PART1はこちら。
さて、前作がこういう次第だったので、とにかくキャプテン・アメリカは真面目。愛国心のかたまりで善良な男だから、絶対に童貞だし(勝手に断定)。だからアベンジャーズではプレイボーイなアイアンマンにいじられちゃうのである。
その真面目さをうまくカバーしていたのがPART1ではトミー・リー・ジョーンズ。死出の旅になるかとキスをする恋人たちに
「おれにはするなよ」
誰がするか(笑)。そんな小粋なやりとりが、むしろシリアスな主人公なのでたっぷりしこんであってサービス満点。
しかし二作目は趣きがちょっと違う。製作者ははっきりとこう宣言しているのだ。
「70年代の『コンドル』のようなポリティカル・ホラーをめざした。」
コンドル!わたし、大好きな映画なんですよ。ロバート・レッドフォードが演じるCIAの“読み屋”(分析官)が勤務するアジトが、何者かに一瞬にして殲滅させられてしまう。ただひとり生き残ったレッドフォードが、孤独な女性フェイ・ダナウェイとともに逃亡し、逆襲にでる……デイブ・グルーシンのシャープな音楽がいまもよみがえる。
そうかだからロバート・レッドフォードをキャスティングしたわけだ。ちなみに、なぜ表舞台に立つこともない読み屋が狙われたかのネタは、のちにジョン・グリシャムが「ペリカン文書」でいただいちゃってます(もちろんグリシャムは、リスペクトのために作中でコンドルについてもふれています)。公開当時よりもいまの方が評価が高い作品じゃないかな。
あああ話が前にすすまない。ウィンター・ソルジャーに話をもどすと、オープニングがいかすんですよ。アベンジャーズの大騒ぎを終え、ワシントンDCで静かにくらすスティーブ。わけありで退役しているサム(ファルコンスーツを着てのちに大活躍)がランニングしていると、やたらに速いランナーが何度も何度も追い抜いて行く。もちろんスティーブ。超人ですから。
でも、他のヒーローのようにけた違いの強さを誇るわけではなく、人間よりもちょいと身体能力が高いだけというのがここで示される。だからこそ、高度なアクション場面がこれから展開されるのだ。以下次号。