今回からは
「公務員というお仕事」三笠書房刊
清水ちなみ・大場かなこ監修 OL委員会【公務員部】協力
をテキストに公務員の仕事と生活について6年前のネタを再掲。
今考えると、このころの公務員バッシングはぬるかった……
それにしても外務省。いくらなんでもなあ。こちらも下級官吏のはしくれ、裏金づくりにまったく覚えがないとは言わないが……。あ、ネットはこんなとき懺悔に便利かも。えーと私が知っている学校事務職員の裏金づくりは、うーん中学はみんなやったことがあると思うんだけど、いわゆる旅費の校内配当の問題。足りねーんだからしょーがないだろ、と自分を納得させていたが、今思えばちょっとなあ。規模は小さいけど不正は不正だし。それに、悪質なのになると強引に捻出して校長会あたりに上納していた例もあったらしいぞ。他地区から転勤してきた職員が怒っていたのは……
「あの学校やー、旅費、ほとんど出ねがったんや。」
「あー、あそこはJRの駅が基準地にあるから」
「違う違う。そんだレベルでねぇんだ。とにかくおがしーなぁってみんな言ってだな」
「ふーん。」
「で、その事務職員転勤するごどなたんでも」
「うん」
「校長室で校長どしばらぐ密談してでや」
「ほう。」
「あれ、絶対なんかの裏金作ったんぜー」
「うーん。」
まあその人はもう退職しているし組合員でもなかったからバラすけれど、おそらく〈やってた〉んだろうな。学校には交際費も福利厚生費もないもんだから、という被害者ヅラして。旧郵政省の特定郵便局への【渡切費】なんて露骨にそれだろう。やれやれ。
そんなこんなで風当たりの強い公務員。会社図鑑の号(まもなくやります)では公務員の側から見た民間の異常さをとり上げましたが、今度は身内の異常さをピックアップしてみましょう。OL委員会は、私たちが一番虐げられている、というOLの被害者意識をバックボーンに、おじさんたちをひたすら告発し続けている圧力団体(笑)ですが、公務員部の場合、自分たちを含めた異常さに意識的で、その分、読みながら息苦しくなることはないわけで。
それでは、OLたちの語る【公務員の仕事】を年収付きで列挙……
・ 市役所 30歳 勤続10年 年収420万 の場合
実働45分ほどなり。暇すぎて気が狂いそうである。ただし、議会中は忙しいです。
8:30 出勤。お茶いれと新聞綴じ。
9:00 議長の日程打ち合わせ。
9:15 新聞を読む。
10:30 お茶いれ。
10:30~ お昼まで このアンケートを書く。
12:00~13:00 昼休み。
13:00~15:00 ワープロで友だちに手紙を書く。
15:00 お茶いれ。
15:15 予算について打ち合わせ。
15:30~16:30 中国語を勉強。(趣味)
16:30 お茶碗洗いとそうじ。
17:00 夕刊を読んで綴じる。
17:15 帰宅。
私のポストは「議員のところに女性職員がいないのはマズイ」というのでむりやりつくったポスト。だから暇で暇で仕方がない。とにかく議員の奴隷である。「甘いもんを食いたい」と言われれば、おやつを買いにいく。議員の野球大会が近くなれば(年2回ある)、そのために週2回は練習にかりだされる。飲み会にはコンパニオン兼会計係として連れて行かれる。焼肉屋で乳をにぎられたこともあった。議員の息子とデートさせられたこともあった。
……いきなり極端な例から始まってしまった。しかしサンプルとしての彼女はきわめて有効だ。公務員の2大側面〈とにかく暇〉と〈議会にご奉仕〉がそのまま提示されている。暇かどうかは異論もあるだろうけれど、例えばこんな人も……
・ 教育委員会 30歳 勤続7年 年収350万 の場合
そうじ、お茶いれ、端末入力、お茶いれ、入力、ランチ、入力チェック、お茶いれ、雑用、片づけ、帰宅。
つまらないー。一年中おなじ。つまらないー。給料分くらい仕事よこせー。
……ね?我々学校事務職員にこんな面があることも否定できないでしょ?それどころか『端末をよこせ』と言ってるレベルなんだから情けないったらない。しかしここまでは“公務員だから”というより“OLだから”との不満、とも思うが(怒られそうだな)、損得で考えたときの公務員像はどんなものかと見てみると……
・服装とか全然うるさくないです。制服はあります(グレーのスーツ)が、ときどきエアロビ用の黄金色のスパッツに紫のハイヒールとか、制服のインナーにショッキングピンクのTシャツ。それにあわせたのか、桃色のハイヒールとか履いてくるおばさんがいるので驚きます。けっこう「今日はどんなかな」とワクワクします。でも誰も注意したりしません。(町役場 24歳)
・事務職採用なのに事務服がもらえない。服は決まりがない(といっても窓口などではきちんとしなくてはならないが)。ジーンズOK。仕事をきちんとこなしていれば、ヘビメタだって大丈夫だと思う。 (区役所 24歳)
……あれ?そうだったのか。ウチの学校だけが厳しいのかな。私は既に諦められているか敬遠されているかで“指導”されたことはないが、男性職員はみなネクタイを着用しているし(私がネクタイをしていくと「あ、出張ですか?」とみんなに訊かれる。これもちょっといかがなものかと)、先日の飲みの二次会で披露されたウチの女性教頭の指導の数々は凄かった。
・若手教員の髪型が“先生らしくない”と髪をつかまれた。
・パンツがタイトだと“下着の線が見える”とチェックされた。
・小学生も高学年になると“目覚めてくる”のでボディラインが強調されているものは着てこないで下さい、と呼びつけられた。(「あたし、強調してる?」とその教員は憤然としていたが、そんなこと訊かれてもなあ)
・そういえば白いシャツに紺のスカートという、だっせーなー、と内心思っていた職員を「あら、○○先生、今日のファッション(笑)は、ス・テ・キ」と皆に推奨するように大声で宣伝していた。ウチにいわゆるイケイケが存在する余地は全く無いんだな。さみしい……。
次号も、公務員の天国と地獄はつづく。
……2007年になっても似たような状態かも。先日もウチの職員室では「校長から『その服だとおっぱいが見える』って注意されたのよ。まったくもう。ところでホリさん、見える?」だからオレにきくなってー。
ちなみに、小学校という職場は圧倒的に女性が多いため、男性を意識しないがためにけっこう油断した格好になるという……なさけない(T_T)。
本日の画像はドリー・パートンが“頭は切れるのに胸のためにそう見てもらえない”OLを好演した「9時から5時まで」9 to 5。シーナ・イーストンでおぼえている人も多いと思います。公務員的に言うと、それだと休憩休息をはさんで7時間しか勤務してないんじゃないかお前ら、ってことなんだけど。