有明の月とは、陰暦16日以後、夜が明けかけても、空に残っている月のことを言う。
極楽も 地獄も先は有明の 月の心に かかる雲なし
この句は、上杉謙信が死を迎える往生際に「やれるだけのことはやりきった。もう澄みきった曇りなき月のように 怖るることはない・・・」と、悟りにまで高めた境地で詠ったものだが、癌の手術を終えた今、私も似たような心境ではある。ただし、死に際ではなく未来があると思いたい。私は、有明の月に背を向け、天を仰ぎ、これから昇ってくる朝日を浴びようと思う。これまでの事は、1つの良い経験として捉え、精進を重ねて行こうと思う。
写真は、2011年に霧ヶ峰で撮影したものである。霧氷の撮影で訪れたが、霧氷は付いておらず、代わり出会った光景。ちょうど満月の翌日「十六夜」(いざよい)だった。
ブルーモーメントの刻。雲海と青白い北アルプスの峰々と赤く染まる「有明の月」。月が沈む前に太陽が出てしまうと霞んで見えにくくなるが、夜明けはおよそ5分後。「モルゲンロートの槍ヶ岳に刺さるように沈む月」という印象的なものではないが、冷たく澄んだ空気の中で輝く月の美しさは、今でも忘れない。
ちなみに、月が大きく見えたのは、 月の楕円軌道により地球に接近していたことによる。撮影日から一か月後の満月(3月20日)は、月が地球に大接近するスーパームーン(supermoon)の日。この日は、月と地球の距離が約35万6577キロメートルとなり、1992年以来19年ぶりの最短距離となった。地球が最も遠い距離にある時と比べると、月はおよそ14%も大きく、30%も明るく見えた。
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