監督:ノーマン・ジュイソン 主演:スティーブ・マックィーン
編集ハル・アシュビー、脚本リング・ラードナーJr.
渋いメンツがそろっている。運動神経がよさそうなマックィーンがいい。ただ、ルールがよくわからないのでスタッドポーカーの面白みが今ひとつ伝わらない感じ。E.G.ロビンソンとカール・マルデンの苦み、水蜜桃のようなアン・マーグレット。いかにも黄金期の映画。そしていかにもな南部の湿気と熱気。
ところで、水蜜桃ってどんな桃?☆☆☆★★★
監督:ノーマン・ジュイソン 主演:スティーブ・マックィーン
編集ハル・アシュビー、脚本リング・ラードナーJr.
渋いメンツがそろっている。運動神経がよさそうなマックィーンがいい。ただ、ルールがよくわからないのでスタッドポーカーの面白みが今ひとつ伝わらない感じ。E.G.ロビンソンとカール・マルデンの苦み、水蜜桃のようなアン・マーグレット。いかにも黄金期の映画。そしていかにもな南部の湿気と熱気。
ところで、水蜜桃ってどんな桃?☆☆☆★★★
監督:スティーブン・スピルバーグ 主演:レオナルド・ディカプリオ トム・ハンクス
確かに上出来な映画で、ディカプリオが達者な役者であることは理解できる。でもこの映画に足りないのは、もうほんの少しの「軽さ」。自分の過去をネタにテレビショーに出演するほどの年若い(そしてお調子者の)詐欺師の物語なのだから、家族の再生などという重いテーマはむしろマイナスにはたらいたのではないか。高校生のくせに欺すことに天性の才能をみせるあたりをもっと強調しても面白かっただろう。でも、それではスピルバーグ印にならなかったということかなあ。
加えて、タイトル(「鬼さんこちら」)の意訳を絶対に許さない指令が出たことでもわかるように、構えの大きな作品にしてしまったことで逆に楽しさをそいでしまったんだと思う。くりかえすが、確かに上出来の映画ではあるのだけれど。
ユーモアを解さない捜査官、わざわざこんなお得な役をトム・ハンクスにふらなくても(笑)☆☆☆★★★
30年に一度、ひとつの町が消滅する世界。設定もうまいが、それ以上に外界がその現象を一種の“穢れ”としてとらえている……このあたりがうまい。
でも設定の面白さだけなら現代SFに数多くあるわけで、そこを突き抜けているかといえばちょっと微妙。三崎亜記の志向する小説が、異様な設定とリリシズムの融合なのはデビュー作「となり町戦争」から変わっていない。
静かで絶望的な恋愛小説でもある☆☆☆★★★
人生相談はよく言われるように「(相談を)すると決めた時点で相談者はある程度悩みを抜け出せている」のだと思う。回答者はその後押しをするだけだと。
だよなあ。そうでもなければ回答者はよほど腹をくくっていなければならないもの。わたしが近ごろまっとうな回答者だと思うのは朝日新聞におけるピーコ。フリークス扱いされることの多い彼の回答は、なるほど、とうなずけるものばかりだ。
男しか愛することができず(でもセックスはしていないんですって)、片眼を失い、死線をさまよった彼だからこそ語れるものがあるんだろう。いや、美輪明宏、細木数子などと並べてみれば、フリークス、異形のものにこそ心情をあからさまに話せるという心理が、われわれのどこかにはたらくのかもしれない。インタビュアーとしての糸井重里もすごい。
前作「Shall We ダンス?」から11年。周防の新作は意外なことに徹底した社会派映画だった。もちろん、彼のことだから単に日本の刑事裁判を糾弾するだけでなく、娯楽映画として十分に機能している。企画の段階では、痴漢冤罪がテーマなんて興行的にだいじょうぶかなあと思っていたが杞憂にすぎなかった。十億をこえるヒット。まずはめでたい。
それにしても演出のデリケートさには驚く。護送車の窓から見える“世間”への主人公の視線、役人らしく風呂敷で書類を包む検察官(専門部交渉を思い出して息が詰まる)、退屈さを隠そうともしない書記官の表情、レザー張りの椅子の音、あまりにエキセントリックなのでかえって「いるいるこういう人」と思わせる裁判官……まるで裁判がゴロリとそこに横たわっているかのようだ。周到な計算にもとづいた周防演出があったからこそだろう。11年も待った甲斐があった。長すぎるけど。
加えて、どんな風景の中でもそこにいきなりなじんでしまう加瀬亮(ひょっとして天才?)の存在がでかい。まるで芝居も何も「やってない」かのような自然な演技。彼でなければ、およそ成立しない映画ではなかったか?
元ユニコーンにして氣志團のプロデューサーの阿部義晴のお父さんが先日亡くなった。義っちゃん先生と呼ばれた彼は山形県の教員。葬儀では奥田民生の弔電も披露されたと部員からメールが。
誰よりも息子のファンだった阿部氏のおかげで、あのころ同僚たちもユニコーンの楽屋に入ることができたらしい。うらやましいな。
同じように山形県の教員の子どもだったのが渡辺えり子。大学受験のときは東京の“保養所”に泊まったとか。それって青山会館(今のフロラシオン青山)じゃん!
06年12月14日 事務職員部報「改革派②」より
監督:デビッド・フィンチャー 主演:ジェイク・ギレンホール ロバート・ダウニーJr.
「観なきゃよかったですーっ!なんであんな暗い話につきあわなきゃなんないんだか。」
同僚が嘆いていたせいで封切りで見逃した。大失敗。あんな暗い話をこれだけ面白く語れるところがこの映画の美点なのだ。あいつの言うことなんか信用しないで劇場にかけつけるべきだった。
未解決の連続殺人をめぐるお話。この事件をモデルに「ダーティハリー」は製作された。事件をめぐって何人もの人間が“壊れていく”あたりが渋い。
ロバート・ダウニーJr.はこの映画で復活!☆☆☆☆