北米市場の興行収入記録を塗り替えたという‘07年サマーシーズン。日本もそれなりに活況を呈したようだけれど、ハリー・ポッターがシリーズ最低の成績に終わり、パイレーツ・オブ・カリビアンをぬくことができなかったことに象徴されるように、どうもいまひとつ……「河童」がなかったらさみしい夏だったろうなあ。
「レミーのおいしいレストラン」RATATOUILLE
CGだけが騒がれるピクサー。実はストーリーを何年もかけて練りあげるのが伝統。しかしこの作品はどうだろう。料理の天才であるネズミが、気弱なコックをあやつってその腕前を……このコックはしかし最後まで全然成長しないのだ。吹替を某若手男優(好きな役者なんだけどなあ)にやらせたのも失敗だったと思う。甘え、が払拭できない印象。スパイスの効いたラストは、ちょっといけるけれど。
ディズニーと大げんかしたピクサーも、結局は元のさやに。ま、ネズミの映画はディズニーでしょ☆☆☆
「トランスフォーマー」Transformers
マイケル・ベイの過剰なヒロイズムさえ気にしなければかなり楽しめる。計算がちょっと鼻につくのね。カマロにトランスフォームする“あいつ”が、発語機能が故障しているものだからカーラジオから流れるポップスの歌詞でしか語れない設定はよかった(プレイヤーの「ベイビー・カム・バック」とかカーズの「ドライブ」とか)のに、最後には軍隊口調になってしまうのでがっかり。
機械軍団がコンボイを組んで疾走する姿にはちょっと興奮☆☆☆★
「西遊記」
いっしょに観ていた娘は「面白かったー!泣いちゃった」と喜んでいた。でも父親のわたしは香取慎吾のコント芝居にへきえき。悪い予感的中。「人にやさしく」の絶叫演技そのまんま。内村光良の沙悟浄がいなかったらどうなっていたことか。チープなCGは、それはそれで味があるのだけれど。
女盗賊役の水川あさみはお気に入り☆