ビロウドツリアブ(Bombylius major Linnaeus, 1758)は、ツリアブ科(Bombyliidae)に属する体長 8~12mmの小さなアブである。北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布し、日当たりの良い林縁などで見られ、都市郊外にも生息する。ビロード状の毛で覆われ、長い口吻で花の蜜を吸う普通種である。ホバリングが得意で、空中静止している様子が、吊下げられたように見えることが和名の由来になっている。ビロウドツリアブの成虫は、3月下旬~5月上旬頃の春にのみ現れるが、スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)とは呼ばない。
久しぶりに自宅から小一時間で行ける里山を訪れた。東京都あきる野市にある「横沢入り」である。特に目的の被写体はなく、カメラをぶら下げての里山散策である。吹く風は冷たい。ただ、日当たりの良い林縁では日差しに「春」を十分感じることができた。
地面ではオオイヌノフグリが一面に咲き、その中を小さな茶色の毛玉が飛び交っている。早春限定のビロウドツリアブである。吸蜜したり、ホバリングしたり、地面で日向ぼっこしたり何とも愛くるしい存在であるが、これまで様々な地域で何度も見ていながら、一度も写真に撮ったことはなかった。
カメラを向けたが、なかなか良い位置でホバリングしてくれない。のんびり屋かと思いきや、意外とすばしっこい。小さいので見逃すと何処に行ったか分からない。10頭ほどいたので、おとなしく吸蜜している様子を収めた。写真は、オスとメス。オスは、複眼の間がくっついており、メスは離れているので区別ができる。
お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。
![ビロウドツリアブの写真](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/6b/973e8bc4476c3f0db910b4b879622781.jpg)
ビロウドツリアブ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/800秒 ISO 200(2017.3.25)
![ビロウドツリアブの写真](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/64/5b79a900381d8e62ab57977de58eb07b.jpg)
ビロウドツリアブ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 200(2017.3.25)
![ビロウドツリアブの写真](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/39/d9ecce88aa7182fcdbdeb157cb79281e.jpg)
ビロウドツリアブ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 200(2017.3.25)
![ビロウドツリアブの写真](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/00/7e694d8f74f9b84c85aee41b0146fe60.jpg)
ビロウドツリアブ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200(2017.3.25)
東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
春限定だと思っていましたが、これも温暖化の影響ですか?
ビロウドツリアブは、生態的には春にのみ出現する昆虫ですが、秋に成虫が見られたのは珍しいことだと思います。ヘイケボタルも秋に成虫が発生することがありますし、東京の上野ではソメイヨシノが開花したとニュースで見ました。今年の夏は、異常な猛暑で、このところ急に涼しくなりましたから、その影響だとのことです。ビロウドツリアブも季節を間違えたのだと思います。