SONYにとっては(前シリーズより落ちるとはいえ)きちんと稼いでくれる蜘蛛男。
アイアンマンをはじめとしたアベンジャーズ系がディズニー、X-MEN系がFOXと、映画会社にとってMARVELはほんとうにありがたい存在となっている。そのためだろうか、この映画のエンディングには、なんとまもなく公開されるX-MENの新作の予告が挿入されています!SONYの映画のなかにFOXの予告(笑)。もう、だれもMARVELを止められません。
今回もピーターは悩みまくっています。サム・ライミ版では
「大いなる力には大いなる責任が伴う」
というテーマだったが、リブート版ではもっと個人的なことでクヨクヨ。自分とかかわることで恋人を危地に追いやってしまうのではないか、だけど別れたくないなあ……ヒーローはたいへんです。
ネタバレになるけれど、ピーターとグウェンの間には新展開が。ほう、ここまでやるのか。賛否あるところだろうが、グウェン自らの決断に理はあるんだから仕方ないぞ。
今回の敵役は電気をあやつるエレクトロ(ジェイミー・フォックス)、サイ型パワード・スーツを装着したライノ(ポール・ジアマッティ)。すごいキャスティング(笑)。ジアマッティはほとんど彼だとはわかんないくらいのメイクですけどね。そしておなじみグリーン・ゴブリンとしてデイン・デハーンがピーターの幼なじみであるハリー・オズボーン役で登場。
悩みながらもピーターは、例によってNYという街を味方にすることによって悪人と対峙する。摩天楼の間を飛びまくる姿は3Dのためにあるようなものだし、例によってマンホールの蓋を武器にするあたり、小細工も決まっている。
だから彼がグウェンのあとを追ってイギリスに行くという選択肢は最初からなかったとも言える。ニューヨークを出たらスパイダーマンではない。
大ヒット大ヒットと言われているけれど、実は北米と日本でだけ興行成績はいまひとつ。中国やインドではめちゃめちゃに稼いでいるらしいけどね。
わたしは吹替版で見たんだけど、シリアスな展開と、気の利いたセリフを吐きながらアクションをかますピーターの性格に違和感ありあり。字幕版の方をおすすめしたい……あー、でもそれだと3Dの浮遊感が得られないのか。違和感と浮遊感、どっちを優先?観客も悩みは深いっす。