オープニングはいつものニューヨーク。いつものようにリンカーン・ライムの部屋の窓にはハヤブサが営巣している。そこからある人物を追って、ライムとアメリア(とトム)はなんとナポリに飛ぶ!
……土地鑑とデータベースが使えない場所に行くのはどうなんだろう、と思ってました。「エンプティ-・チェア」でノースカロライナに出かけたときもしんどかったし。
ところがこの作品はとても面白い。「カルニヴィア」(ジョナサン・ホルト)でイタリアの警察制度がとても変わっていることは承知していたけれども、今作で大活躍するのはなんと森林警備隊の若者ですから。
イタリア勢のキャラが立っているものだから、いつもよりユーモアたっぷり。明らかにやりすぎなどんでん返しも、新鮮な人物たちなので成立することを納得させられます。
っていうか、ディーヴァーはイタリア蘊蓄を語りたくて仕方がなかったのかも(笑)。最新作「カッティング・エッジ」のほうを先に読んでしまい、この作品のオチを知っているのがちょっと残念。みなさん順番どおりに読んだ方が楽しめますよ。