ふたご座流星群の活動(2020年)が12月14日10時頃に極大を迎えた。今年は、極大が夜間の時間帯に比較的近い上、15日が新月のため月明かりの影響もなく、天文的には3年ぶりにかなり良い条件で観察できるとされた。ただし、13日夜は日曜日。翌日の仕事の事を考えれば、前夜12日の夜しかチャンスはない。
私は赤道儀を持っていないため、双子座の放射点から放射状に流れる流星群を奇麗に捉えることは出来ないので、他の写真同様に、星空風景写真(星景写真)として残したい。光害がなく満点の空が臨める所、主役と脇役がある所など過去の経験からいくつかの候補地を絞った。後は天気である。12日出発ギリギリまで気象庁、ウェザーニューズ、GPV気象予報(スーパーコンピュータが予測する高解像度の天気予報)を入念にチェックし、「富士山に降り注ぐ流星群」をイメージし、静岡県裾野市にある水ケ塚を選んだ。
現地に向かう途中、まず前記事に掲載したように山中湖で富士の夕景を撮影し、水ケ塚には18時に到着した。富士の全景が確認でき、空には星々。流星は20時過ぎから流れ始め、放射点が天頂に来るのは午前1時。タイムラプスも作成するため23時から撮影を開始する予定で、それまで車内で仮眠した。
目覚まし時計で起き、空を見上げると曇って何も見えない。流星どころか星の1つも見えない。富士山もまったく見えない。午前1時まで2時間待ったが、雲が切れることはなかった。「これは、いかん!」しびれを切らし、水ケ塚とは富士を挟んで反対側(西側)の朝霧高原に回ってみたが、そちらも厚い雲。更に北に進んで西湖まで行って見たが、そこもダメ。諦めて河口湖方面に向かうと、途中で雲に切れ間が見えたので、車を止めて10枚ほどシャッターを切ったところ、運よく1枚に流星が写っていたが、単に夜空に流れ星1つを写しただけ。しかも画面左下に中途半端。当然、遺憾である。数分後、星空は再び雲に隠れてしまった。
今年は、ネオワイズ彗星も接近し奇麗に撮られた方が多いが、私は天候と休みのタイミングが悪く、見ることさえ叶わなかった。そして今回のふたご座流星群も残念な結果で終わってしまった。仮に快晴だったとしても、イメージ通りに撮れるのは数百枚に1枚に写っているかどうかの世界。来年の1月3日23時~4日0時頃に極大を迎える「しぶんぎ座流星群」に期待したいところだが、おそらく4日から出勤。しかも21時を過ぎると月齢20の明るい月が昇ってくるため、条件としては最悪。長い目で気長に将来を見るしかない。
以下には、今回撮影したふたご座流星群と冬の星空を掲載した。2枚目の写真は雲の様子がオーロラや白鳥に見えなくもないので選んだ。また、過去に撮影した"富士山に流星が写っていたもの"を掲載した。
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ふたご座流星群
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 640(撮影地:山梨県富士河口湖町 (撮影:2020.12.13 2:05)
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12月の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:山梨県富士河口湖町 (撮影:2020.12.13 2:08)
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12月の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:山梨県富士河口湖町 (撮影:2020.12.13 2:17)
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富士と流星
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 30秒 ISO 1250(撮影地:山梨県富士河口湖町 2020.2.24 4:38)
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富士山と流星
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1250 / PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:山梨県身延町 2018.3.17 3:19)
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富士山と流星
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 25秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:山梨県富士河口湖町 (撮影:2019.3.09 4:28)
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富士山と流星(ペルセウス座流星群)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:山梨県富士吉田市 2019.8.11 2:20)
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