『大正、昭和の建築物を訪ねて』その12。この企画は昨年6月の上野以来である。ふと宝町駅を降りて新富町方向に向かっていたら偶然見つけた懐かしいレトロ建築。周辺にまだまだあるので昼休みを使って訪問してみた。
まずは新富1丁目の太田屋。業種は分からないが盛業中。張り紙に戸を開けると猫が出てしまうらしく『猫が出ない要に』と張り紙。看板建築である。
続いては新富橋信号横にある大野屋。安政年間創業の和装雑貨の専門店。大正末期の建築で典型的な当時の町家建築、角地にあるため側面も見ることができる。ちゃんと時流に乗っていて店頭では華やかなマスクを販売中。
その前にある新富復興稲荷の祠に手を合わせた後、少し新富町駅方向に行くと川島商店の建物。
網が掛かってはいるが、調べてみると川島産業(SKM)は創業1933年の衛生住宅機器の専門商社らしい。灯りもついているので現役のようである。横からのぞくと、看板建築のように見える。
その先にも銅板建築があるが、この建物は最近までカレーハウス・アイチヤとして使われていたが、現在はその記載は無くなっていた。また、銅板に刻まれた屋号を判読するのは難しいが、『愛知屋本店』と書かれていたのであろうか。
その先の交差点には珍しい角を上手く使った看板建築を発見。この店は元は『大華』という中華料理店で現在は『東竜』という坦々麺の店になっている。店は変わってもこうして建物が残されているのは嬉しい。(以下、次回)