富士山と星空は、昨年12月に精進湖と本栖湖から撮影しているが、今回は富士スカイラインの途中、標高約1,500mの富士2合目にある水ヶ塚より撮影した。
ここは、星の日周運動撮影には欠かせない場所である。日周運動とは、地球の自転によって星が地球の周りを回るように見える見かけの運動のことであり、長時間露光(多重合成も含む)によって撮影すると北極星を中心に反時計回りで動く星の軌跡、いわゆる「星回し」を写すことができる。「星回し」は、2014年11月に別の場所で撮影し「富士山と日周運動」として掲載しているが、星は何とか写せたものの富士山が小さくしか写らず存在感のない写真であった。そこで今回は、宝永火口を眼前に、雄大に構える富士山を眺めることができる「水ヶ塚」を撮影場所に選んだ。
星空を綺麗に写すためには、街や月の明りの影響をほとんど受けない場所と日時の選定が重要。「水ヶ塚」は光害がなく、この日の月齢は 25.9 で新月も間近。昇ってくるのも明け方なのでまったく問題はない。ただし、第一駐車場にはオレンジ色の照明灯があり、近くのT字路の道路照明、そして時折通る車のライトに気を配る必要があった。
撮影そのものは、楽である。ピントを合わせて各種設定が終わったら、タイマーレリーズのボタンを押すだけである。後は、車の中で待機していれば良いのだが、今回は、車から遠く離れた場所で撮影したため、気温マイナス9℃の屋外で待機。およそ2時間で忍耐の限界を感じて撮影を止めた。
撮影結果は以下に掲載した通りである。肉眼ではまったく見えない微かな光の星も、カメラはしっかりと捉えており、宇宙の広がりや神秘さを感じる。3枚目の写真は、星の日周運動の軌跡、いわゆる「星回し」の写真である。撮影した99カット(1時間36分)すべて合成するよりも、軌跡は短くなるが、富士山とのバランスを考えトリミングして16カット、時間にして15分ほどを重ねた。
以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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今回は、富士山と組み合わせました。
また、昨今ではタイムラプスという手法も取り入れるように努力しています。
東京と違って肉眼でも星がたくさん見えましたが、カメラはもっと多くの星々を捉えてくれました。
宇宙の神秘さえも感じました。