2015年9月号「人事院勧告2015」はこちら。
10月5日をもってマイナンバーに関する法律が施行され、まもなくあなたの家にも通知カードなるものが居住する(住民票のある)市町村から簡易書留で送られてきます(11月末までには全世帯に送付される予定)。
個人情報保護の観点からいえば脆弱きわまりないとか、新手のおれおれ詐欺が頻発するであろうとか、さまざまに予想はできます。行政サービスが簡便に受けられるようになるとさんざん宣伝されていますが、この制度の最大の眼目は
「税金のとりっぱぐれをなくす」
これにつきます。
職場での税金の事務といえば、年末調整がすぐ思い浮かびます。でも、マイナンバーの利用開始は平成28年1月1日から。ということはしばらくその通知は寝かせておけばいいのかな、と誰でも思います。わたしもそう思っていました。
でもよく考えてみると、この年末に使う扶養控除申告書は、実は去年の年末に書いたもの。だから来月には平成28年分の扶養控除申告書を書いてもらうわけで、その用紙にはあなた本人だけでなく、扶養親族のナンバーも記入することになっています。
もちろん、その申告書を使用するのは来年の年末調整ですから、かならずすぐに記載しなければならないというものでもない。でも、いま書かないでおいて、来年の11月に通知を引っぱり出して書きますかあなた。わたしなら書かない。妻に
「通知カードどこにしまったの?」
「あなたがかたづけたんでしょ!」
的なドラマが展開するであろうことは容易に想像できます。だったら基礎年金番号通知書のように、職場がその通知の写しをとっておけばいいじゃないかと思われそうですが、
・通知カードを他人にあずける
・職場が個人番号のコピーを求める
・個人が職場にコピーを提出する
ことは厳に禁じられています。しかも、職場がその番号を利用するのは、個人に「年末調整のため」とか「社会保険事務のため」と明確に目的を示さなくてはならず、それ以外の目的で利用することも禁じられています。おそらく、制度への批判をかわすために禁止事項を総務省が必死で積み上げているのだとは思いますが。
だから学校事務職員が職員に「そのカード見せて」ということは絶対にないし、だからこそ一人ひとりが厳重に番号を管理してほしいのです。実は今月に入ってからもこの制度はがたついていて、事務屋としては頭にきているのですが、とりあえずこれだけは今のうちに言っておきます。
「無くすな。」
画像は「天空の蜂」
なぜテロリストは標的に高速増殖炉を選んだか。とにかく原作が面白かったので、よほどのことがないかぎり映画がつまらないはずはない。原発がらみのテーマで娯楽作品をつくろうとした松竹がまずえらい。役者の選択にもうちょっと気を使ってくれると(だって学芸会レベルのもいるんですよ)もっとえらかったのになあ。