白馬三山のモルゲンロートを撮るチャンスに恵まれた。
年頭に掲載した「2018年の撮影目標」を達成するべく、日々、その撮影地の天候をチェックしながら綿密な計画を立てるが、様々な条件が合わなければ、その光景を見ることも撮ることもできない。この三連休は、7日が西高東低の冬型の気圧配置が崩れ、西から高気圧に広く覆われて、北陸と東北の日本海側の一部を除いて晴れ。風も弱いという予報。ただし、星空撮影は月が邪魔をし、また、乾燥しているため霧氷も付かない。となれば「湯西川湖の水没林」のように、時には目標にない被写体に変更する。今回は、白馬三山のモルゲンロートに的を絞った。
白馬三山(しろうまさんざん)とは、富山県と長野県にまたがる3つの山(白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳)の総称であり、冬の青空に浮かぶ真っ白い姿が朝日に照らされて赤く染まるモルゲンロートが美しい。
モルゲンロートは、登山用語(ドイツ語)で、モルゲン(Morgen)「朝」とロート(rot)「赤い」というそれぞれの意味を掛け合わせたモルゲンロート(Morgenrot)「朝焼け」という意味で、朝日で山がバラ色に美しく染まることを言う。かつて、霧ヶ峰高原と美ヶ原高原から北アルプスの夜明けを撮影し「モルゲンロート」として掲載しているが、白馬村から間近に見る白馬三山を撮るのは初めてである。
撮影地である白馬村は年間を通じて晴天が少なく、特に冬は朝から快晴になる日は僅かである。週末しか出かけられない者にとっては、白馬三山の燃え上がるようなモルゲンロートを撮る機会は極めて少ないが、そのチャンスに恵まれた。
6日19時に自宅を出発。中央道安曇野ICで降り国道148号線を進むと、木崎湖を過ぎた辺りから路面が白くなり始め、一部はアイスバーン。白馬村辺りは、完全に除雪されてはいるものの、幹線道路以外は積雪があり慎重な運転が要求された。無料の大駐車場に23時に到着し車中拍。翌7日。午前5時に撮影場所である白馬大橋に移動し、夜明けを待った。
5時45分。カメラをセットし撮影開始。気温マイナス7℃。橋の上は特に寒い。白馬村の日の出時刻は7時02分だが、6時55分に白馬岳の山頂に朝日が当たり始めた。朝日は、徐々に白馬三山を赤く染めていく。わずか10分のドラマであったが、その美しさに言葉を失った。
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