「駆け足の人生」はこちら。
免許をとりたての頃だった。夜のドライブとしゃれこんだわたしの前方に、これぞヤンキー!と言いたくなるクルマが走っていた。
と、なぜかその族グルマは停車し、わたしは何気なく追い越した。するといきなりヤンキーはふたたび発車。バシバシとわたしのスカイラインに向かってパッシングする。ん?止まれってことなのか?ひょっとしてケンカうってんのか?
「あ」
そのときわたしは気づいた。ヘッドライトがずーっとハイビームになっていたことに。眩しかったのかあいつ。ライトをようやく下向きにすると、納得したのかヤンキーは別の方向へ走っていった。要するに彼は“そのことだけを注意するために”わざわざ停車までしたのである。熱血漢!
……減光は、安全対策である以上に、他のクルマをどれだけ意識できているかという意味で路上のルールの範疇にも入る。一種の礼儀でもあろう。
それではヘッドライトつながりで「信号待ちの際に消灯するか問題」(勝手にでっちあげました)はどうだ。
わたしは例外なく消しているけれど、友人たちは若い頃
「あれは過充電だろう?」
とその必要性を否定していた。しかし結局わたしが消灯することにしたのは、学生時代にバイトでいっしょだった同い年の男が
「消すべきだよ。一番前で停車しているときは対向するクルマが眩しいはずだし、後ろで停車しているときは前のクルマがやっぱり眩しいと思うんだ」
と主張した影響。
その男は礼儀のかたまりのような男で「後ろのクルマが眩しいだろうから」とブレーキランプが点くのを嫌っていちいちサイドブレーキを引いていたくらい。
さすがにそこまではわたしもできん。まあ今でも赤信号で停車するときに消灯する癖が抜けないのは、スローダウンすると同時にホワッとライトが消えるのって、なんかかっこいい(笑)ような気がするだけかもしれない。みなさん、消してます?
ライト関係でもうひとつ。トンネルが多い道を走行する場合、常に点灯するクルマ、点灯消灯をくり返すクルマ、ほとんど限界まで点灯しないクルマ(笑)などがあるけれど、先日、200㍍ぐらいの短いトンネルでも常に明滅をくり返すクルマが前にいて「律儀なヤツだなー」と感心していたが、よーく考えると、あれって自動で点いたり消えたりするシステムが搭載されているのかも。クラウンとかソアラにはそんな装備があったような気がするし。
あんまりうらやましい装備じゃないことは、雨滴感知システムとタメかなあ。それくらい手動でやれってんだよな。
画像は、昔とんでもなく人気のあったギャランGTO。今の三菱からは想像できない……