ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

サラサヤンマ(飛翔と静止)

2017-06-04 20:26:57 | トンボ/ヤンマ科

 サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri (Martin, 1901)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)サラサヤンマ属(Genus Sarasaeschna)で、北海道から屋久島にまで分布し、丘陵地や低山地のほとんど水のない小さな湿地や休耕田などに生息している。環境省RDBに記載はないが、22の都道府県で絶滅危惧種に選定しているヤンマである。
 2日の金曜日は、仕事の後にゲンジボタルの生息地に行き、観察と撮影することもできた。(掲載は少し先にしたいと思う。)また昨日は、日本ホタルの会主催の「ホタル観察会」に役員として出席したため、少々、疲れ気味ということもあり、本日は、ゆっくりと出動しても間に合うサラサヤンマの産卵シーンの撮影に予定を変更して、かつて良く訪れていたミドリシジミも生息する谷戸を訪れた。

 谷戸に到着すると、驚いたことにアカシジミとウラナミアカシジミが大発生しており、あちこち飛び回っていたり、葉上に止まっていたりした。また、ウラゴマダラシジミやミズイロオナガシジミも発生しており、平地の樹林性ゼフィルスの季節になったが、ミドリシジミには、まだ少し早いようである。
 谷戸の奥は湿地になっており、半水生のスジグロボタルが多く生息するが、サラサヤンマも多く生息している。午前11時頃では、湿地内で少し開けて陽が当たり、土も見えるような窪地で、オスのサラサヤンマがホバリングを行っていた。こまめに移動しながらの探雌行動に、毎年撮っていながらも、ついカメラを向けてしまう。正午になると、いよいよメスの到来時間であるが、なかなかやってこない。全部で6頭ほどいたオスも消えてしまった。オスは、干上がった細流の両脇に生えている草の茎や枯れ枝の地面近くに、皆止まっていた。刺激を与えると飛び立つが、近くでホバリングした後、また同じ葉や枝に止まった。13時頃にようやく1頭のメスが飛来したが、結局、産卵はせずに姿を消してしまった。

 サラサヤンマの産卵シーン撮影は、今年の目標にはしていなかったが、生息数が多い谷戸だけに撮れなかったことが残念である。来週も挑戦したいところであるが、しばらくは山地性ゼフィルスの撮り直し予定で埋まっているので、来年に持ち越しである。
 尚、当ブログ記事は、目標の種とテーマにした題材をもとに撮影を行ったものを掲載しており、今日は、どこどこに行って「こんな種を撮影しました」というような日記的なものではないので、 過去に撮影済の種は、掲載しない場合がほとんどである。
 本記事の「サラサヤンマ(飛翔と静止)」は、過去にも撮影し掲載もしているが、過去に撮影した写真よりも、自己満足的によく撮れたとの印象から掲載している。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、すべて1024*683 Pixelsで掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

サラサヤンマの写真

サラサヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 320(撮影日:2017.6.04)

サラサヤンマの写真

サラサヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 500(撮影日:2017.6.04)

サラサヤンマの写真

サラサヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影日:2017.6.04)

サラサヤンマの写真

サラサヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影日:2017.6.04)

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