大当たりの日

本日は終日ダラダラしてしまった後、二十四軒のビストロ「ＰＥ」へ。赤ワインを飲むことにして、まずはアミューズから。２種類の田舎風パテとピクルスでスタート。このほんのちょっとだけというのが、期待を盛り上げる。





続いて前菜。レンコンと土ごぼうのキッシュ、牡蠣のブリュレ海苔のソース、秋サバと野菜のプレッセ、あべ鶏のガランティーンの４種。



キッシュは歯触りのレンコン、香りの土ごぼうと特徴が出ている。牡蠣のブリュレは前回も食べたが、これは文句のつけようがない。秋サバのしっかりした味わいとバジルソースという面白い取り合わせ。また、あべ鶏には中にリンゴが入っていて、こちらはマスタードと合わせるのである。

続いて軟白ネギのポタージュ、滝川産鴨ささみ肉のフレーク添え。いい感じにネギの香りが出てる。そしてしっかりした歯ごたえの鴨を噛みしめると、やはり味が合うね。それから、鴨のせいか赤ワインとの相性も意外とよい。



ここで、私の食べるのが早くて、ちょっと時間調整のため柿のピクルス（齧りかけ失礼）と生ハム。このピクルスが、まだ完熟していない柿を生かした、想像以上の美味しさだった。



さあ、後半に入り、魚料理。今回はこれに驚きである。ソイ、鯛、平目と白身の魚をムース状にして、蟹まで加えたクレープ包み、さらにアメリケーヌソース。



これが美味しくない訳ないよね。ちょうどディナーのお客さんがそろったからできた品らしい。ムース部分の味わいにアメリケーヌソース（これがまた好物なのだ）、ダメ押しに上のエノキ茸がスルメのような、何とも言えない味わいなのだ。

プルーンのソルベをはさんで、と。



メインは仔羊のポワレ、北あかりのテリーヌ添え。スパイスの風味がそこはかとなく効いている仔羊はもちろんなのだが、北あかりのテリーヌがポイントだ。そのものの味わいも十分にあるし、肉とソースのつなぎ役としても良い位置についている。



最後にデザート。ボルドーワインとチョコレートのマカロン、アールグレイのシフォンケーキ、柿のソルベ、エピス風味の焼きメレンゲ。この中で特筆すべきはマカロンである。正直なところ、マカロンにはあまり興味がなかったのだが、周囲の歯触りと中心部のクリームのバランスがいい。また赤ワイン入りのクリームは、これは新しく完成された味と言っても良いのではないだろうか。



仕上げにコーヒー、カルヴァドスまで飲んでしまった。今日は当たりの中でもかなり大当たりだった気がする。