事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「赤ひげ」 (1965 東宝)

2015-10-06 | 邦画

山形出張を終え、打ち上げで狂乱の一夜を過ごし、ビジネスホテルで撃沈。さあ酒田に帰ろう。でもこんなときは映画を観なければ……あら。各映画館のスケジュールをチェックしても、さほど観たいのがない。

この夏、日本の興行界は絶好調だったというのに、秋以降でその貯金を使い果たしてしまうのではないかしら。007の新作まで、わたしはお休みをいただくの?(別に、映画を観るのは仕事じゃないけれど)

お。

でも庄内にいては味わえない企画がMOVIE ONやまがたで。あの「午前十時の映画祭」をやっているじゃないですか。わたし、このお祭りに参加したことがないし、山形県でやっているのはムービーオンだけ。

この映画祭は当初、フィルム上映だったので、映写機がどんどん消えていくご時世に上映館自体が少数だったのは仕方がない。でも今回はデジタルなのだから、庄内でもやってくれないかしら。それはともかく10月3日は「赤ひげ」の初日。これにしよう。

邦洋の名画をリバイバル上映するとくれば、観客の年齢層は高いはず。いやはや予想以上でした(笑)。どう見てもわたしがいちばん若い客だぞ。杖をついたり、ヨタヨタと椅子につかまりながら自分の席に行く人が多い。映画の黄金時代を知っている世代。そりゃあ、黒澤明は見逃せないはずだ。

わたしはこの映画をDVDで観ていて、しかしそんなに心を動かされたおぼえがない。山本周五郎の原作を映画化するとすれば、赤ひげ医師はスーパーマン的な三船敏郎ではなく(なにしろ用心棒や椿三十郎ばりにやくざ者を素手でやっつけるのだ。例の、肩をゆする歩き方はしないけれども)、もっと弱っちい役者を起用すべきなのでは、と思ったのが正直なところ。

たとえば志村喬とか、小林桂樹(NHKで実際に彼は赤ひげを演じている)なら別の味が出たのではないか……わたしはなんにもわかっちゃいなかった。この作品にこめられた黒澤明の「怒り」を表現するには、やはり三船敏郎が必要不可欠だったのである。以下次号

コメント (2)
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