その13「マル暴」はこちら。
交通違反については「この1冊」で既に「My交通違反・My交通事故」という不穏当な特集を組んでいる。今回は「日本の警察」シリーズの一環として、取り締まる側の事情を調べてみよう。
一年のなかで、わたしたちドライバーが慎重になった方がいい時期は以下の三つ。
①春と秋の交通安全運動期間
②月末
③年度末
交通安全運動期間中は文句なし。テントをはり、のぼりを立て、警察の威信にかけて違反の摘発に血道をあげている。それでは月末や年度末はなぜ?
答は「ノルマ」と「歳入確保」だ。
このシリーズの最終回あたりでやろうと思っているのは、警察というのはとにかく上下関係が厳しく、上の言うことには絶対服従の傾向があること。そして警察署長たちは“他の署に負けないように”取締り件数の目標をかかげて署員にハッパをかける。で、署長の言うことは絶対だから署員は渋々出かけることになる。
しかもこの目標は月ごとに「駐車違反○件」「速度違反○件」「信号無視○件」と違反の種類ごとに定められているとか。未達となれば翌月に上乗せされる署もあるというからおそろしい。こうなると月末や年度末があぶない理由はわかりますね。ノルマ、という表現を使わなくても、封建社会の警察では「目標」すなわちノルマなのだろう。
もうひとつ「歳入確保」はこんな理屈。違反者が納めた反則金は、まず歳入として警察庁に集められる。そこから総務省にわたり、地方交付金として各自治体に交付される。自治体はその交付金で標識や信号機、カーブミラーなどを整備するルートになっている。そして、この歳入はおそろしく細かく予算化されているのだそうだ。それだけでなく、前年度の取締り実績が翌年度の警察予算確保のための実績として評価される仕組み。
こりゃ、意地でも“歳入予定どおりに”違反を取り締まらなければならないわけだ。しかも、標識などを整備する会社が警察OBの天下りとなると……なんだかなあ。要するに、たとえこちらが安全運転をしても、警察の都合で引っぱられてしまうのではないかという事実は、わたしたちを激しくいらつかせるではないか。
その15「また交通警察」につづく。
※画像は、彼らもいちおう交通警察だろうか「戦う交通安全!」のフレーズが笑わせ、戦隊もので最低視聴率を更新した「激走戦隊カーレンジャー」。