アタテュルク騎馬像と星空を撮りたくて、和歌山県串本町まで行ってきた。本州最南端である潮岬の右隣に位置する紀伊大島の東端にある樫野崎灯台の側。自宅からは、片道600km。所要時間8時間の遠征で、今年の遠征の中では、富山、大阪を抜いて一番遠く、時間も掛かった。
和歌山遠征の一番の目的は、サツマシジミ開翅写真であり、騎馬像と星空は2つ目の目的である。3つ目に目的とした「天神崎」は、潮位が150cmになると広大な潮だまりができ、風が無ければ鏡のようになる。海との境がないため、ボリビアにあるウユニ塩湖に似た光景が見られる。潮位のタイミングと私の休日が重なるのは年に1~2回しかないが、昨年に引き続き当日は風速4mで諦めるしかなかった。ただし、2つの目的は達成できたので、順を追って紹介したいと思う。
騎馬像の正式名称は、ムスタファ・ケマル・アタテュルク騎馬像。アタテュルクとは、トルコ共和国の初代大統領でトルコ国民の偉大な英雄であるという。
何故、その騎馬像が串本町にあるかと言うと、1890年(明治23年)9月16日夜、 オスマン帝国最初の親善訪日使節団を乗せた軍艦 「エルトゥールル号」が串本町樫野埼沖で 台風による強風と高波により座礁し沈没。 587名の命が奪われる大惨事であったが、事故の知らせを聞いた大島島民の懸命の救助活動により69名を救出することができたという。この騎馬像は、日本トルコの友好の礎を築いたエルトゥールル号の事故後120年となる2010年に、更なる両国友好の発展を祈って駐日トルコ共和国大使館より串本町に寄贈されたものとの事である。
手綱をひき、南の海に向かって右手を指す凛々しい姿に果てしない宇宙を重ねることで、浪漫溢れる絵になるだろうと思い、私の風景写真では初めて人工物を入れ、更には主役とした。
当日夜は誰もおらず、灯台からの薄明りの下、様々な角度から右手が見える構図で撮影。まず、アタテュルク騎馬像が指す右手の先に、南の一つ星「フォーマルハウト」を配置してみた。南の一つ星は、今井美樹の「PRIDE」の歌詞にも出てくる。「私は今 南の一つ星を・・・」写真では、惑星である木星と土星の方が目立つが、南のうお座のフォーマルハウトは、秋の夜空に輝くたったひとつの一等星である。他には、南西方向と北東方向に見える天の川とのコラボも撮影した。
星景写真は、まだ撮り始めて数年で課題が山積ではあり、今回は、すぐ近くに灯台があるため、その明かりが入らないようにするのが難しかった。撮影時刻の関係で主要な星座を入れた構図ではないが、アタテュルク騎馬像という人工物を入れた星景写真ならではの絵としては、私的には手応えがあった。
新型コロナウイルスの新規感染者数も激減し、飲食店等の時短要請も25日から全面解除された。アタテュルクが指し示す先には、きっと明るい未来があるはずである。皆で手を取り合って突き進もうではないか!
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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