夫婦岩の夕景と星景を撮るために千葉県いすみ市へ。
夫婦岩は、2つの岩が夫婦の様に寄り添うように見えることからそう言われている。日本各地に多くあり、三重県伊勢市の二見興玉神社にある夫婦岩は、歌川広重も描き良く知られているが、今回は、千葉県いすみ市の津々ヶ浦に並んでそびえ立つ大小2つの岩を撮影場所に選んだ。夫婦岩をGoogleマップで見ると雀島(夫婦岩)と記載してあるが、「雀島」は津々ヶ浦のもう少し北のエリア全体を指しているそうで、この二つ岩は「夫婦岩」や「親子岩」と地元の方々は呼んでいる。
11日土曜日。正午で会社の仕事を終え、そのまま首都高速湾岸線、京葉道路、千葉東金道路を走り、九十九里有料道路へ。ETCは使えず現金で420円払うが、九十九里の砂浜に沿って延びるアップダウンの無い直線道路で、別名「波乗り道路」とも呼ばれる。若い頃は、トヨタの黒いスープラでよくドライブに来たものである。青い空に広がる海原。今でもここを走ると「達郎のSPARKLE」をかけてしまう。一宮の終点で降りると、目的地まではわずかである。
初めて訪れる夫婦岩には、14時過ぎに到着。目の前の駐車スペースに止め、ロケハン開始。昔から時代劇をはじめとする映画やCM撮影などで使われてきたというだけあって、ロケーションは雄大である。夫婦岩は、もともと1つの岩礁で、1980年頃までは陸続きになっており、水神様が祀られていたそうだが、太平洋から打ち寄せる荒波によって削られ続けており、以前に比べるとかなり小さくなっているという。数十年後には消えゆく運命の岩である。
ここでの目的は、夕景と星景である。真東方向であるため朝日が昇る光景の方が人気があるが、今回、日の出は別のポイントに移動する計画であったため、ここでは夕景と星景のみ。星空に関しては、夏の天の川も奇麗に撮れるという。数日早いが、「ふたご座流星群」も写ってくれることを期待した。
しばし車内で休憩。響き渡る激しい波の音は、疲れた心を癒し、日頃のストレスを消してくれる。このまま眠りたいところだが、そろそろ良い時間。浜辺に降りて、岩礁が砕かれて散った小さな岩にカメラを向けた。寄せては引く波の造形に地球の呼吸さえ感じた。
続いて主役の夫婦岩。焼けるような夕焼けはないが、代わりにピンク色に染まるビーナスベルトと、その下側に紺色の地球影。地球影とは、日の出前や日没後に太陽とは反対側の空に地球の影が映し出される現象の事である。ビーナスベルトと地球影、そして夫婦岩。壮大な地球そのものを感じる。
最後は星景だが、あいにく23時過ぎまで月が出いているため、それまで車内で仮眠。波の音とBACHをBGMに爆睡したが、目覚ましタイマーで23時半に起きて車外へ。気温は11℃もあり、寒くない。まずは、冬の大三角を撮影。魚眼レンズではないため、冬のダイヤモンドは収まらなかった。冬の大三角は、おおいぬ座α星シリウス、こいぬ座α星プロキオン、オリオン座α星ベテルギウスの3つの1等星で構成される三角形である。また、三角形の中には冬の天の川が通っている。
次は「ふたご座流星群」を期待しての連続撮影。結果は、残念ながら流れ星は1つも写っていなかった。90分経過した頃、薄雲も広がり始めたので終了。時間的にも真東には目立った星がないため、寂しい星景になってしまったが、夜空に瞬く星々に無限の宇宙を感じた。天気が良ければ十分に星々が写せる場所であることは確認できたので、来年は夏の天の川を写してみたい。本記事の最後には、夫婦岩の夕景の映像に星空のタイムラプスを加えたものを掲載した。
夫婦岩を12日午前2時に出発し、夜明けの光景を撮るために移動。そこでは、素晴らしい情景に出会うことになる。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。
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夫婦岩は、初めて訪れました。千葉県には10年ほど住んでいたことがありますが、素晴らしい自然環境が今も残っている所が多く、風景も美しいですね!