アサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883) は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)/ マダラチョウ亜科(Subfamily Danainae)/アサギマダラ属(Genus Parantica)にに分類されるチョウで、日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布する。分布域の中で下記のようにいくつかの亜種に分かれているが、日本に分布するのは亜種 Parantica sita niphonica とされる。
アサギマダラ属(Genus Parantica)
- アサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore, 1883)
- ヒメアサギマダラ Parantica aglea maghaba (Fruhstorfer, 1909)
- ルソンアサギマダラ Parantica luzonensis luzonensis (C. Felder et R. Felder, 1863)
- タイワンアサギマダラ Parantica swinhoei (Moore, 1883)
- シロアサギマダラ Parantica vitrina vitrina (C. Felder et R. Felder, 1861)
アサギマダラは、翅の水色の半透明な部分には鱗粉が少なく、名前の「アサギ(浅葱)」とは青緑色の古称で、この部分の色に由来する。気品のある色合いと優雅な飛び方に癒されるが、幼虫の食草となるガガイモ科植物はどれも毒性の強いアルカロイドを含んでおり、アサギマダラはこれらのアルカロイドを取りこむことで毒化し、敵から身を守っていると言われている。体内に毒を持っているため、一度食べた鳥は食中毒症状を起こして二度と食べなくなるという。
また、成虫が好んで吸蜜するフジバカマやヒヨドリバナには、ピロリジジンアルカロイド(PA)が含まれ、オスは性フェロモン分泌のために
ピロリジジンアルカロイドの摂取が必要と考えられている。ちなみにフジバカマ(藤袴)は、秋の七草の一つで「源氏物語」の巻立てがある花であり、環境省RDBにて準絶滅危惧種に選定されている。アサギマダラは、境省RDBに記載はないが、千葉県RDBでは準絶滅危惧種として選定されている。
アサギマダラは、日本で唯一「渡り」をするチョウとして知られているが、最近の調査では、夏に日本で羽化したアサギマダラは、秋になると南西諸島や台湾まで南下し、そこで繁殖した子孫が春に北上し、日本に再び現れるという行動が明らかになっている(その逆のパターンもある)。
マーキング調査では直線距離で2,000km以上移動するものや、1日あたり200km以上も移動した個体もいるという。
2012年8月に山梨県のある林道にて何十頭ものアサギマダラが乱舞する光景にであったことがある。谷から吹き上げられる気流に乗り優雅に舞う姿は、未だに忘れられない。
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アサギマダラ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 200 +2/3EV(2011.9.10)
アサギマダラ(フジバカマでの吸蜜)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F3.5 1/400秒 ISO 200(2011.9.10)
アサギマダラ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 800 +1/3EV(2015.9.11)
アサギマダラ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F11 1/200秒 ISO 200(2012.8.25)
アサギマダラ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 200(2012.8.25)
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コメントありがとうございます。
アサギマダラは、高原のイメージが強いですが、
夏の時期には、高尾山でも見ることができます。
9月になると南へ渡ってしまいますので、
来年は、ぜひ再びこの優雅なチョウをご覧になってください。
アサギマダラは1種類だけでなくて色々な
種類があるのですね。
しばらく前まで高原などで見かけて
何度か撮っていましたが
最近は全く見る機会がなくて
ちょっとがっかりしています。
アサギ色と優雅な飛び方に心惹かれたので
又見られると良いのですが・・・