事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「新聞記者」(2019 スターサンズ=イオンエンターテイメント)

2019-09-24 | 邦画

現政権に不都合なニュースは毎日のように流れる。それはもう、あきれるぐらいに。

でも、たとえばYahoo!のポータルでそのニュースを読むと、下の方にその事件やできごとを擁護し、あるいは告発者を誹謗中傷する発言が嵐のように寄せられ、しかも賛同者を集めている。そこだけ切り取れば、なるほどこんなことは騒ぐほどのことでもないのかな、と世間の空気を感じることになる。

しかしいくらなんでも不自然にすぎるだろ。まあ、ネトウヨが必死にキーボードに向かっているのだと想像はできるが、この映画はもう一歩そこから話をすすめている。

東京新聞の望月衣塑子記者の原案。菅義偉官房長官にしつこいくらいに会見でからみ、むしろ名をあげた彼女のノンフィクションをもとに、

・現首相のお友だちの準強姦(ってなんだろう)事件が不起訴

元文部科学省事務次官の出会い系バー通いが(事件でもないのに)某紙で大々的に報道

そして

・“特区”における大学新設の不自然さ

……などなど、おなじみの事件がとりあげられている。ネタが新鮮であるだけに、製作には苦労があったろうと思う。

事件に立ち向かう(微妙ではある)のは東都新聞の吉岡エリカ。父親が誤報のために自殺(したことになっている)、母親は韓国人でアメリカ帰りという設定が効いている。そして外務省から出向した内閣情報調査室、通称“内調”のエリート杉原。彼はむかしの上司がなぜ自殺したのかに疑念を抱いていた……

内調内部はおよそ表には出てこない。そこでフィクションの出番なのだが、“世論”を形成するために、“ストーリー”を提供することがその仕事の一環であるかのように描かれている。そして有償なのか無償なのか知らないが、多くのサポーターたちが一斉にそのストーリーに“乗る”。

あ、終わらなかった。以下次号

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うまい店ピンポイント2019秋 刈屋に梨を買いに~とみ将、ちどり食堂、哲

2019-09-24 | 食・レシピ

振替休日篇はこちら

酒田の秋、特に9月から10月にかけては刈屋地区の梨が名物。それはもう、すんげーうまいから。

わたしのウチは、そこからクルマでわずか10分ほどの場所にあるので、気軽に買いに行けます。で、そのたびにラーメン屋に寄ると。どっちがメインだかわかったもんじゃない。

まずは刈屋から八幡方面に向かっておなじみのとみ将。妻も大喜び。

つづいて遊佐の千鳥。あ、正確にはちどり食堂って言うのか。久しぶり。むかしはすんげー小さい店だったんだけどねえ。なんとJAが撤退したのか広大な空き地になっており、期せずして駐車場に苦労することはなくなって……あ、そんなことを言っちゃいけないのか。

そしてラーメン哲。ここは梨は関係なくて、給食のメニューがカボチャとチキンというわたしの苦手食材が並んでいたので……すみません。

夏じゃないけど夏季休暇篇につづく。あ、梨の画像がまったくない(T_T)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「引っ越し大名!」(2019 松竹)

2019-09-23 | 邦画

国替えという形の大規模な引っ越しを差配するのが星野源。ほとんど引きこもりの彼を補佐するのが豪胆勇猛な高橋一生(意外に合ってる)。引っ越しの極意を知る前任者の娘が出戻りの高畑充希。これはもう、「超高速!参勤交代」の線を狙っていると誰だって思う。原作も同じ土橋章宏だし。

もちろんその要素はふんだんにちりばめてあって、特に越前から引っ越し先の豊後に向かう道中の歌や踊り、襲い来る忍者集団など、明朗闊達な東映時代劇そのもの。製作は松竹だけど。

ところが、話はそこにとどまらなくて、減封されたことによるリストラ系がからんでくるあたりで人情ものに変容する。そこを、どうとらえるか。やはり土橋原作の「サムライマラソン」がしんどかった二の舞になるのか。

うまくしのいだなあ、というのが印象。

書庫番(司書ですよね)としては有能な星野源は、一種のスケープゴートとして引っ越し奉行にとりたてられる。誰がやっても失敗するに違いないプロジェクトだから。ところが司書として蓄積された知識とアイデアによって(このあたり、推理もの、というか一休さんのような描写が入るのが笑える)、次第に藩をひとつにまとめ上げていく。ビジネスもののサクセスストーリーみたい。

しかしここからシリアスに。600人の藩士をリストラするにあたり、星野源が小澤征悦らに提案したのは「百姓になれ」だった。ふたたび加増があれば迎えにくるからと。

そしてどうなったかは見てのお楽しみ。首を切られるのもつらければ切る方もつらいあたりをていねいに描いていて納得。農業も楽しいけどねえ、と考える田舎の観客にもちゃんと配慮してあります。

ピエール瀧が重要な役で登場。なんの違和感もございません。早く復帰してほしいな。濱田岳及川光博松重豊向井理と共演陣も豪華。

惜しむらくは、時代劇らしい健康なお色気がまったくと言っていいくらいないのがねえ。高畑充希にそれは望むべくもないので、むしろ熟女好きの藩士たちが星野源の母親、富田靖子に熱狂するのがよくわかりました(笑)。

監督は犬童一心。こういう娯楽映画をコンスタントに撮っていてたのもしい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いだてん 第36回 前畑がんばれ

2019-09-22 | 大河ドラマ

 

第35回「民族の祭典」はこちら

「前畑がんばれ」

NHKの河西アナによる、オリンピック中継における最大の名文句。それはかくのごとく「がんばれって言うな」という状況下でなされたという回。アテネオリンピックの刈屋アナの

「栄光への架け橋だ!」

や、長野五輪の工藤アナの

「立て、立て、立ってくれ!」

以上のインパクト。刈屋さんが「ほぼ日」で語っていたように、あらかじめ用意されていたフレーズだと(少なくとも視聴者がそう判断すれば)単に鼻白むオーバーアクトにすぎなくなる。でも、この場合はそうせざるをえなかったことが十分に伝わる。選手の気持ちに伝達者が寄りそっていなければ出ないフレーズって、ある。

今回の演出は井上チーフと大根仁。これまでにないくらい上白石萌歌のアップが多用され、とても魅力的だった。ライバルのドイツ選手がごひいきマルト・ケラーそっくりだったことも含めてうれしかったっす。

さて、「いだてん」における文句なくポジティブなエピソードはこれで使い切った。これからは、五りんの「双子」をめぐる人情噺や、64年の招致に向けた動きがメインになっていくのだろう。

その時点で発表された新キャストには笑った。記録映画を撮る市川崑役に三谷幸喜、黒澤明に怒髪天の増子直純、立川談春が丹下健三、浜野謙太が三波春夫(笑)。んもう何でもありかい!

脚本家として、三谷幸喜は今回の宮藤官九郎の苦境に同情的だったので、彼の出演はうれしい(まあ、市川崑の「犬神家の一族」リメイク版に出演してたし、出たかったでしょうしね)。あと三ヶ月しかこの日曜夜の祝祭を味わうことはできない。クドカンがんばれ

第37回「最後の晩餐」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DeNA 2-3 巨人

2019-09-21 | スポーツ

この試合でもっとも意外だったのは、勝利監督の涙だった。

9回オモテに山崎が出てきた時点で、優勝は神宮でだろうなとあきらめていたのに、若手たちが粘り、小林のヒットで追いつく。

そして10回はなんと増田の決勝打。ドラフト6位のルーキーが先発したことといい、底力を思い知らせてくれた試合。

逆に言えば、ほとんど余裕のない勝ち方の連続でもあった。決して強くて仕方のないチームではなかったのは、ファンであるわたしだって重々承知しています。だからこそ、原は泣いたのだろう。重圧もすごかったんだろうな。

彼の采配にも、実は首をかしげたくなるときが多かった。若手を育てるため、ということを抜きにしてもね。継投はことごとく外れ、救援陣は疲弊しきっていた。それでも優勝できたのは、きのうの中川の連続四球に目を真っ赤にして怒っていた彼のパワーによるものだったかも。

さてクライマックスシリーズ。ペナントレースと違い、絶対のエースをもっているチームが有利。その点で巨人は菅野が不調、そして丸の絶不調と不安要素でいっぱい。あと3週間でどれだけ仕上げてこれるだろう。

でも今日は優勝の夜。ああ禁酒がこんなにつらい夜もないっす。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

記憶にございません!ふたたび

2019-09-21 | 邦画

PART1はこちら

「総理と呼ばないで」が、いかに「記憶にございません!」と設定が似ているか列挙してみましょうか。

・支持率最悪(消費税~オンエア当時に5%へ~を下回る)。前回は1.8%。今回も2.8%

・妻と不仲(鈴木保奈美と石田ゆり子が無邪気な上流階級夫人を演じていて素敵)

・官房長官がキーポイント(筒井道隆と草刈正雄では方向性が真逆だが)

・誰しも、政治家を志したときは国民のためになにかしようと考えている

・大臣たちが無能

・官邸の使用人たちに首相は軽蔑されている

……ね?わたし、このドラマ大好きだったんだよなあ。

テレビ史的には「総理と呼ばないで」は失敗作とされている。それはなぜかといえば、あまりにも三谷幸喜がネタをつめこみすぎたと。

政治的発言をまったくしない三谷幸喜だけれども、彼が政治に無頓着なわけではないことが両作品でよくわかる。ただ、官邸という一種の王宮の設定に三谷が淫してしまったのが原因だったろうか。今回も料理人斉藤由貴、SP藤本隆宏にいい芝居をさせております。

さて、この作品をどう評価するかと言えば、シンプルに「おすすめ」です。うしろの方から(たいがいの場合、わたしは映画館でいちばん前に座ります)笑い声がたえず、タイトルの意味を二転三転させる脚本の冴えはおみごと。

首相の小学校の担任役で山口崇をもってきたのは「天下御免」ファン古畑任三郎にもそんな回がありましたらしくてうれしい。わたしは全く知らなかった宮沢喜一元総理の孫、宮澤エマが無表情の通訳を演じていて爆笑。

真田丸そのまんまの草刈正雄、新選組そのまんまの佐藤浩市と大河ドラマファンも泣かせてくれます。そしてなにより小池栄子!この人は本当にうまい役者なんだねえ。わたし、好きなタイプです。わたし、好きな映画です。お見逃しなく。

ところで、天海祐希ってどこに出てたんだろう。あのキャスターが誰かは気づいたんだけどなあ。三谷の女子アナ好き爆発です(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「記憶にございません!」(2019 東宝=フジテレビ)

2019-09-20 | 邦画

金と女に汚く、好きな言葉は「当店からのサービスでございます」な最低の男(中井貴一)。彼は実力者の官房長官(草刈正雄)にすり寄ることで総理の座を手に入れた唾棄すべき人間だった。彼は投石を頭にうけて記憶を失い、しかしそのことで政治を……

脚本・監督は三谷幸喜。紹介するまでもなく、例によってフジテレビを中心に初日から宣伝のために出まくり。劇場挨拶に命をかける人だから、確かに彼が出ているだけでチャンネルを変える気にはならない。大ヒットの何パーセントかは彼自身の宣伝活動のおかげじゃろ。

大好きな三谷作品だから楽しみで楽しみで、というわけでは残念ながらなかった。彼の監督作品はすべて見ているというタランティーノ状態ではあるけれど、前作「ギャラクシー街道」が、気が遠くなるほど笑えなかった記憶はしっかりとございますので。

ついでだからランキングしておくと、彼の作品で誰にでもおすすめできるのは

THE 有頂天ホテル

「ラヂオの時間」

清須会議

多少なりとも異議があるのは

ステキな金縛り

ザ・マジックアワー

「みんなのいえ」

できればなかったことにしたいのが「ギャラクシー街道」といったところだろうか。

それでは「記憶にございません!」はどのレベルだったろう。

ストーリーはふたつの核から成っている。まずは「クリスマス・キャロル」。ディケンズのあれね。守銭奴スクルージが改心するお話。人間の心の中には善なるものが存在することをうたい上げた名作。

スクルージそのものである首相が、どのように改心するかが妙味。強引だけど首相をとりまく秘書官(ディーン・フジオカ、小池栄子、いつも笑っていて無責任な感じがすばらしい迫田孝也)が“3人のゴースト”と言えるだろうか。

そしてもうひとつの柱があの「総理と呼ばないで」(フジ)だ。古畑任三郎の余勢を駆って田村正和が不人気な総理を演じたドラマ。その不人気を逆手にとって彼は……そうなの、今回とまったくいっしょなの。以下次号

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明細書を見ろ!2019年9月号 先生になりたくない

2019-09-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2019年8月号「速報人事院勧告2019」はこちら

先月号で、人事院総裁が優秀な人材獲得に向けてハッパをかけていることをお伝えしました。公務員志望者の減少に危機感をもっている様子が見てとれます。

で、話はこの業界に。学校こそがその危機感を共有しなければならないのではないかと。

令和2年度採用の山形県立公立学校教員選考試験の志願者数および倍率はこうなっています。



……なるほど、総体的に減っている。というか小学校にいたっては、“危険水域”と呼ばれる3倍をすでに切っています。

もちろんこの「3倍」というラインには学術的な裏付けがあるわけではなく、採用担当者の経験則にすぎないとも言えます。志願者数減に大騒ぎするなとする論者のなかには

「倍率が10を超えていた時代がおかしいのであって、求人倍率と比較すれば十分にレベルを維持できる数字」

と説明する人もいます。しかしこれは一種の強弁で、免許が必要である(取得するためにかなりのコストがかかっている)職の倍率が3以下なのはやはり異常事態。しかもこれは山形県だけでなく、全国的な傾向です。どうしてこんなに教員志願者は減ってしまったのでしょう。以下次号

画像は記憶にございません!

監督・脚本 三谷幸喜 出演:中井貴一、佐藤浩市

史上最低の首相が記憶を失い、だからこそ政治を変えていく……これ、クリスマスキャロルのスクルージだよね。人は心に善なるものを持っていると。怒濤の特別出演もあって大ヒット。天海×希がどこに出てたかなんてわからないってば(笑)。にしても小池栄子はうまい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼リック・オケイセック The Cars - heartbeat city

2019-09-18 | 音楽

The Cars - heartbeat city

訃報欄を読むのは地方公務員にとって必須の作業だが、新聞の片隅でリック・オケイセックの死が伝えられているのには心底おどろいた。

ベンジャミン・オールはずいぶん前に亡くなっているので、これでカーズのフロントはどちらも逝ってしまったことになる。

乾いた彼らの曲はもちろん好きだったけれど、大ファンです!という声はなかなか聞かない。日本ではあまりうけないタイプだった。

ところが、湯川れい子がメイン・パーソナリティだった時代の「全米トップ40」(まだやってるのかな。わたしは全英トップ20まで聴いていましたが)で、いっしょにやっていたラジオ関東(当時)のアナウンサーに

「で、あなたは誰が好きなの?」

と、なんのはずみか湯川さんが訊くと

「……カーズです。すごく好きなんです」

日ごろ自己主張しないタイプの人だったので意外。しかもカーズとはまた渋い。“わかっている”人向けのバンドでもあった。メインストリームになんか絶対に行かないという意地みたいなものが。

デビューアルバムや「キャンディ・オーに捧ぐ」など名盤数あれど、わたしはやはり「ハートビート・シティ」が好き。特にタイトル曲。リックのソロアルバムも渋かったー。ご冥福をお祈りします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

検診結果2019

2019-09-17 | 健康・病気

2018年版はこちら

すごいぞおれ!

身長2ミリ増加、体重3.6キロ・腹囲3.3センチ減、そしてなんとなんと懸案の中性脂肪が急降下。

正常値になるなんて十数年ぶりだろう。えらいなあ……と喜んでいたけれど、あいかわらず慢性胃炎だからピロリ菌検査を医者にすすめられるだろうし、心臓がなあ。なんか、あまりうれしくない結果のような気も。

2020年バージョンにつづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする