ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ヒメボタル(山梨)

2019-07-21 13:07:05 | ヒメボタル

 ヒメボタルの観察と撮影で山梨県へ。先週は、東京都の貴重なヒメボタルを観察してきたが、今回は、2008年から頻繁に訪れている山梨県内の生息地へ行ってきた。
 車を止め、急な登山道を15分ほど登る。見上げても空が見えない森の中に一人であるが、先週のような恐怖感はない。かなり離れてはいるが、麓の人々の声や車の音が聞こえるからだろう。撮影者も 観賞者も誰も来ない標高約1,000mのポイントには18時半から待機。毎回、撮影位置や方向を変えて撮影しているが、今回は、2009年当時と同じ尾根から南斜面にカメラを向けた。気温22℃。ときどき小雨。風が幾分強い。
 19時20分に1頭が発光を開始。20時には発光数が増えるが、ほとんどがカメラを向けていない北斜面での飛翔。南斜面は、相変わらず麓から風が吹き上げており、また残照で少し明るい。一方、北斜面は暗く風が吹きこまないからであろう。15分ほどすると風も収まり、南斜面も暗くなると、ヒメボタルたちが斜面を往復するようになった。カメラを向けた斜面は、通り道なのである。残念ながら、再び風が強くなってきたため、20時半にはまったく発光飛翔する個体がいなくなってしまったので、こちらも撤収。
 例年、この時期の発生だが、今回の発光飛翔数は、多かった年の3分の一程度。今年は、4月の寒の戻り、長梅雨に梅雨寒といった状況であるから、この日が発生のどの段階なのかは分からないが、 メスが見られないことから、発生の初期であるように思われる。そうならば25日前後がピークであろう。

 先週の東京のヒメボタル同様に、今回も撮影時間が短く、更には乱舞状態ではなかったことで写真撮影に徹したため、動画は撮影しなかった。写真の丸い光跡は、ゆっくりと発光飛翔した個体で、細長い光跡は早いスピードで発光飛翔した個体である。また、参考として2009年にフィルムで撮影した写真も掲載した。

参照:ヒメボタル(山梨2021)

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ヒメボタルの写真

ヒメボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 8分相当多重 ISO 1600(撮影地:山梨県 2019.7.19)

ヒメボタルの写真

ヒメボタル
Canon EOS 3 / EF 50mm F1.4 USM / FUJICOLOR NATURA 1600 / バルブ撮影 F1.4 30分連続露光(撮影地:山梨県 2009.7.18)

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