街を歩くと確かに花はかなり減った。それでもまだ健気に咲くツワブキの黄色い花、葉は枯れたが実が実っているカラスウリ(唐烏瓜)、まだ残っている赤く色づいた蔦の葉などを見つけた。
もちろん、橙や柚子、レモンなどの柑橘、赤い実をつけたセンリョウやナンテン(南天)、ソヨゴなどは今も残っている。
春を待つために柔らかい毛に包まれたヒメコブシ、ようやく花をつけたクリスマスローズやスイセンなどを発見した。いよいよピークの寒さがやってくる背がしゃんと伸びる季節である。
数字で見てもこの時期の寒さは明らか、ちなみに東京の最高気温は10℃、最低気温は1〜2℃である。もちろん一年を通して最も寒いのだが、これが3℃になるのが2月26日、4℃になるのが3月8日だからまだまだ暖かくなるのは先のことのようである。