2015年8月号「業務用口座」はこちら。
8月6日、今年も人事院勧告が出ました。女性初の人事院総裁である一宮なほみ氏(裁判官出身)が、現首相に勧告を手渡すニュースを見た人もいるでしょう。
今年はめんどくさいことは申しますまい。主な内容はこうなっています。
◆給料を平均して0.4%引き上げる。
◆勤勉手当を0.1月分引き上げる。
おそらく去年につづいて、この部分の勧告は実現するんだと思います。なぜなら、わざわざ財界に賃上げを要望して景気浮揚をめざしたのに、当事者である国がそれをやらないとすれば、アベノミクスとはいったいなんなのか、という話になるからです。それに、二年間の賃上げがあっても、実は消費税の増税分3%には到達していないし。
勧告はもうひとつ、こんなことも言っています。
◆適用を希望する職員から申告された場合、公務の運営に支障のない範囲内において、始業および終業の時刻について申告を考慮して勤務時間を割り振る
……つまりはフレックスタイム制を導入しろと。特に育児、介護の事情がある職員についてはコアタイムを短縮するなど柔軟な勤務形態とすることが妥当だとしています。
もちろん、児童生徒の始業終業時刻がキチキチに決まっている学校という職場で、この制度がどれだけ実効性をもてるかは疑問です。しかし公務員全体が、そして国全体がこの方向にすすむであろうことはおぼえておきましょう。
もうひとつ、実は今年の勧告にはふれられていない部分があります。それは「配偶者手当」を廃止するという流れ。現政権は、この手当(国も山形県も同額の13000円)の存在が女性の就業を阻んでいるとして、人事院に“検討”を求めていたのです。
しかしたとえばトヨタが配偶者の手当を全廃し、子どもに対する手当を4倍に引き上げた例があるにしろ、まだまだ一般化していないと人事院は判断したようです。この部分はこれからおおいに論議を呼ぶでしょう。
にしても、このやりとりからわかるのは、首相がじきじきに人事院に検討を依頼……やはり人事院勧告とはかなり政治的な存在だったんだなあ。まったく、今さらですけどね。
こうなると、今年も給与の差額支給があるかもしれません。去年のように県議会の議決が遅くなると、終業式後に差額単体で支給というパターンもありえます。
去年、なにが困ったかといって、差額支給だけは現金あつかいだった人がけっこういたことです。お願いですから全額振込に変更してください。山形市長選などがからんで、知事と県議会がもめたりすると(もめるに決まっています)、その支給自体が大きな負担になりそうなので(人事委員会勧告自体が取引の材料にされかねない!)。
画像は「ジュラシック・ワールド」(2015)Jurassic World
全世界でバカヒットを続けているので見てきました(というかシリーズ全部を映画館で観てるんですけど)。これはほとんど映画じゃなくてアトラクションですね、良くも悪しくも。
ネタバレになりますが、この作品でいちばんおいしいところをもっていくのがティラノサウルス。実はシカゴ自然史博物館に陳列されているティラノの化石には、痛風にかかっている痕跡があって腎臓も弱っていたとか。恐竜よ、お前もか(泣)
2015年10月号「標準報酬制」につづく。