テレビのやらせを、単に糾弾するだけでなく冷静な態度でたしなめているところがかえって効果的。多くの超能力やマジックが、スタッフの協力なしには成立しえないことを淡々と語っている。超能力者によって解決した事件など、実はひとつもないことを具体的な事例で暴く章は圧倒的。SF作家であり(「アイの物語」を書いた人だ!)、トンデモ本を指弾すると学会会長の顔もある山本だけれど、あの学会に偏見をもっていたのは間違いだったか?
この書の貴重なところは、科学というのは再現性が必要とされるという基本をちゃんと思い起こさせてくれることだ。「職業欄はエスパー」で特集したように、スプーン曲げの清田氏は「(調子が悪くてできそうにないから)インチキをしてしまいました」と語っていた。でもそんな理屈を受け入れ続けるようでは視聴者はいつまでもなめられてしまう。再現性がないのならそれは超能力なのではなく、単に無能力なのだと喝破する冷静さがわたしたちに求められているだろう。
でもテレビでは常に奇跡が起こっている?わたしは思うんですよ。録画が微細に行われるようになればなるほど、超能力者はしんどい思いをするはずです。彼らの最大の敵はテレビの解像度と「視聴者の疑う姿勢」ですし。あ、それから“雲を消してしまう超能力”は息子に向けて一度やったことがあります。大成功でした
登場する子どもの名前は夕帆ちゃんと勇馬くん。UFOとUMAです☆☆☆★★★