ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ルリボシヤンマ

2016-09-08 22:58:12 | トンボ/ヤンマ科

 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科ルリボシヤンマ属で、日本では、北海道、本州、四国に分布している。7月頃より羽化し10月頃まで多く見られる大型のヤンマで、同属のオオルリボシヤンマより、やや細身で地色の茶色味が強く、胸部の模様と腹部斑紋の形状が若干異なっている。斑紋の色彩には地理的変異があり、寒冷地ではオオルリボシヤンマのように斑紋の大半が水色や緑色になる個体も現れる。以下、参照。

 ルリボシヤンマは、主として寒冷地や標高の高いやや暗がりの湿原や挺水植物の繁茂する浅い池等に主に生息しており、 明るく開けた池沼で繁殖するオオルリボシヤンマとは棲み分けをしているようである。実際に信州のオオルリボシヤンマが多産する池等において本種を見かけたことはない。ただし、東京都内多摩西部では、隣接する池と湿地において両種が見られる所もあり、北海道においては両種が混在する場所もあり、棲み分けはそれほど明確ではないようである。また、ルリボシヤンマは、オオルリボシヤンマに比べて平地性が低いと言われる(北海道では、両種ともに平地で見られる)が、東京都内では、標高200mの多摩西部の池や谷戸において見ることができ、青梅市では、開けた防火用のため池においてコンクリートに生えたコケに産卵をしている様子も見られる。ただし、幼虫は成長が遅く、成虫になるまで2-4年を要するので、長期間安定した環境でなければ生息は不可能であるから、オオルリボシヤンマのように飛来しただけという可能性も考えられる。

 ルリボシヤンマは、環境省RDBに記載はないが、三重県、高知県で絶滅危惧Ⅰ類、奈良県、和歌山県で絶滅危惧Ⅱ類、東京都、埼玉県、その他6つの県で準絶滅危惧種として選定されている。

参照:ルリボシヤンマ 青色型メス探索

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ルリボシヤンマ(ボバリング)

ルリボシヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 800 +-2/3EV(2014.9.15)

ルリボシヤンマ(ボバリング)

ルリボシヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 200(2011.7.23)

ルリボシヤンマ(ボバリング)

ルリボシヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000(2013.9.1)

ルリボシヤンマ

ルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/100秒 ISO 400 ストロボ使用(2011.9.19)

ルリボシヤンマの産卵

ルリボシヤンマ1(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.0 1/400秒 ISO 2500(2014.9.23)

ルリボシヤンマの産卵

ルリボシヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.0 1/500秒 ISO 1000(2014.9.21)

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