話題のベストセラー。へそ曲がりな性格だからいつもなら絶対に手にとらないタイプの本。でも、遊佐の図書館の新刊棚にあったし、なにしろ毀誉褒貶がめちゃめちゃにはげしいらしい(著者も本も)ので借りてみました。
事前の情報とは違って、わりに冷静な筆致だし、現役の医師が自分の肉体で実証しているので説得力はある。
夏井医師の主張で印象に残っているのは……
・飲みすぎてリバースしたとき、出てくるのは炭水化物系のものであることが多い。印象では肉の方が消化に悪そうだが、現実には肉はあっという間に消化され、のこるのは麺類やごはん。
・人類が定住を始め、多くの人口をかかえることができたのは農耕生活を始めたから。しかし歴史をみればそれはつい最近のことにすぎない。人類は穀類を食べることに慣れていない。
・炭水化物を摂取することにより(なにしろ人体はそれを想定していないから)むしろ糖尿病や睡眠障害などのリスクが高まる。
・運動でやせるのは夢物語。炭水化物をとらないだけ、酒は日本酒やビール以外ならいくら飲んでもいいし、焼き肉も食べていい。それでも半年で10㎏やせた。
……おー。いいことだらけではないか。
「でも」
と同僚は疑義を。
「確か脳は糖分を必要とするんですよね?」
あ。そうだそうだ。脳のためにも糖分は必要なんじゃないの夏井さん!しかしそこはさすがに理論づけされていて、人間は自分で必要量のブドウ糖をつくることができるのだとか。
「うーん。すごい理論だなー」
「でも、ごはんと明太子、バターたっぷりのパンの誘惑に勝てるんですか?」
「えーとね、それはだいじょうぶなんだけど……」
「だけど?」
「ラーメンもダメってのは絶対無理」
「……」
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書) 価格:¥ 950(税込) 発売日:2013-10-17 |