第六回「三好長慶襲撃計画」はこちら。
今日は徹底的に役者の話。勘所は
「政略結婚として、斎藤道三はうつけ(馬鹿野郎)として評判の織田信長に本気で自分の娘を嫁に出すのか」
がメインテーマ。しかもその娘、のちの濃姫がそのうつけをどう考えていたか、という流れ。
これまでの戦国大河では、斎藤道三(本木雅弘)は織田信長を自分だけは素質を見抜いていたという展開が多かった。まあ、すわりはいい。「麒麟がくる」では、その人物を明智光秀に品定めしろと濃姫が命ずるのだ。これは皮肉、っていうかここまでやるか池端脚本。
織田信長を名優たち、あるいは人気が出るに違いない美形が演じるのは当然のこと。なにしろ歴史の覇者なんだから。
ところが、今回は主役が明智光秀であることもあってか、織田信長役はなんと染谷将太だっ!!
もう、このキャスティングだけで、すみませんわたしが大河ドラマというものをなめてましたって感じ。すばらしい。実はこの配役を知ったことでこの大河を一年間見ていこうと思いました。あの、“夢想する”少年が織田信長だよ。
東京ニュース通信社(週刊TVガイドの会社ね)がペリー荻野にまとめさせた「脚本家という仕事」はすばらしい仕事でした。そのなかで「セカンド・バージン」を書いた大石静は内野聖陽、佐々木蔵之介などをプッシュした慧眼の人だが、やはり長谷川博己は蜷川幸雄の舞台時代から光り輝いていたという。
さあそこで問題です。川口春奈はがんばっている。だけどやはり濃姫は沢尻エリカにやってほしかったという理屈はあります。
わたしのようにゆがんだ年寄りは、クスリ関係であっぷあっぷしている状況の沢尻エリカこそ、濃姫にぴったりだったのになあと……すみませんすみません。
第八回「同盟のゆくえ」につづく。