前作を見ていなかったのには理由がある。アメコミのヒーローだからといってタイトルが「キャプテン・アメリカ」ですよ。しかもコスチュームがいかにも古臭くて……
「アベンジャーズ」では、たいした活躍の場も与えられず(70年間も氷漬けになっていたので)お年寄りあつかい。それなのにどうしてPART2を見る気になったかといえば、それはキャスティングだ。なぜ、このタイプの作品にロバート・レッドフォードが出る?サンダンス映画祭を主宰し、老いてからは過激なほどに“左”の映画を撮り続けた彼が。
俄然テンションが高まる。しかも北米では大ヒット(同じ続篇でもスパイダーマン2のはるか上を行っています)。おまけに聞こえてくる絶賛の嵐。ついでに日本ではいまひとつの成績。へそ曲がりなわたしとしては、何としても見なければ!と決意。
しかしやっぱり1作目は見とかなきゃ……とDVDで鑑賞。あれま。なかなか面白いです。
1942年。ひ弱で、兵士に志願してもはねられてばかりのやせっぽちの青年スティーブ(クリス・エヴァンス)。しかし彼には愛国心と、なによりも善なる心があった。その善良さこそがなにより必要とされるスーパーソルジャー計画に被験者として選ばれる。
「このガリガリのちびを?」
と嘆く上官のトミー・リー・ジョーンズがいい味。スティーブが選ばれる前にテストがあったんだけど、これもうまく考えてあった。
さて、超人血清を注入されたスティーブは、身長が伸び、思い切りマッチョな肉体に変貌。ガリガリ少年の願望がいきなり実体化するあたりはさすがアメコミ原作。
問題はですね、ガリガリくんもマッチョなスティーブも、どちらもクリス・エヴァンスが演じていることなんです。わたしはダブルキャストなのかと思っていましたが、やせっぽちでチビなころはCGでうまく処理したらしい。これは手間がかかったろうと思う。共演者も目線をずらすなど大変だったというし。そして、教官でもある恋人のペギーが、ガリガリのころからスティーブを理解しているあたりの描写もいい。
インディ・ジョーンズばりの冒険の果てに、スティーブは人類を救うために爆弾とともに北極へ。そのために彼は70年間眠り続けることになる。覚醒した彼は、アベンジャーズ召集係のサミュエル・ジャクソンにつぶやく。
「(ペギーと)デートの約束があったんだ」
泣かせます!以下次号。