その114「祈りの幕が下りる時」はこちら。
正月から、ディスカスでふたつのテレビシリーズを交互にレンタル。
「コールドケース2 真実の扉」
「警部補 矢部謙三」
いやはや両極端。かたや例によって刑事たちの私生活も含めて絶望的なまでに陰惨で、なおかつ意外な犯人がラストで明らかになるハードなミステリ(メインライターはなんと「菊とギロチン」の瀬々敬久)。
もう一方は犯人が最初からまるわかりで、生瀬勝久のヅラの行方のほうがはるかにわかりにくいコメディ(メインディレクターはなんと「屍人荘の殺人」の木村ひさし)。
おそらく、警察を描くドラマのなかで、これ以上ハードにはできないし、これ以上お笑いに走れない限界に双方が位置している。これを交互に見るのはなかなか得難い経験でした(笑)。
共通しているのはキャストの豪華さ。
コールドケース2の方は、レギュラーが不動で吉田羊、三浦友和、永山絢斗、滝藤賢一、光石研。そこにゲストとして、大好きな奥貫薫、宮藤官九郎、吉岡秀隆、佐藤浩市、田中圭、奥田瑛二、石橋蓮司、北村有起哉、片岡礼子、成海璃子、竜雷太、山本圭、水野久美、村上淳。
矢部謙三のほうは、生瀬勝久になぜか心酔している助手に池田鉄洋、茫洋とした総務係に貫地谷しほりと鈴木浩介に、仲間由紀恵、阿部寛(写真だけ)、野際陽子などのTRICK組が友情出演。ゲストもむかしのウルトラシリーズや角川映画出演者をとりそろえてギャグにもっていくあたり、しぶとい。団時朗が出れば「帰ってきたウルトラマン」、、大和田伸也がでれば「水戸黄門」になるわけね。
この役者いいなあと思えたのは池田鉄洋と“結果的に名探偵になってしまう”鈴木浩介。このふたりを見ているだけで幸福な気分になれたのでした。いい正月だった。
その116「政治的に正しい警察小説」につづく。