講談社文庫の既刊6冊(正確には正編4巻、続編2巻)を一気読み。熱に浮かされるように。まさしく、そんな感じだったの。とにかく面白いっ!!
はじまりは「まほり」だった。言語学者である高田大介の該博な知識がちりばめられ、同時に活劇やミステリとしても上等、加えて語り口がラブコメ(笑)という、あのわけのわからない、しかし魅力的な小説にわたしはすっかりやられてしまったのだ。
そんな高田の前作を読まないわけにはいかない……唖然とする。こりゃあまいった。まず、腰巻にびっくり。大森望、北上次郎(まもなく特集します)、東えりか、そして豊崎由美という読み巧者たちの絶賛の嵐。この人たちにはどうせかなわないのでそのまま紹介します。
大森「権謀術数が渦を巻く、超スリリングな外交エンターテインメント。正真正銘、世界レベルの大傑作!」
北上「なんなんだこれは。読みながらこれほど楽しい小説は久々だった。」
東「裏表紙を閉じた後、私と同じようにつぶやくはずである。『すごい』と。」
豊崎「完結してほしくない。延々と、この世界にひたり続けていたい。そんなことを思わせてくれるのは、わたしにとってこの『図書館の魔女』シリーズだけ。書評家人生を賭して、熱烈推薦します。」
……あらら、あのうるさ型な人たちが。しかしこれだけ絶賛されていたのに、なんでわたしはこのシリーズを知らないでいられたのだろう。むしろそっちが不思議です。
設定が絶妙。中東あたりをイメージした(わたしはそう連想しました)架空世界。強国ふたつが微妙な関係にある。そんな世界で、最古の図書館に住むという「魔女」。彼女は……ああこれはないしょにしといた方がいいな。
そして彼女のもとへある少年がやってきた。彼の目的は、そして彼の本職は……うわあこれも知らない方が楽しめます。
どうやら、新作がまもなく刊行されるらしい。ああ待ちきれない。はたらけ高田!書け、書け、書くんだ高田!