新潟のトンボ池は各地域に多数存在しており、これまで4カ所の池にて、オオトラフトンボ、カラカネトンボ、マダラナニワトンボ、キトンボ、ルリボシヤンマ、オオルリボシヤンマ等を観察し撮影してきた。数種が混在して生息している池もあるが、それぞれの種の生息条件に適した環境でなければ生息していない。。今回は、9月の時期には訪れていなかった池にて、時期的に発生しているトンボ類の種数確認と、未確認であったオオルリボシヤンマの青色型メスの探索を行った。
現地には午前8時半過ぎに到着。この池は、三方が森になっており一見しただけで生物多様性を維持した豊かな池と感じる。実際にジュンサイが水面を覆い、ゲンゴロウも確認している。トンボ類では、アキアカネとヒメアカネ、アオイトトンボ、シオカラトンボを確認。しばらくすると、オオルリボシヤンマのオスが飛翔を始めた。
オオルリボシヤンマのオスは、池全体で10頭があちこちで縄張り飛翔をしており、オス同士のバトルもひっきりなしに行われている。気が付けばメスも5頭ほど産卵に来ていた。オスがメスを見つければ、付きまとい飛翔を行う。産卵しているメスの側で飛翔しながら待ち、メスが移動すると後を追う。多い時には3頭のオスが1頭のメスの後を追って飛んでいる。この時は、オス同士のバトルはない。
このオスの行動は産卵を警護しているのではなく、メスと交尾をしたくてかなりしつこく付きまとっているのであるが、メスは一切応じることはない。メスは、最後には隣接する林の中に逃げ込みオスを交わしていた。ヤンマ類では、産卵しているメスを強引に連れ去り交尾する行為がしばしばみられるが、オオルリボシヤンマでは全く見られない。いつ、交尾しているのか不思議である。
新潟県においては、オスと同じ青色の斑紋である青色型メス(オス型メス)が存在している。ある場所では完全な青色型もいるが、青色の出現には個体差がある。この池のメスを見てみると、ほとんどはノーマルタイプのメスであるが、青色型メスも存在していることが分かった。
新潟県のトンボ池におけるオオルリボシヤンマの青色型メス(オス型メス)について、並びに他地域における青色型メスに関しては、過去に撮影した以下のページを参照頂きたい。
以下に掲載した写真は、過去にも様々な場所で撮影した同じシーンばかりであるが、青色型メスの産卵写真は、この池に存在したという記録である。ただし、別の池から飛来した可能性もある。羽化を確認できれば、この池に確実に生息しているという証拠になろう。
オスの飛翔写真については、ルリボシヤンマのようにホバリングしない本種の飛翔写真を撮るのは、難易度が高いだけに楽しい。体の全て、頭から尾まで、そして体毛までもビシッとピントが合った画像を得たい。そして背景のボケの美しさやヤンマの躍動感を表現したい。写真の写り方を見てお分かりのように、写真2及び3と4とは全く違う。逆光と順光の違いである。ご覧頂く方によって評価は異なるだろが、個人的には逆光で撮影した方が好みである。撮影して分かったことだが、翅がボロボロになっても飛翔している。オオルリボシヤンマの飛翔能力の高さと懸命な生き様を感じた。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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