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この作品のイギリスっぷりはとにかく徹底していて、
・タイトルからしてマザー・グースのハンプティ・ダンプティの一節All The King’s Men(王様の家来みんな)からいただいている。
・エージェントの名前はすべてアーサー王と円卓の騎士たちに由来する。ハリーはガラハッドだし、冒頭で亡くなるのはランスロット。円卓の騎士は、誰かが亡くならないかぎり補充されないという決まりがこの映画のストーリーに影響している。
・英国紳士といえば犬がつきもの。ランスロット(彼だけは労働者階級出身だった)の息子、エグジー(新人タロン・エガートン)は訓練の課程で犬を選ぶことになり、ブルドッグだと思いこんで選んだら、いつまでも大きくならないパグだったというオチがつく。平民なので犬にくわしくないわけ。そして訓練の最終課程はその犬を使ったものだった(気の弱い人は目をつぶっていること)
・やはり英国紳士といえば傘。悪役との最終バトルの際にエグジーが選んだのは傘型マシンガン。「いい選択だ」
・イギリスは階級意識が強いことでも知られる。労働者階級からも優秀ならばエージェントに選出されるべきだと考えるハリーは、おじけづくエグジーに
「『大逆転』Trading Placesという映画を見たことがあるかね?」
ダン・エイクロイドとエディ・マーフィが、金持ちとホームレスの立場を入れかえ(trade)させられるお話ね。監督はジョン・ランディス。
「じゃあ、『ニキータ』は」
終身刑の女囚が、暗殺者という別の立場を得るお話。監督はリュック・ベッソン。
「『プリティ・ウーマン』はどうだね?」
これはご存知、ジュリア・ロバーツの娼婦が、大金持ちリチャード・ギアによって淑女に仕立てられるお話。生まれが問題じゃないという意味であげた三本だったのにエグジーはどれも見ていない。
「でもマイ・フェア・レディは見たことある」
あはははは。以下次号。