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世界各地で為替けん制発言が連発

2013-02-09 06:29:50 | Weblog
円が急伸、一時92円台前半 麻生財務相発言で 2013年2月8日 日経夕刊
 8日夕方の外国為替市場で、円は一段と上昇。対ドルで一時1ドル=92円17銭近辺の円高・ドル安水準を付けた。対ユーロでは1ユーロ=123円台半ばの円高・ユーロ安水準を付けた。対ドルは5日以来、対ユーロは1月31日以来の円高水準。
 麻生太郎財務相が8日午後の衆院予算委員会で円相場の動きについて「我々の意図しないぐらいに78~79円だったのが、いきなり90円になった」と述べた。発言をきっかけに円買いの勢いが強まった。
 アジアの主要市場が旧正月の連休に入るため、海外勢が持ち高調整の円買いに動いているとの指摘もある。
 17時時点では対ドルで92円79~82銭近辺、対ユーロで124円29~32銭近辺で推移していた。

コマツ会長「だらしない」 独韓の円安懸念に苦言 2013年2月8日 日経夕刊
 政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)の民間有識者であるコマツの坂根正弘会長は8日午後、日本外国特派員協会で講演し、為替相場に関して「円は対ドルでも対人民元でもリーマン・ショック前から30%高くなってから、15%戻っているだけ」と指摘した。そのうえでドイツや韓国の要人による円安けん制発言に対し「日本が(かつて世界に)もっと訴えるべき話であって、ドイツのトップ、韓国のトップがこんなことで音を上げるのでは、だらしがない」と主張した。
 環太平洋経済連携協定(TPP)に関しては「産業競争力会議では、参加しない前提で意見を言うつもりはない。(不参加は)まったくの論外」と強調した。「ポテンシャルはアジアにあり、アジア経済の発展には政治の安定がマスト(必須)」とし、米国が入らない仕組みでは「アジア政治の安定はない」との見方を示した。
 この日の講演は「ドイツに学ぶべきこと」がテーマの1つ。「ドイツは経済圏を作った。ドイツは高い通貨マルクに悩んできた。ユーロ安の恩恵を受けているいまユーロ圏他国をどれだけ手助けしてもおつりが来る」との認識を示した。ドイツで具体的に優れている点としては、企業倒産法の改正で早期破綻申請を促し、産業の新陳代謝を活発にしたことや、女性活用が日本よりはるかに進んでいること、林業など1次産業のIT(情報技術)化などを指摘した。

世界の通貨戦争、欧州が加わればいっそう深刻化も 2013年02月9日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT833228720130208
 ブラジルのマンテガ財務相は8日、欧州が通貨切り下げ競争に加われば、世界的な「通貨戦争」がいっそう深刻化する恐れがあるとの見解を示した。
 欧州は雇用保護などを目的にユーロ安を誘導するのではなく、投資拡大を通じた景気浮揚に軸足を置くべきとした。
 7日遅くにロイターとのインタビューで語った。
 財務相は「世界経済が加速しない限り通貨をめぐる問題は続く」とし、「経済の活力を高め、低迷から脱却させることが解決への道だ」と述べた。
 マンテガ財務相は2010年に、世界経済減速を背景に自国の輸出拡大を目指した先進国の通貨切り下げ競争を「通貨戦争」と表現した。以降ブラジルは、国内産業を保護し輸出競争力を高めるため、レアル安を誘導してきた。
 財務相はインタビューで、こうしたアプローチがどの国にも適切というわけではなく、とりわけ先進国には有効ではないと指摘。「欧州連合(EU)が米国やアジア、さらにブラジルに対しても輸出を拡大させることで危機から脱却しようとしても無駄だ」とし、「非常に限られた市場で相手を押しのけようとしている」との見方を示した。
 その上で「(来週の)20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での最も重要な議論は刺激策を復活させることだ」と強調した。

前日のECB総裁発言、ユーロ下落に効果 2013年02月9日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT833226320130208
 フランスのオランド大統領は8日、前日のドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を受け、ユーロは下落しているとの認識を示した。
 オランド大統領は、「ECBはあのような宣言を行うことで、ユーロが実体経済に合致する水準に戻ることを可能にした」と述べ、ドラギ総裁の発言は効果的だったとの考えを示した。
 同大統領はブリュッセルで行われた欧州連合(EU)首脳会議に出席している。
 ECBのドラギ総裁は前日の理事会後の記者会見で、このところのユーロの上昇は「ある意味でユーロへの信認回復の表れといえる」としながらも、「為替レートは政策目標ではない。しかし、為替レートは成長と物価安定にとって重要だ。そのため、ECBはユーロの上昇が続くかどうかを見極め、物価安定に対するリスク評価を見直していく」と述べている。



 日本の円安転換が原因の一つではあるのかもしれませんが、ここにきて政府要人や民間大物の為替に関するけん制合戦の様相を呈してきました。
 う~ん。個人的には一民間経営者はともかく政府要人は極力自国の為替水準については言及しない方が、投機筋の暗躍を促さず結果的に為替の動きもマイルドに抑えることができるのではないかと思うのですが、麻生財務相発言も一般論として受け止められるべきところが余計な思惑をうんで円買い材料に…。
 来週は中国や中国に関係の深い市場が旧正月で休場になることも多く、欧米や為替にますます振り回されることになりそうです。

 参考までに現在(9日5時50分頃)の為替水準は、対ドル円が92円75銭~78銭。対ユーロ円が123円97銭~00銭で推移しています。