ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

フジキオビ

2021-05-22 11:32:06 | その他昆虫と話題

 フジキオビ Schistomitra funeralis Butler, 1881 は、アゲハモドキガ科(Family Epicopeiidae)フジキオビ属(Genus Schistomitra)の蛾である。この属は、長い間1種のみであったが、2019年に2番目の種が中国で発見され Schistomitra joelmineti Huang & Wang, 2019 として記載されている。
 フジキオビは、日本固有種で栃木県北部山地を北限として関東平野の周辺山地に分布し、特に赤城山周辺、秩父山地から奥多摩地方及び大菩薩山塊に多産する。一方、本州西部では中国山脈に沿って多くの産地があるが本州中部には空白地帯があり、本州以外では四国の面河渓が唯一の産地で、九州からは発見されていない。分布は局地的。個体数は少ない。
 環境省カテゴリにはないが、都道府県のRDBでは、群馬県(絶滅危惧Ⅰ類)、三重県・兵庫県(絶滅危惧Ⅱ類)、埼玉県・愛知県・鳥取県・高知県・宮崎県(準絶滅危惧種)として記載している。

 フジキオビは、丘陵帯上部から山地帯下部付近のミズナラなどの落葉広葉樹林生息。成虫は5~6月頃に出現する。昼間活動し花で吸蜜する。オスは、湿った地面で吸水もする。幼虫の食草はナツツバキ(別名:サラソウジュ/沙羅双樹)である。
 ウスバアゲハのようにヒラヒラと飛び、一見、チョウのようにも見えるが、蛾である。山梨県甲州市の沢沿いの林道を4km程歩いたところで2頭撮影。蛾は基本的に好きではないのだが、珍しい種であるので掲載した。(撮影は2012年であり、ブログ PartⅠでは紹介済みであるが、今回、未掲載分を含め、再現像して掲載した。)

参考文献/杉 繁郎:フジキオビの分布,食樹,幼生期の知見 蝶と蛾 23(1), 4-8, 1972 日本鱗翅学会

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

フジキオビの写真

フジキオビ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2012.5.27 10:22)

フジキオビの写真

フジキオビ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:山梨県 2012.5.27 10:22)

フジキオビの写真

フジキオビ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200 +1/3EV(撮影地:山梨県 2012.5.27 11:01)

フジキオビの写真

フジキオビ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 250 +1/3EV(撮影地:山梨県 2012.5.27 11:01)

フジキオビ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320 +1/3EV(撮影地:山梨県 2012.5.27 11:02)

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