第十六話「上月城の守り」はこちら。
先週はお仕事だったのでオンエアに間に合わず、例によって再放送を見てからアップです。われながら律儀です。レコーダーを買うのもいいだろうけれど、どうもそうすると安心してむしろ見なくなっちゃうタイプ。われながらずぼらです。
前回の視聴率は予想以上で16.2%。「花子とアン」が絶好調なので、オヤジ週刊誌がまたしても大河の不調をあざ笑っておりますが、悪くないですよこの数字は。日テレの17:30から22:00までの鉄壁の布陣をかいくぐってむしろ健闘か。
さて今回は、ふたつの城が見捨てられる経緯を。信長は毛利の軍勢の兵糧攻めに苦しむ上月城を。毛利は官兵衛の調略と宇喜多直家に対する疑心から棚橋左京進のいる志方城を。
まだ若い官兵衛と、天下布武をとなえる信長では、違う風景を見ているということなんだろうけれど、上月を捨てたことで播磨での信用を一気に失ったわけで、話はそう簡単ではなさそう。毛利との激突には、もっと有利な条件下で、とする計算はきっとあったでしょう。なにしろ相手は5万の軍勢だし。
尼子勝久はしかし悲劇的な武将だ。よくよく考えると毛利と尼子の間には長い因縁があり、毛利だけが腹黒かったわけではない。しかしファナティックな(そしてめちゃめちゃ強い)山中鹿之助の誘いにのってお寺から還俗したのが運の尽き、といってはかわいそうすぎるかなあ。寺で静かな一生をすごした方が……と考える人はもうひとりいて、竹中半兵衛は「ここ(寺)にいると心が安まる」としみじみ。死亡フラッグに似合いすぎるお言葉です。
今回の演出は、ストップモーションの多用、仰角で密談を撮ったりと、まるで東映やくざ映画。神戸の某組織、じゃなかった信長に粛正されるのではないかと怖れる荒木村重と明智光秀の対話はいい感じ。田中哲司と春風亭小朝が菅原文太と小林旭に見えてきます。
ということで今回の視聴率は……あ、結果はもう出てるか。15.6%ねえ。安定ってとこかな。オヤジとしては、すっかりファンになった高岡早紀の退場がひたすら悲しい回でした。
第十八話「裏切る理由」につづく。