ウスイロオナガシジミ Antigius butleri butleri (Fenton, [1882])は、 シジミチョウ科(Family Papilionidae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)ミズイロオナガシジミ属(Genus Antigius)のゼフィルス。同属のミズイロオナガシジミ Antigius attilia attilia (Bremer, 1861) より、オナガシジミ属のオナガシジミ Araragi enthea enthea (Janson, 1877) に似るが、翅裏のオレンジ帯が前翅に波及しないのが本種である。
北海道、本州、九州、淡路島に分布し、四国には産していない。幼虫はミズナラ、カシワ、コナラなどを食樹とし、おもに低山地~高標高地にかけての広葉樹林帯に生息しているが局所的である。成虫は晴天の日中は、日陰の葉上に静止していることが多いが、夕刻や曇天の日には活発に飛翔する。
本種は、環境省カテゴリに記載はないが、食樹の伐採、針葉樹植林、都市化等により 東京都及び鹿児島県で絶滅危惧Ⅰ類に、埼玉県、神奈川県、群馬県、島根県で絶滅危惧Ⅱ類に、茨城県で準絶滅危惧種に選定している。また、鹿児島県栗野岳亜種 Antigius butleri kurinodakensis Fujioka, 1975 は、環境省カテゴリで絶滅危惧ⅠA類(CR)に選定している。
ウスイロオナガシジミは、今年の撮影目標にはない種で、しかも葉上に静止していたところを偶然に見つけたのだが、こうして羽化したばかりの美しい個体に出会えると嬉しい。
以下の写真には、比較のためにミズイロオナガシジミとオナガシジミも掲載した。
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ウスイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 3200 +1/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2018.07.15)
ミズイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/80秒 ISO 3200 +1EV (撮影地:山梨県北杜市 2011.7.16)
オナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 3200 +1/3EV (撮影地:山梨県北杜市 2011.7.16)
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