PART24「ちりとてちん」はこちら。
めちゃめちゃに面白かった「ちりとてちん」だったが、視聴率の低迷はつづく。というより、ここから本格化したのである。
2008年前期は榮倉奈々と西田敏行で「瞳」、後期は三倉茉菜・佳奈の「ふたりっ子」姉妹を再起用した「だんだん」、2009年前期は、わたしの大好きな多部未華子で「つばさ」とどんどん下がり続け、ついに2009年後期「ウェルかめ」(主演倉科カナ)で平均視聴率13.5%まで降下。
もちろんこれにはさまざまな要因がからまっている。素人でも予想できるのは
・もう昔のように専業主婦が8時15分にテレビの前にしっかりすわって見てくれる時代ではなくなった(女性の就業率のアップ)
・テレビ全体の視聴率が、ネットやゲーム、ケータイにおされて低下している影響をもろにうけた。
・お昼の再放送だけでなく、朝や夜にBSで放映されるために、総合テレビの視聴率が相対的に低下した。
・かつて視聴者の王様だったF1層(20才から34才までの女性。購買力が強いのでスポンサーは彼女たちを中心に番組をつくってほしいと思っている)が、物理的に数が減り、かつてのF1層が高齢化しただけの視聴者分布なので、女性の一代記などの王道ドラマが好まれない(彼女たちは月9好きだった)。
……NHK自身が誰よりも危機意識をもっていたはず。大河ドラマと朝ドラは、受信料獲得のために“みんなが見ている”存在でなければならないからだ。
ここでNHKは大きな賭けに出た。放送時間を変更したのである。8時15分から8時ジャストへ繰り上げ。だいじょうぶかNHK。以下次号。