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断るとピザ70人前を注文 マンション販売の悪質手口急増

2008-10-31 18:23:47 | Weblog
断るとピザ70人前を注文 マンション販売の悪質手口急増 2008年10月15日 J-CAST
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_vice_commerce__20081015_2/story/20081015jcast2008228614/
 マンション購入の勧誘で、脅されたり嫌がらせをされたりするケースが増えている。不動産不況による在庫増が背景にあり、5年前より倍増して全国で3000件近くの相談があるという。嫌がらせもエスカレートしているようだ。
 「家に火をつける。乗り込んでいくぞ」神奈川県内の30歳代男性には、業者からワンルームマンションの購入を勧める電話が頻繁にかかってきた。それも職場に直接だ。執拗なので、上司に代わって断ってもらうこともあったと明かす。2008年2月のある日も、業者から勧誘電話があり、強い口調で断った。しかし、直後に宅配ピザ店からかかってきた電話には仰天した。
 「70人前の注文がありました。作ってよいですか」ピザ店もさすがに、これだけの大量注文に戸惑ったらしい。この電話でとんだ災難を逃れたものの、その後もしつこい勧誘に悩んでいる。
 国民生活センターによると、このような悪質な勧誘が最近増えている。07年度は、5年前の倍近い2838件もの相談が寄せられた。ほかには、購入を断ると暴力団風の口調で「家に火をつける。乗り込んでいくぞ」と脅されたり、1日13時間も説明に拘束されたうえ、断ると胸ぐらをつかまれたりしたというケースがある。
 もっとも、悪質な勧誘は、バブル崩壊後から見られ始めた。それが、99年度には約500件、03年度には約1500件と次第に増え続けているのだ。なぜ止められないのか。
 確かに、脅しや長時間電話は、1996年の宅建業法の通達で禁止され、その後、施行規則になっている。ところが、特商法とは違って、購入しないと断った後の再勧誘を禁止していないので、しつこい営業を防げられない。また、業者名や人名、販売目的を言わなくも勧誘できるので、名乗らなかったり年金の話と言ってきたりする例も多い。
 さらに、法規制のネックなのが、販売代行業者の増加だ。国土交通省では、「営業を外部委託されると正直やりにくい。違反行為の証拠を積み上げられない歯がゆさはある」(不動産業課)と認める。これまでに、違反で行政処分されたマンション販売業者はないという。
 悪質勧誘によるマンション購入は、国民生活センターの相談では、平均が約2400万円。これだけ高額な物件にもかかわらず、購入後の相談が1割も占めている。脅されたからといって、大金を出すまでする人がなぜいるのか。
 そこには、「逆ギレ商法」と呼ばれる巧みな営業がある。買わない場合、次のような殺し文句で脅すというのだ。「こんなに説明して分からないなんて、頭が悪い。人間じゃない」
「社会人としてどうなんだ。『失礼な対応だ』と、あんたの会社の人事か総務に言うぞ」
 また、マンションに投資すれば、家賃収入などによる利殖ができるとうたい、購入を迫るケースも多いようだ。
 東京経済大の村千鶴子教授(消費者法)は、こう指摘する。「数千万円もするマンションを、セールスされて買うものだとは思えません。電話や訪問による勧誘について日本では自由ですが、それを認めるのは非常に問題だと思っています」
 最近は、村教授の研究室にも毎日のように業者から勧誘の電話がかかってくるという。「自宅にも夜遅くかかってくるので、うんざりしています。ヤミ金融並みにひどいですね」そのうえで、村教授はこう言う。
「金融危機を招いたアメリカのサブプライム問題も、悪質な勧誘を放置していたツケが出ている面があります。日本は、その後を追いかけているようにも感じますね」



 ちょっと前の記事ですが、個人的に吃驚し、ここまで日本人としてのモラルは下がったのか…と嘆きを感じた記事があったので、当ブログでも紹介したいと思います。
 30代後半以上の男性を狙って、この手の『マンション購入を執拗に迫る電話を職場にかけてくるので困っている』という話は、私自身も周囲の複数の方から聞いてはいましたし、受注できないことを根にもってソバ屋などに大量注文を出すという話も、話には聞いたことはありましたが、さすがにビザ70人前の注文は度を越していますし、しかけている側も『ビザ屋なら大量注文も多忙を理由に断らないだろう』と見越してこのようなふざけたマネをしているんでしょうね…(溜息
 まあ、法整備については、代行業者も規制の対象にするなど、法改正が必要かとは思いますが、度を越した勧誘をして、断られると嫌がらせをしたり脅迫したりする輩というのは、どれだけ法律を整備しようが、いつの世界にもいなくならないもの。まずは『自分の身は自分で守る』という自衛の気持ちを持って欲しいと思います。

 ちなみに 私はこの手の勧誘電話には、相手に期待させないためにも、法改正(顧客が固辞しているのにしつこく勧誘することを禁止)がされる前の商品先物取引会社に対する対応同様、極力早く会話を切り上げて電話を切ることにしていますが、下手に電話を長引かせると望まぬ形で見込み客リスト入りさせられかねませんし、東京経済大の村千鶴子教授のような規制強化論者が主張したがる『電話や訪問による勧誘について日本では自由ですが、それを認めるのは非常に問題だと思っています』といった意見も、営業手法そのものを奪うことで、まっとうな業者ほど淘汰されてしまい、悪質な業者だけが残ってしまう最悪の状況に陥るデメリットの方が大きいと思います。(まっとうな業者が淘汰されれば、アパート一つ借りるにも不動産屋のおやじと家賃を店頭で駆け引きするような時代に逆戻りしかねませんが、本当にそれで良いのでしょうか???)

 『あんたの会社の人事か総務に言うぞ』といった脅し文句にしても、会社の側からみれば、人事や総務は、基本的にこの手のクレームも単なる中傷か本当のクレームかは簡単に見抜けるもので、余程会社と対立している方を除けば、基本的に心配する必要はありません。(もし見抜けないとしたら相当のグータラですね…)
 この手のおバカな輩にはどんな脅迫めいた言動をとられようが、毅然とした態度を取ることが一番正解でしょうね…。

リロHD、日本ハウズ株27%取得へ 原弘産などと合意 

2008-10-31 18:15:02 | Weblog
リロHD、日本ハウズ株27%取得へ 原弘産などと合意 2008年10月21日 日経
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2008102008413b1
 寮・社宅管理のリロ・ホールディングは20日、原弘産など3社からマンション管理の日本ハウズイングの株式を譲り受けることで合意したと発表した。買収防衛策を導入している日本ハウズに、同日付で買い付け説明書を提出した。リロは日本ハウズの発行済み株式の27%を取得し、筆頭株主になる見込み。
 リロは原弘産から10%、原弘産子会社の井上投資(東京・中央)から6%、日本ハウズの創業者一族の資産管理会社であるカテリーナ・イノウエ(東京・世田谷)から11%の日本ハウズ株をそれぞれ取得する。
 取得総額は34億6000万円。1株当たり870円で、日本ハウズの20日終値(960円)より9%安い。日本ハウズは「受け取った説明書の内容を前向きに検討していきたい」としている。

原弘産純損益50億円―連結中間決算 2008年10月25日 山口
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2008/1025/9.html
 原弘産(下関市、原將昭社長)が二十四日、二〇〇八年八月中間期決算を発表した。経常損益は二十一億九千万円の損失で、特別損失二十七億九千七百万円を計上するなどしたため当期純損益は五十億六千四百万円の損失。継続企業の前提に関する注記を行った。
 同期の売上高は前年比49.6%減の百三億八千二百万円、営業損益が十五億六百万円の損失。前年同期は営業損益が二億六千万円の利益、経常損益が二億四千六百万円の損失、中間純損益が二億五千七百万円の利益だった。
 〇九年二月期は売上高五百三十七億円、営業損益は十八億千六百万円の損失、経常損益は二十九億五千万円の損失、当期純損益は六十二億二千四百万円の損失を予想している。
 注記は債務超過ではないが、継続企業の前提に関する重要な疑義が存在しているとした上、財務体質の改善と経営資源の効率化で、解消できるとしている。
 不動産市況の急激な悪化と金融収縮の影響を受け売上高が大幅に減少、投資有価証券評価損、減損損失及び貸倒引当金もかさんだ。同社は八月六日に業績予想を下方修正したが、それよりも大幅に悪化した。
 同社と子会社は業務提携を求めて日本ハウズイング株を所有していたが、このほど全額を売却した。




 原弘産と言えば、日本ハウズイング相手にいきなり敵対的買収提案を打ち出したものの、日本ハウズイング社が提案した買収防衛策の発動が僅差(賛成54.7%)で可決されるなど、一応の勝負はついたものの、総会終了直後に、原社長が「負けた。TOBはやらない。株は長期にわたって持ちつづける。納得するまで話し合いは継続する。企業価値を向上させる働きかけを行っていく」と株を長期保有すると主張。
 その後の動向が注目されていましたが、先日全株式の27%に当たる株式を寮・社宅管理のリロ・ホールディングに売却することを決めたようですね。
 ちなみに、この原弘産。8月29日付けの日刊ゲンダイネット版で紹介されている不動産会社の危険5社リスト(現在リンク切れ、9月10日のブログ=http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/a4fcadba266b5d84859bd244ab6e9e47 でも紹介しています)にも載るなど、資金繰りが急激に悪化していることはわかっていただけに、いずれは株を手放してくるのではないかとは思っていましたが、まさか今期の連結中間決算でも50億円の赤字を出し、継続企業の前提に関する注記がなされるほど経営が悪化しているとは思いませんでしたし、そのような状況で敵対的TOBをかけようとしていたなんて、とても正気の沙汰とは思えず、日本ハウズイングにとっては随分はた迷惑な騒動だったのではないかとさえ思います。
 原弘産についたランドマークが12.6%の株式を保有していることから、まだまだ油断は禁物ですが、リロ・ホールディングと言えば、福利厚生の代行会社として有名な会社。日本ハウズイングにとっては、これで買収騒動から逃れることができて一安心でしょうか…。

日本ハウズイング株式会社に対する買付説明書の提出のお知らせ はこちら
http://www.relo.jp/news/2008/2008_1020.pdf
日本ハウズイング株式会社との業務提携基本合意締結に関するお知らせ はこちら
http://www.relo.jp/news/2008/2008_1021-1.pdf

金融も製造業も相次いで業績下方修正 まとめて15本

2008-10-31 18:08:18 | Weblog
日興コーディアルの9月中間、40%減益 日興シティは101億円赤字  2008年10月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081028AT2C2701W27102008.html
 日興シティホールディングス傘下の2証券は27日、2008年9月中間期決算を発表した。個人向けの日興コーディアル証券は株式の委託手数料減少や投資信託の販売不振で、最終利益は前年同期比40%減の121億円となった。法人向けの日興シティグループ証券は保有する債券の評価損が響き、101億円の最終赤字(前年同期は23億円の赤字)だった。
 日興コーディアルでは売上高に相当する営業収益が21%減の984億円だった。株価の下落が進んだことなどを受けて、株式の委託手数料は37%減の109億円に落ち込んだ。業績連動型の報酬体系で人件費を72億円削減したが、金融商品の販売低迷が響き、最終減益になった。

野村HD:1494億円赤字…市場混乱響く 9月中間連結 2008年10月29日
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081029k0000m020112000c.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081028AT3L2805N28102008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081028-OYT1T00564.htm
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081028/biz0810281613009-n1.htm
 野村ホールディングスが28日発表した08年9月中間連結決算(米国会計基準)は、米国発の金融危機の影響による株式市況の悪化などから収益が悪化、最終(当期)損益は1494億円の大幅赤字(前年同期は642億円の黒字)となった。中間決算で赤字に陥るのは米国会計基準を適用した01年4月以降初めて。半期ベースでは、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題が直撃した07年度下半期に続いて2期連続。米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)による損失を計上するなど、世界的な金融危機の直撃を受けた。
 経常利益に相当する税引き前損益も1536億円の赤字(前年同期は893億円の黒字)。一般企業の売上高に相当する営業収益は、前年同期比51.7%減の5156億円だった。
 金融危機による市場の混乱で株式や債券などの運用による損失が拡大したほか、株式売買や企業の新規上場企業の合併・買収(M&A)などの業務の手数料収入が落ち込んだ。リーマン・ブラザーズとの取引で約170億円の損失を計上したことも響いた。
 野村の仲田正史・財務統括責任者は「市況悪化に備えリスク資産を減らしてきたが、金融危機の影響が非常に大きかった。今後も厳しい状況が続く」と述べた。
 野村は買収したリーマン・ブラザーズのアジア、欧州部門、インドのITシステム関連会社3社の約8000人の元社員や事業を引き継ぎ、今月からM&Aなど投資銀行業務などの強化を図るが、株式市場の混乱が長引けば、収益力強化にはなお時間がかかる可能性もある。
 また、野村は同日、リーマンを買収した費用が人件費などを含め総額約20億ドル(約1900億円)に上ることも併せて発表した。費用は09年3月期連結決算に計上する。

大手銀系証券、みずほと三菱UFJは赤字 4―9月期決算 2008年10月30日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081029AT2C2901C29102008.html
 大手銀行系証券の2008年4―9月期決算が29日、出そろった。みずほ証券と三菱UFJ証券の最終損益は赤字、新光証券は大幅減益となった。金融市場の混乱を受け、価格が下落した株や債券、証券化商品で損失を計上した。株式の引受業務も低調だった。個人向け業務は株式売買が激減し、手数料収入が減った。
 みずほ証券は198億円の最終赤字(前年同期は270億円の赤字)だった。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に関連する130億円の損失を計上したことが響いた。三菱UFJ証券は110億円の最終赤字(前年同期は257億円の黒字)だった。カブドットコム証券など保有する株式の評価損131億円を計上した。
 みずほフィナンシャルグループの新光証券は黒字を確保したが、純利益は前年同期比99%減の5600万円だった。来春に予定するみずほ証券との合併については、「合併作業を粛々と進めており、計画に変更はない」(椛嶋文雄副社長)としている。

みずほ、自社株買い延期検討 金融不安、業績悪化予測で2008年10月23日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/1022/TKY200810220308.html
 みずほフィナンシャルグループ(FG)が自己株式を買い取って処分し、1株あたりの価値を高める株主還元の実施計画を遅らせる方向で検討していることが分かった。急激な株安や予想以上の業績の下振れによる自己資本の目減りを考慮した見直しで、自社株買いを控えることで資本の一部である剰余金を温存する。比較的傷が浅いとされた日本のメガバンクにも、米国発の金融不安の影響がおよび始めている。
 みずほFGでは、03年に発行した総額約9400億円の優先株の普通株への転換が7月から始まっている。放置すれば、株式数が増えて1株あたりの価値が目減りしてしまう。そこで、08年5月、08年度から2年程度で約8千億円分の自社株買いを進め、株数を減らす方針を発表。08年度は約4千億円分の自社株買いを進めるとし、約1500億円分を実施していた。
 だが、計画の前提だった08年度の収益が予想を下回る可能性が高まり、今年度計画の残りの2500億円分の実施を来年度以降に延期することを検討している。ただ、自社株買いの規模や2年程度で実施する全体の計画は変更しない。
 背景にあるのは、予想外の株安と国内景気の減速だ。保有株の含み益は大幅に減少しており、その分、自己資本の目減りは避けられない。貸出先の業況も悪化しており、不良債権処理損失の増額などで当初の業績予想は下方修正を迫られる見通しだ。このため、自社株買いに巨費を投じられるだけの利益が確保できるかは微妙な情勢で、今後、乱高下が続く株価の動向などを見ながら、最終的な判断を固める考えだ。

みずほFG、純利益71%減 9月中間、株式の減損処理かさむ 2008年10月31日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081031AT2C3100Z31102008.html
 みずほフィナンシャルグループは31日、2008年9月中間期の連結純利益が前年同期比71%減の940億円になったもようだと発表した。米欧を起点とする株式市場の混乱で保有株式の減損処理がかさんだうえ、国内景気の失速などで不良債権処理損失が膨らんだ。同時に下方修正した09年3月期の連結純利益も19%減の2500億円に落ち込む。
 国際的な市場混乱は日本国内の大手銀の業績にも波及している。同日午後、業績下方修正を発表する予定の三菱UFJフィナンシャル・グループ、りそなホールディングスを含めて六大銀行グループすべてで利益が大幅に下振れする。
 みずほFGが5月に発表した中間期の連結純利益の当初予想は前年同期比23%減の2500億円。減益幅が大きく拡大するのは、不良債権処理損失(傘下3行合算ベース)が1300億円と前年同期比2.4倍に膨らんだことが背景。国内取引先の経営破綻が増えるなど、貸倒引当金の積み増しを迫られた。破綻したリーマン・ブラザーズ関連の損失も200億円計上した。

今期最終益3000億円下方修正 三井住友FG 2008年10月30日
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081029/fnc0810292159016-n1.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT2C2901N29102008.html
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1029/TKY200810290307.html
 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は29日、平成21年3月期の連結最終利益の予想を従来の4800億円から1800億円に下方修正すると発表した。20年9月中間期の最終利益予想も2100億円から850億円へ引き下げた。金融危機の影響で貸出先の経営が悪化し、不良債権処理額が従来見通しを大幅に上回った。また、株安により保有株式の評価損が増えることも響いた。
 メガバンク3行で金融危機を受けて業績下方修正を発表するのは三井住友FGが初めて。三菱UFJFG、みずほFGも下方修正を検討している。
 傘下の三井住友銀行は、国内外の景気減速から下期に融資需要の低迷が予想され、株価低迷により投資信託など金融商品の販売不振も続くとみられる。このため21年3月期予想では、本業のもうけを示す業務純益を従来予想から300億円減の8000億円とした。
 また、業況が悪化している不動産・建設関連の融資の焦げ付きなどが拡大し、不良債権処理損失は従来見通しから1900億円膨らみ、3700億円にのぼるとみている。
 値下がりが続く証券化商品は9月末時点で、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)関連で13億円、それ以外で約2500億円分を保有しているという。
 三井住友銀行の不良債権残高は、3月末の8039億円から9月末に1兆800億円へ増加。不良債権比率も1・2%から1・6%へ上昇する見込みだが、自己資本比率は10%程度と健全な水準を維持する。

三井住友銀、韓国最大手銀に出資 09年メドに2% 2008年10月29日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT2C2900E29102008.html
 三井住友銀行は29日、韓国最大の総合金融機関、KBフィナンシャル・グループ(KBFG)と資本提携する方向で最終調整に入った。来年をメドに200億円程度を投じて発行済み株式の約2%を取得する方針。出資を機に現在、業務提携しているKBFG傘下の商業銀行最大手、国民銀行と取引先の相互紹介や協調融資の連携など関係を拡大・強化する。国際的な金融混乱は続いているが、成長が見込めるアジアでの投資を続ける。
 三井住友とKBFGは近く、資本提携の合意を両国で発表する見通し。金融危機の影響を見極めながら、出資の時期や最終的な金額は慎重に詰める。株式の2%を取得すれば、海外金融機関としてはオランダのING(約5%)に次ぐKBFGの株主になる。

東日本銀、業績予想を下方修正 9月中間、純利益95%減 2008年10月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081027AT2C2701I27102008.html
 東日本銀行は27日、2008年9月中間期の業績予想を下方修正し、連結最終利益が前年同期比95%減の1億7000万円になる見通しだと発表した。期初予想は33億円の黒字。下方修正は8月に11億円の黒字に修正して以来2回目となる。不動産業を中心とする融資先企業で不良債権の処理損失が膨らんだうえ、株式の減損も響いた。09年3月通期の業績予想は11月の中間決算発表で開示する。

八千代銀の今期、最終赤字71億円見通し 2回目の下方修正 2008年10月28日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081028AT2C2801128102008.html
 八千代銀行は28日、2009年3月期の業績予想を下方修正し、連結最終損益が71億円の赤字に陥る見通しだと発表した。従来予想は18億円の黒字だった。下方修正は8月に続いて2回目。

ソフトバンク、最大750億円損失の恐れ 金融危機影響2008年10月30日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1029/TKY200810290303.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081030k0000m020122000c.html
 ソフトバンクは29日、世界的な金融危機の影響で最大750億円の特別損失が生じる可能性があると発表した。同社が事実上保有する750億円の債務担保証券で、構成する複数の債券が新たに債務不履行になると、全額が償還不能になるという。
 同社によると、旧ボーダフォンジャパンが発行した社債の償還原資として750億円を金銭信託し、この信託が160銘柄で構成する債務担保証券を保有していた。契約では、このうち6銘柄まで債務不履行になっても損失は発生しないが、7銘柄だと償還額は456億円減り、8銘柄以上で全額の750億円が損失になる仕組みという。債務担保証券の償還は10年8月と9月。すでに経営破綻(はたん)した

リーマン・ブラザーズなどの6銘柄が債務不履行となっており、期限までにさらに複数の債務不履行が出ると、特別損失が発生する。
 携帯電話事業を証券化して資金調達する際に必要だった措置で、投機目的ではないという。ソフトバンクの孫正義社長は「こうした取引はほかにはなく、仮に損失が発生しても影響は一過性のものだ」と説明している。
 ソフトバンクが同日発表した08年9月中間決算は、当期利益が前年同期比11.5%減の411億円。750億円の特別損失が発生すると、09年3月期は赤字転落する可能性がある。中間決算の売上高は携帯端末の販売減で同2.6%減の1兆3289億円。ただ、連結子会社のヤフーが好調で、営業利益は同7.3%増の1800億円と過去最高を更新した。

キヤノンの08年12月期、23%減 9期ぶりに減収減益に 2008年10月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081027AT1D2709927102008.html
 キヤノンは27日、2008年12月期の連結純利益(米国会計基準)は前期比23%減の3750億円になりそうだと発表した。金融危機を契機とした世界的な景気減速で法人向け複写機などの需要が低下したほか、デジタルカメラが競争激化で価格が下落。急速な円高の進行や原材料高も重しとなり、従来予想では2%増の5000億円と最高益更新を見込んでいたが、一転して9期ぶりの減収減益となる。
 売上高は5%減の4兆2500億円、営業利益は23%減の5800億円の見通し。売上高は従来予想から3400億円、営業利益は1900億円引き下げた。下方修正の主因は販売数量の減少で、これにより営業利益は1420億円減少する。
 世界的な景気低迷の影響は複写機など主力の法人向け事務機にとどまらず、コンパクトデジカメなど消費者向け製品にも波及。デジカメ全体の販売台数は2940万台から2740万台に下方修正した。さらにコンパクトデジカメは競争激化で価格も2割程度低下している。

海運、収益急ブレーキ 商船三井や川崎汽船、今期下方修正 2008年10月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081028AT1D2709027102008.html
 世界経済の減速などを背景に、海運大手の収益拡大に急ブレーキがかかる。商船三井と川崎汽船は27日、2009年3月期の連結業績予想を下方修正すると発表した。高騰していた鉄鉱石などを運ぶばら積み船の運賃が、中国向けの需要減などを理由に夏場以降に急落。コンテナ船の荷動き低迷や円高も重しとなる。上期は過去最高益を達成したが、下期は各社とも2ケタ減益に落ち込む見通しだ。
 商船三井の通期の純利益は前期比2%増の1950億円と、従来予想を150億円下回る見通し。川崎汽船は14%減の710億円と従来予想を70億円下方修正した。日本郵船は23%増の1400億円と期初予想を変更しなかったが、4―9月期(上期)の66%増に比べ大幅に伸びが鈍化する。

森精機の09年3月期、純利益84%減 円高で為替差損膨らむ 2008年10月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081028AT2D2801W28102008.html
 森精機製作所は28日、2009年3月期の連結純利益が前期比84%減の25億円になりそうだと発表した。会社の期初予想は2%減の156億円だった。円高の進行で為替差損が膨らみ、利益を押し下げる。配当も前期比10円減の40円とする。減配は02年3月期以来7期ぶり。
 売上高は前期比16%減の1700億円と、会社の期初予想(1%減の2000億円)を300億円下回る。自動車の販売不振を背景に、国内や欧州などで自動車部品向けのマシニングセンター(MC)などの販売が落ち込む。
 営業利益は前期比78%減の70億円となる見通し。想定為替レートを1ユーロ=162円から115円、1ドル=106円から90円にそれぞれ見直し、為替差損による減益が250億円前後に達する。経常利益は84%減の45億円の見通し。

キッコーマンが通期業績を下方修正 円高、金融危機影響 2008年10月28日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081028/biz0810281839011-n1.htm
 キッコーマンは28日、世界的な景気減速を受け、平成21年3月期の通期業績見通しを売上高で期初予想比50億円減の4130億円(前年比0.2%減)、営業利益で同20億円減の195億円(同12%減)に下方修正した。利益の6割を稼ぎ出す海外事業が、欧米の景気減速懸念で成長が鈍化すると予想。円高で海外事業の利益を円に換算する際に目減りすることも影響する。また、原材料コストの上昇も収益を圧迫する。

ニチレイ 殺虫剤インゲンで業績予想下方修正 2008年10月28日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081028/biz0810281935015-n1.htm
 冷凍食品大手のニチレイは28日、子会社のニチレイフーズが輸入した中国製冷凍インゲンから殺虫剤「ジクロルボス」が検出された問題の影響で、売上高が30億円、営業利益が4億円それぞれ減少する見通しだと発表した。これに伴い、平成21年3月期の連結業績予想も下方修正し、売上高は前回予想を23億円下回り、前期比3・0%増の4773億円、最終利益は前回予想から13億円減少し、同20%減の77億円となる見通し。
 村井利彰社長は同日、本社で行った決算説明会で「消費者は『冷食は危ない』と感じている。インゲンだけでなく、さまざまな問題があり、影響が読めない」と話した。



 10月27日の7162円を境に日経平均は急上昇しています(さすがに31日は452円安)が、ここのところの株安と急激な円高の影響で、業績を下方修正する企業が相次いでいるようです。
 まず、日興シティホールディングス傘下の2証券ですが、9月中間決算が、個人向けの日興コーディアル証券は最終利益が4割減の121億円となり、法人向けの日興シティグループ証券は債権の評価損もあり101億円の最終赤字に…。
 野村ホールディングスも、9月の中間決算が、前年動機の893億円の黒字から1494億円の大幅赤字に転落。
 みずほ証券は昨年に続いて今期の中間決算も198億円の赤字。収益力に定評のあった国際証券の流れをひく三菱UFJ証券も株式の評価損を計上した関係で110億円の最終赤字に転落。新光証券はかろうじて黒字を確保したものの、純利益が99%減となってしまったようです。
 また、銀行も3大メガバンクは揃って業績を下方修正するようで、みずほフィナンシャルグループは株式希薄化を防ぐための自社株買いの延期が予想されるくらい資金繰りに苦労していて、業績も純利益が71%減の940億円まで急減、09年3月期の連結純利益も19%減の2500億円と下方修正。
 三井住友銀行は連結最終予想利益を従来の4800億円から1800億円に3000億円も減額修正。
 三井住友銀行については、韓国の最大手銀行であるKBフィナンシャル・グループ(KBFG)に200億円程度を投じて発行済み株式総数の2%を握る株主となって資本提携するようですが、三菱UFJがモルガン・スタンレーに多額の出資をしたこと同様、自らは増資で資金調達しながら、その一方で海外に資金を流すというのも、傍から見ていると複雑な気がします。
 そして、この世界的株安は地銀やソフトバンクにも影響を及ぼしてしまったようで、東日本銀行は連結最終利益が95%減、八千代銀行は連結最終損益が71億円の赤字に転落。ソフトバンクは、営業利益は過去最高を更新するなど本業は好調なものの、06年に買収した旧ボーダフォン日本法人の社債750億円の償還資金を金銭信託し、この信託が債務担保証券(CDO)を保有していたため、最悪750億円の特別損失が生じる可能性があることを発表しています。

 そして業績の悪化は金融業だけでなく、製造業にも深刻な影響を及ぼし、日本の製造業を代表する企業の1つであるあのキャノンが9期ぶりの減収減益になり、海運の商船三井や川崎汽船も業績を下方修正。
 景気の変動にも強く、安定した業績を上げ続けていた森精機も円高で為替差損が膨らんでしまったことで、純利益が84%減となり、キッコーマンも円高の影響で業績を下方修正。
 ニチレイだけは、他の企業とは別の冷凍インゲン問題による影響による業績悪化ですが、今回の業績下方修正はキャノンや森精機など、従来ならば多少の不況でも安定的な収益を上げ続けていた企業までもが大幅に業績を悪化させているだけに、日本経済は非常に深刻な状況に陥っているように思います。

日経平均、大幅反落し9000円割れ 終値452円安の8576円 日銀利下げ幅は0.2ポイント 

2008-10-31 17:54:31 | Weblog
日経平均、大幅反落し9000円割れ 終値452円安の8576円 2008年10月31日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081031NTE2INK0331102008.html
 31日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落。4日ぶりに下落し、前日回復した9000円を割り込んだ。大引けは前日比452円78銭(5.01%)安の8576円98銭と安値引けだった。前日までの3日間で1866円(26%)上昇した反動から、前日に上げの目立った海運株などを中心に目先的な利益確定売りが増えた。円相場が対ユーロで大幅に反発したことを受け、精密株などの輸出銘柄には戻り待ちの売りがかさんだ。
 日銀が午後、政策金利の0.2%引き下げを決めたが、市場では前日までの上昇で織り込み済みだったうえ、利下げ幅も市場予想より小さかったため、失望感を誘い、大引けにかけては手じまい売りで一段安となった。東証株価指数(TOPIX)も大幅に4日ぶり反落。

円、一時97円台前半に 2008年10月31日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081031AT3L3106A31102008.html
 31日午後の東京外国為替市場で、円相場は上げ幅を拡大。1ドル=97円台半ばで推移している。日銀が午後に発表した政策金利(無担保コール翌日物金利)の引き下げ幅が0.2%と、市場が事前に織り込んでいた0.25%よりも小さかった。加えて、採決が4対4の真っ二つに割れた後、白川方明総裁が議長裁決した異例の判断だったことで今後の金融緩和が難しいとの失望感を誘い円買いが優勢になっている。
 円は15時30分過ぎに一時97円5銭近辺まで上げ、日銀の政策発表前の水準から1円以上も円高が進行している。

政策金利0.3%に引き下げ、7年半ぶり金融緩和=日銀決定会合 2008年10月31日 ロイター 夕方配信
http://special.reuters.co.jp/contents/boj/index_article.html?storyID=2008-10-31T151459Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-346653-1.xml
 日銀は31日開催の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の0.5%前後から0.3%前後に引き下げることを決めた。
賛成4・反対4だったため、議長である白川方明総裁が決定した。
日銀は、景気の下振れ懸念が強まっていることから、金融調節面での対応力を強化することを通じて、緩和的な金融環境の確保を図ることが必要と判断、量的緩和策政策を導入した2001年3月以来、ほぼ7年半ぶりに金融緩和措置に踏み切った。
決定に反対した4人は、須田審議委員、水野審議委員、中村審議委員、亀崎審議委員。
これに伴って補完貸付利率も現行の0.75%から0.5%に引き下げた。決定は全員一致。
また、金融機関が日銀に持つ当座預金のうち、所要準備額を超える金額について、新たに利息を付ける仕組みを導入。利率は0.1%。金融機関はこの金利よりも低い水準で市場で運用する必要がなくなるため、これが事実上の下限金利となる。本制度は11月積み期から来年3月積み期までの臨時措置として実施する。
日銀では金融市場の安定確保のため、年末および年度末に向けて積極的な資金供給を行っていく方針だが、そうした積極供給の下では、政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)が、その誘導目標から大きく下方にかり離する可能性がある。
日銀では、超過準備に利息を付けることによって、コールレートを目標水準に誘導しつつ、積極的な資金供給を一層円滑に行い得るようになり、金融調節面での対応力強化につながると指摘した。
日銀は声明文の中で、金融政策方針として「今後とも緩和的な金融環境の確保を通じて、物価安定の下での持続的成長経路への復帰に向け、最大限の貢献を行っていく方針」とし、緩和的な方針を明確に示した。
世界経済の調整については「最近、一層厳しさを増している」とし、日本経済については「輸出の頭打ちや既往のエネルギー・原材料高の影響などから、当面、停滞色の強い状況が続くと見込まれる」とした。
物価面では「なお高めの消費者物価上昇率が続いているものの、国債商品市況の低下を反映して、徐々に上昇率は低下していくとみられる」とした。
その上で「景気の下振れリスクが高まっている一方で、物価の上振れリスクは以前に比べ低下している」と指摘した。
さらに世界経済については「当分の間、厳しい経済情勢が続く可能性が高い」として、それを背景として「日本経済の回復に向けた条件が整うには相応の時間を要するとみられる」と述べた。


日銀利下げ:識者はこうみる 2008年 10月 31日 ロイター 夕方配信
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34662420081031
●株式市場は織り込み済み、利益確定売りのタイミング
<立花証券執行役員 平野憲一氏>
 0.2%の下げ幅は市場の大方の予想だった0.25%を下回るものの、金融緩和の方向性を示したということで、評価できる。また、今後の利下げ余地を残していると肯定的に捉えることもできる。賛成4、反対4で議長決定となり、政府による日銀包囲網でプレッシャーがあったこともうかがえるが、これで各国の協調利下げが一歩、前進した。
 きょうの日経平均は7000円台の水準から3日間で2000円上昇したこともあり、利下げという材料がなくても利益確定売りが出るタイミングだった。株式市場は利下げを織り込み済みだったので、材料としてはニュートラルだが、仮に利下げがなかった場合は500円ぐらい下げていた可能性がある。

●やや失望感あるが、国際的な責任は果たした
<三菱UFJ証券シニア投資ストラテジスト 吉越昭二氏> 
 市場は圧倒的な多数で0.25%ポイントの利下げを織り込んでいただけに、0.2%はやや失望感がある。金利生活者への配慮があるのかも知れない。しかし、協調が求められている中で利下げを実施し、国際的な責任をある程度は果たしたと考えられる。
 金融安定化策や追加経済対策に続く利下げで、日本からの政策は出そろった感がある。次は11月4日の米大統領選に注目が集まる。米新政権での経済対策に対する期待感が続くため、株価は11月中旬ごろまで底堅く推移しそうだ。

●株市場では予想よりも小さい利下げ幅には反応薄
<明和証券 シニアマーケットアナリスト 矢野 正義氏>
 株式マーケットは利下げを織り込みつつ、日経平均は短期間に約2000円上昇していたので、利下げ発表でいったん利益確定売りが出たようだ。3連休を控えポジションを閉じようという動きにもなっている。ただ利下げ自体は市場の大方の予想通りであり、株価は大きな動きにはなっていない。
 一方、市場が予想していた0.25%ポイントの利下げではなく0.2%の引き下げと小さくなったことに対しては、その意図するところが不明であり、これに対し大きな反応は出ていない。日銀総裁会見で真意を確かめたい。

●一般債流動性回復でスプレッド低下期待
<三井住友アセットマネジメント 保険資産運用第一グループ・ヘッド 堀川 真一氏>
 米利下げに続き、日銀が金融政策決定会合で政策金利の誘導目標を現行の0.5%前後から0.3%前後に引き下げたことは、下げ幅に意外感はあったが、世界的な金融危機を封じ込める強い姿勢の表れで、国際協調を市場にアピールする観点からも適切な対応といえる。
 欧州中央銀行(ECB)も11月6日の理事会で追加利下げを実施する可能性があり、協調利下げは悲観的だった市場マインドを改善させる効果がある。
 日本政府は30日、住宅ローン減税の延長、金融市場安定化対策など追加経済対策を発表した。米国も追加の経済対策を打ち出す方向にあり、世界各国は財政出動とともに協調利下げを実施することで世界に広がった金融システム不安の沈静化、景気後退による実体経済の悪化を阻止するために本格的に動き出している。
 協調利下げから株安、円高に歯止めがかかり、輸出関連企業や金融機関が株価で反発局面となれば、連動性の強いクレジット市場の信用不安も和らぎタイト化する可能性が高い。一般債市場も流動性が回復して、スプレッドの低下も期待できる。

●2年債利回り0.4%台視野
<クレディ・スイス証券 債券ストラテジスト 福永顕人氏>
 日銀の利下げ幅が0.2ベーシスポイントにとどまったことや、反対票が4票だったことでマーケットには、やや戸惑いがあるようだ。オーバーナイト金利が0.3%となり、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りや5年債利回りのレンジ観が浸透していない面もありそうだ。目先は、2年債利回りが0.4%台に突入。5年債利回りに関しても最低0.7%台での推移する見通し。
 中短期債利回り低下に伴い、利回り曲線はスティープニングする形状となっている。しかし、長期金利についてもどんどん上昇する方向ではない。今の水準であれば、長期ゾーンでも十分に需要がありそうだ。

●0.2%の下げにとどめ独自性見せた
<バークレイズ銀行 ディレクター 箙将行氏>
 日銀誘導目標の引き下げを25ベーシスポイント(bp)ではなく20bpにとどめたのは、ある種の意思表示のように受け止めた。すでに金利の絶対値が低く下げ余地が少ないということなのだろう。わずか5bpの差だが、そこに日銀の独自性が出ているように感じた。付利については半ば予想はされていたが、通常の準備預金に付利すると預金は集まりすぎてしまうおそれがあったので、超過準備への付利で配慮した。
 国際協調や政府との協力姿勢を見せる一方で、今回のクラッシュの一因には円キャリートレードの問題もあったので簡単には利下げはできないという部分が見え隠れしており、非常に難しい判断だったのではないか。

●政策協調の一環、株価は織り込み済み
<りそな信託銀行チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏>
 政策金利引き下げをはじめとする一連の日銀決定は、世界的な政策協調の一環。日銀は前回の利下げには加わらなかったが、今回は協調スタンスをみせたことは評価できる。引き下げ幅が0.25%でなく0.2%になったことからは日銀の利下げへの抵抗もみてとれるが、市場が大きく失望することはないだろう。むしろ金融機関の融資態度が厳しくなっていることのほうが問題で、日銀から銀行への資金の流れは太くなっても、金融機関から事業会社に資金が回りにくくなっている。
 また、日本は財政出動を決めているため、金融政策で手を打たないと円高になって財政効果が減殺される可能性があるという意味でも、利下げは必要だった。
 ただ、今の円高の背景にあるのは、世界的にリスク意識が高くなっている中で円が一番の安全通貨になっていることだ。このため、利下げによる円高是正には限度がある。
 市場にとっては、今回の利下げは織り込み済み。いったんは株価が戻ってはいるが、景気がさらに悪化すれば株価は再び大きく下落する可能性も否定できず、日経平均7000円割れで大底を打ったとはいえない。

●円高圧力の抑制効果小さい、市場安定が引き続きテーマ
<ロイヤルバンク・オブ・スコットランド ヘッドオブFXストラテジー 山本雅文氏>
 利下げ幅が0.2%と予想より小さかったこと、4対4と票が割れたことなどから、日銀は利下げに消極的で、円高圧力を抑える効果は小さいとの見方が、発表直後に進んだ円高につながった。その後すぐに大きく円が売り戻されたが、株価が大きく下がっているわけでもなく、為替はイニシャルリアクションが正しいものだったと思っている。
 円の反落は何らかのフローが入っただけだろう。市場のテーマは引き続き、株価や金融市場の不安定性だ。株価の反発基調がこのまま続くか、年末に向けて金融セクター問題が再燃しないかがポイントとなる。

●4人反対に重み、次の利下げ考えづらい
<東短リサーチ チーフエコノミスト 加藤出氏>
 票が4対4に割れたのは意外だった。それゆえに誘導目標を0.3%という微妙な刻みにしたのだろうが、これだけ反対票があるので、当面はさらに金利を下げるということはないだろう。おそらく日銀は今週初めまでは利下げはしないというコンセンサスだったと思うが、水曜日以降、急にマーケットの地合いが変わってしまっており、その説明責任をどうするのかという部分に対する反対票だったのではないか。
 日銀の利下げを受けても短期市場には大きな混乱はないが、4人が反対したうえでの決定という事実は重い。次の利下げは予想しづらいということがマーケットに浸透していくだろう。

●再利下げ余地残す、リスク許容度回復なら円債追い風
<日興シティグループ証券・チーフストラテジスト 佐野一彦氏> 
 日銀利下げの採決は4対4と賛成票・反対票が同数。最終的に白川総裁の議長判断で決定したことを踏まえると、急きょ利下げが決まった印象を否めない。総裁の決断は評価したい。事前に利下げ検討報道がなかった場合、利下げ提案が出されなかったのではないか。
 仮に利下げに踏み切らなかった場合、円高/株安が予想された。報道で事実上、日銀の退路が絶たれた。
 今回超過準備に利息を付ける仕組みを導入した。その利息は0.1%。政策金利との差が縮小すると、仕組みがうまく機能せず、流動性が枯渇する可能性がある。そのため、政策金利引き下げ幅を0.2%にして市場予想(0.25%)に比べて小さくしたのではないか。
 また、今後の利下げ余地を残したともいえる。国内指標は夏場から急速に悪化しており、ボーナス支給額減少などを通じて国民レベルで景気後退の実感が強まれば、再利下げの思惑も浮上しやすい。
 市場では、日銀の利下げでひとまず金融政策をテーマがいったん終わった。円債市場は株や為替が落ち着けば一息つける。投資家にとって株価が落ち着けばリスク許容度が回復する。景気が後退していることは間違いないため、リスク許容度が回復すれば、円債に追い風。10年債利回りのレンジは年内1.35─1.70%を想定している。





 31日の日経平均は、3日間で1866円86銭(28日に459円2銭、29日に589円98銭、30日に817円86銭)も急上昇したこともあり、午後10時前には一時8672円30銭と350円を超える下落幅を記録し、午前は前日比245円64銭安い8784円12銭で終了。
 午後に入ると、一時9000円を突破(高値は9012円31銭)するなど、前日の終値をやや下回る水準まで回復していたものの、3連休を前に一旦利益を確定して置こうとする動きや、日銀の利下げ幅が0.25%ではなく0.20%だったことに対してやや失望感が漂ったこともあり、寄り付きにかけて急落し、終値ベースでは前日比452円78銭安い8576円98銭と、下落率も5%超(5.014%)となってしまいました。

 それにしても、日銀の利下げについて、外堀ばかりか内堀まで市場に埋められる形になったというのに、須田・水野・中村・亀崎の4審議委員が反対(うち3人は0.25ポイントの利下げ幅そのものに反対、1人(水野さん?)は利下げそのものに反対)し、採決が4対4の真っ二つに割れたため、白川方明総裁が議長裁決する判断になったのも意外でしたし、あえて0.20ポイントの利下げとしたのも意外でしたね。
 副総裁の2人(山口・西村の両氏)は2人とも賛成に回ったのですが、昨年12月に利上げ提案をした水野委員が反対に回るのは想定の範囲内だったとしても、他の3名までもが利下げ幅に拘って反対に回るとはいささか予想外でしたし、白河氏も元々は利下げ慎重派と言われているだけに、『あえて引下げ幅を0.20ポイントに留めることで、世界各国に対する義理を果たす』と共に、『もう一度利下げのカードを切ることができる水準に、引下げ幅を留めた(ただ年内に再びこの利下げカードを切る可能性はほぼないと思われます)』という見方もできなくもありませんが、票が分かれたことで、あえて利下げ幅を縮小するという苦渋の決断を行なった可能性もあるのでは…とも思います。
 もっとも、為替市場は利下げ幅が予想よりも少なかったことで、再び円高が進み、17時現在で前日比1円59銭円高の97円15-18銭、対ユーロで7円05銭円安の123円40-46銭で推移。
 対ドルもさながら対ユーロで再び急激に円高の進み方が大きくなっていることはやはり気になりますし、今夜の欧州市場とNY市場がこの利下げをどう判断するのかが要注目ですね。

9月の消費者物価上昇率は2.3%、失業率は4.0%に…

2008-10-31 10:07:16 | Weblog
9月の全国消費者物価、2.3%上昇 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081031NTE2ICP01828102008.html
 総務省が31日発表した9月の全国の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、生鮮食品を除く総合が102.6と、前年同月比2.3%上昇となった。上昇は12カ月連続。項目別で価格の上昇幅が大きかったのは光熱・水道(9.2%上昇)だった。生鮮食品を含む総合では102.7と、2.1%上昇した。
 生鮮食品を除く総合は、日経QUICKニュース社がまとめた市場予測平均値(2.3%上昇)と同じだった。
 同時に発表した10月の東京都区部の消費者物価指数(中旬の速報値、2005年=100)は生鮮食品を除く総合で101.8と、前年同月比1.5%上昇した。

日清製粉、国産パスタ値上げ見送り 2008年10月30日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081030AT1D3006D30102008.html
 日清製粉グループ本社は30日、年内の国産パスタ値上げを見送ることを明らかにした。原料となるデュラム小麦の相場高騰が一服したほか、消費の低迷でパスタの販売数量が落ち込んでおり、値上げは困難と判断した。日本製粉や昭和産業など他の大手も追随するもようだ。
 デュラム小麦の価格は年初ごろまで1年前の倍近くに達した。このため同社の食品子会社、日清フーズ(東京・千代田)は昨年11月と今年3月に国産パスタの値上げを実施したが、販売減を懸念して全量転嫁は見送っていた。

9月の完全失業率4.0%に 前月比0.2ポイント改善 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081031NTE2ISG01929102008.html
 総務省が31日発表した9月の完全失業率(季節調整値)は4.0%となり、前月に比べ0.2ポイント低下した。完全失業者数は前年同月比2万人増の271万人となり、6カ月連続で増加した。また就業者数は6393万人となり、前年同月より29万人の減少、8カ月連続の減少となった。
 完全失業率を男女別にみると、男性が前月比0.2ポイント低下の4.1%、女性が横ばいの3.9%だった。また完全失業者のうち、勤務先の人員整理や倒産などで失業した「勤め先都合」は62万人、「自己都合」は108万人だった。



 今日31日の日経平均は、日銀の金融政策決定会合が開かれ、『利下げが行なわれるかどうか』に注目が集まっていますが、判断材料の1つになりそうな全国消費者物価指数は2.3%と 市場予想通りとはいえ、日本にしては高い上昇率となったようです。
 その背景には小麦価格の上昇による食パンやパスタ価格の上昇やガソリン・灯油価格の急騰が大きく影響したようですが、ガソリン価格の上昇はかなり落ち着きを見せてきましたし、PBのカップ麺や食パンは再度の値上げを行なっているところもあるようですが、消費者の値上げによる販売減を懸念した日清製粉グループ本社が、年内の国産パスタ値上げを見送ることを決め、日本製粉や昭和産業など他の大手も追随する見込みとなるなど、末端消費者の日常生活レベルでの生活防衛意識が高まってこともあり、物価上昇は数値程高くはないという印象を受けますし、本日発表された完全失業率も0.2ポイントの改善とはなったものの、完全失業者数は6ヶ月連続の増加。
 果たして日銀は金融政策についてどのような判断を下すことになるのでしょうか…。
*日経CNBCでは、本日の17:15~18:00に『速報!!日銀総裁会見515 展望リポートは大幅下方修正へ』と特別番組を放送する予定です。
http://www.nikkei-cnbc.co.jp/program/special/nitigin.asp

 ちなみに今日の日経平均は午前10時前に、一時8672円30銭と350円を超える下落幅を記録。28日に459円2銭、29日に589円98銭、30日に817円86銭円と3日間で1866円86銭も上昇していますし、3連休を前に一旦利益を確定して置こうとする動きも見られるようですね。

NYダウは189ドル高の9180ドル、NY原油は65.96ドルで終了

2008-10-31 09:54:59 | Weblog
米国株反発、ダウ終値189ドル高の9180ドル 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081031AT3L3100231102008.html
 30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前日比189ドル73セント高の9180ドル69セントで終えた。アジア・欧州株式相場が上昇した流れを引き継いだほか、世界的な金融緩和観測に伴う相場の下支え期待も買いにつながった。米国では7―9月期の実質国内総生産(GDP)速報値がマイナス成長となったものの市場予想ほど悪化しなかったことも安心感につながった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸。前日比41.31ポイント高の1698.52で終えた。

7―9月の米実質GDP、マイナス0.3% 3四半期ぶり減少 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081030AT2M3003X30102008.html
 米商務省が30日発表した7―9月の実質国内総生産(GDP)の速報値は季節調整済みの年率換算で前期比0.3%減った。四半期のマイナス成長は2007年10―12月(マイナス0.2%)以来。金融危機の影響が本格化する10―12月期もマイナス成長になれば、景気後退(リセッション)が確定する。
 成長率の低下幅は01年7―9月期(マイナス1.4%)に次ぐ大きさとなる。ただ低下幅は市場予測(マイナス0.5%)より小さかった。世界では日本とドイツが4―6月、英国が7―9月にマイナス成長で、日米欧の主要国がほぼ同時期にマイナス成長に突入した。
 7―9月はGDPの7割を占める個人消費が17年ぶりにマイナスに転じたほか、設備投資、住宅投資など内需が総崩れとなった。

米アメックスが7000人削減 全社員の10% 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081031AT2N3001F30102008.html
 米クレジットカード大手アメリカン・エキスプレスは30日、7000人の人員削減を柱とするコスト削減策を発表した。削減数は全従業員の10%に当たる。同社は米景気減速に伴う個人消費の減速やローンの焦げ付き増加で業績が悪化している。

ロンドン株30日 49.11ポイント高で終了 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20081030c9ASB7IIAA6301008.html
 30日のロンドン株式相場は3営業日続伸。FTSE百種総合株価指数は前日終値に比べ49.11ポイント高の4291.65で引けた。上昇銘柄は78。
 米利下げ実施のほか、英中銀も利下げを行うとの期待から投資心理が改善した。銀行株と保険株がともに全面高となった。ただ、7―9月期の米経済がマイナス成長となったことを受けて景気後退懸念が強まり、FTSE百種は一時下落に転じる場面もあった。
 銀行のロイズTSBは10.2%高、保険のオールド・ミューチュアルは18.1%高で終了した。金属価格の上昇を背景に、鉱業のBHPビリトンやリオ・ティントも上げた。
 薬品のアストラゼネカは、第三四半期の増益決算発表を好感し、5.2%高で引けた。
 一方、石油のロイヤル・ダッチ・シェルは下落。第三四半期の原油・天然ガス生産量が減少したとの発表を嫌気した。
 総合保険のRSAインシュアランス・グループは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)による投資判断引き下げを手掛かりに売られた。

ドイツ株30日 DAXは60ポイント高の4869 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20081030c9AS2R30013301008.html
 30日のフランクフルト株式相場は反発。ドイツ株式指数(DAX)の終値は、前日比60.61ポイント高(1.26%上昇)の4869.30だった。
 この日DAXは日本やアジア株の上昇を受けて、高く寄り付いた。一時は5000ポイントを上回る場面も見られた。引けにかけて上げ幅を縮めたが、前日の終値を上回った。
 コメルツ銀行が22.7%、ドイツ銀行は17.7%といずれも大幅上昇。ドイツ銀が同日発表した7―9月期決算で、純利益は大幅に減少したが、黒字は確保したことが好感されて買われた。流通のメトロも同日発表の7―9月期決算が好調だったことから15.5%上昇。ドイツ取引所、ダイムラーも高かった。
 一方、肥料大手のK+Sは7.7%と大幅下落。化学のバイエル、ドイツテレコムもさえなかった。

NY原油反落、終値65.96ドル 2008年10月31日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081031ATQ2INYPC31102008.html
 30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は反落。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の12月物は前日比1.54ドル安の1バレル65.96ドルで取引を終えた。時間外取引で70ドル台まで上昇したものの、ニューヨーク市場では売りが優勢だった。
 海外株式相場の上昇などにつれ、30日未明には一時70.60ドルまで上げる場面があった。外国為替市場で対ユーロなどでドル売りが優勢となり、ドル建てで取引される原油相場の割安感につながったことも買いを誘った。
 日中は、米株式相場が伸び悩む場面でリスク資産圧縮目的の売りが出た。ドルが買い戻されたことも原油の重しとなった。朝方発表された7―9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)がマイナス成長となったため、米国における需要減の観測が強まったとの見方もあった。





30日のNYダウは、7―9月の実質GDPが、四半期ぶりにマイナス成長となったものの、その下げ幅が0.3%(個人消費がマイナス3.1%、設備投資がマイナス1%)と市場予想程悪くなかったことを好感し、開始直後に前日の終値を275ドル程上回る場面もあったものの、その後は急上昇したことに伴う戻り売りもあり、正午前に8976ドル87セントと前日の終値を14ドル程下回ったのですが、その後は再び回復に転じ9250ドル近くまで上昇し、終値ベースでも前日比189ドル73セント高い9180ドル69セントで終了(上昇率2.11%)しました。
 アメックスで全社員の1割を削減するという悪材料もあったものの、GDPが市場ほど悪くなかったことがやはり大きかったようで、ナスダック総合も前日比41.31ポイント高い1698.52ポイントで終了(上昇率2.49%)。S&P500種も前日比24ポイント高い954.09ポイントで終了(上昇率2.58%)となっています。

 また、欧州3市場は午前中まではアジア株の堅調ぶりや政策金利の引下げ期待もあり堅調だったのですが、午後に入り急調整したこともあり、小幅高で終了。英FTSE100は前日比49.11ポイント高い4291.65ポイントで終了(上昇率1.16%)。独DAXは前日比60.61ポイント高い4869.30ポイントで終了(上昇率1.26%)で終了。仏CAC40は前日比5.25ポイント高い3407ドル82セント(上昇率0.15%)で終了しています。まあ欧州3市場については、これまでの回復が急ピッチだった反動もあったのではないでしょうか…。欧州市場全体を見ても、スイスとオランダで1%以内の小幅下落となっている以外は軒並み上昇し相場環境は悪くない雰囲気です。

 一方、NY原油は時間外取引で一時70.60ドルまで上げる場面もあったものの、結局前日比1.54ドル安い1バレル65.96ドルで終了。こちらも前日4.77ドルも急騰していましたし、その反動もあったのではないかと思います。

新型インフルエンザ、ワクチン接種は無料で

2008-10-30 20:37:03 | Weblog
新型インフルエンザ、ワクチン接種は無料で 2008年10月23日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081023-OYT1T00423.htm
 厚生労働省は23日、新型インフルエンザが発生した場合、国民へのワクチン接種を無料で実施する計画を明らかにした。
 全国知事会との定期協議の中で素案として示したもので、国と都道府県、市町村が3分の1ずつ費用を負担する。全国民が対象となるが、接種には優先順位があり、医師や警察官らが優先される。
 また、発生前に医療関係者らに接種する費用は、国と都道府県が半額ずつ負担する。
 抗インフルエンザ薬の備蓄量も、全国民の23%分から45%分に増やすという。


 23日の私のブログで、『新型インフルエンザが発生し、できるだけ外出を控えるよう国が勧告を出しても、国民の半数以上が「外出する」と考えている』(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/ae2adbd36a359b01e778980f5a2f4833)という記事をお送りしましたが、厚生労働省は新型インフルエンザが発生した場合、国民へのワクチン接種を無料で実施する計画を明らかにしたようです。また、国民へのワクチン接種に先立って医療関係者に接種させる費用についても、国と都道府県が半額ずつ負担することを決めたようですね。
 先のスレッドでも似たようなことを書きましたが、患者が病院に殺到すれば、それこそパニックにもなりかねませんし、流行前に老人と子供への接種をまずは最優先し、ついで体力のある大人についても、低費用負担で接種できるようにしなければ、冗談抜きに大変なことになると危惧していたのですが、不祥事が続出していて国民の信頼を失いかけている厚生労働省にしては、珍しく適格な判断を下したのではないかと思います。

初心者向け 「10円」激安パソコン   2008年10月22日 J-CAST

2008-10-30 20:32:35 | Weblog
初心者向け 「10円」激安パソコン   2008年10月22日 J-CAST
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/comp/n_pc__20081021_7/story/20081021jcast2008228981/
 初心者ユーザー向けの中古パソコンを販売しているアイビーネットは中古の「10円パソコン」を2008年10月21日から販売する。
  同社は2006年9月にも「10円パソコン」を発売し、大きな反響を呼んだ。第2弾となる今回は、より初心者に優しいパソコンを目指したという。
 「10円パソコン」の最大の特徴はイー・モバイルの「D02HW」端末を採用したこと。
 購入者は2年間の継続利用を条件とした「にねん」プランに加入する必要があるが、面倒な設定なしに買ったその場でインターネットを楽しめるようになる。
 パソコンのモデルは「Windows XP Professional」が搭載された「DYNABOOK Satellite 1800 SAC/4」。
 アプリケーションソフトにWord・Excel・Powerpoint と互換性のある「KINGSOFT Office 2007 Standard」を採用しており、セキュティソフトや初心者向けの便利ソフトはインストール済みだという。
購入から6か月の間は、無料電話サポートを実施しており、サポート体制も充実している。
販売は同社が運営するネットショップ「ぱそすた・パソコン倶楽部」や秋葉原の「セルスタR・1号店」などで行われる。



 そういえば、デルのミニノート(Dell Inspiron Mini 9)もイー・モバイルの「にねんMAXプラン」に同時加入することを条件に、54979円のミニノートを9980円という破格?の価格で発売しています(http://www1.jp.dell.com/content/products/productdetails.aspx/laptop-inspiron-9?c=jp&cs=jpdhs1&l=ja&s=dhs)が、最近は『通信携帯の2年間の継続利用を条件にパソコン本体は大幅に値引き』する売り方が流行っているのでしょうか…。
 ミニノートパソコンの世界では日本HPがミニノートであるHP 2133 Mini-Note2機種をそれぞれ1.5万円引き下げましたし、デルもミニノートパソコンの上位機種の発売を発表(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/62ba5ed48e9ca8021a7c8c9925388258)するなど、急激に価格&性能競争が進んでいます(ただバッテリー稼動時間だけはイマイチですが…)し、目に映りやすい価格もさながら、何年間使うつもりなのか、ネット加入とのコミコミプランは自分自身にとって本当に美味しい話なのか、万が一のサポート体制はどうなのかなどを総合的に考えながら、自分にとっての最適なプランを選んでいただければ…と思います。

アイビーネットのニュースリリースはこちら
http://www.ib-net.co.jp/10yen.html

エキスポランド、民事再生法を申請 支援企業見つからず

2008-10-30 20:27:12 | Weblog
エキスポランド、民事再生法を申請 支援企業見つからず 2008年10月29日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT5C2900W29102008.html
 2007年5月に乗客20人が死傷するジェットコースターの脱線事故が起き、休園している大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」は29日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けたと発表した。申請は28日付で、負債総額は約16億円。支援先が見つからず、自力での再建が困難と判断した。同社は今後、ファミリー向けの遊園地として再開を図る。
 同園を運営するエキスポランド社の清水忠一社長らが同社で29日、会見を開き「債権者や関係者に多大なご迷惑をかけ、申し訳ない」と謝罪。「事故後のイメージダウンが大きく、来園者の信頼回復に至らなかった」と説明した。
 同園は事故後、昨年8月に営業を再開したが、客足が激減。同年12月に再び休園し、支援先の企業を探していたが、交渉がまとまらず、金融機関の融資も望めなくなったことから、申請に踏み切ったという。


 エキスポランドと言えば、1970年に大阪で行なわれた日本万国博覧会のアミューズメントゾーンとして作られ、近くには、あの有名な
太陽の塔がある遊戯施設ですが、ジェットコースターの「風神雷神II」の脱輪事故で死者1名、重軽傷者数十人を出す事故を起こして目玉のアトラクションが長期休業に追い込まれ経営が圧迫し、昨年12月から営業を休止。支援を求めた7社全てから断られるなど、結局支援企業が見つからなかったようですね。
 まあ、立地的には伊丹空港からはモノレールで1本で行けるなど、それほど悪くはないと思いますが、この会社の場合、経営陣もかなり丼勘定で被害者の遺族への対応もかなりいい加減だった聞いていますし、地方のテーマパーク成功例としてもてはやされたあの倉敷チボリでさえ今年一杯での閉園が決まるなど、東京ディズニーランドを除けば、遊戯施設業界全体が軒並み経営不振に陥る中、支援先探しが難航してしまったのも、今の景気情勢では致し方なかったかな…という気もしなくもありません。
 まあ、万博記念公園には、他にも日本庭園や自然文化園など植物館ゾーンもありますし、地元で小さな子供のいる親にとっては、安上がりで子供達を遊ばせることができる貴重な場所。思惑通りファミリー遊園地として再開できるのかどうかもかなり微妙だとは思いますが、間違ってもマンション建設などして資金回収などというヤボな選択肢だけは勘弁してもらいたいものだと思いますね。

伊藤ハム:東京工場の稼働一時停止 異臭ウインナーからはトルエンが検出

2008-10-30 20:22:09 | Weblog
伊藤ハム:東京工場の稼働一時停止 水質安全確認まで 2008年10月29日
毎日 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081029k0000m040076000c.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081028AT1D2808Q28102008.html
 伊藤ハムの東京工場(千葉県柏市)の地下水から基準値を超えるシアン化合物が検出された問題で、同社は28日、同工場の稼働を29日から一時停止すると発表した。期間は水質の安全性を確認するまでという。
 同工場はウインナーやハムなど年間500品目、約5万トンの商品を生産し、全生産量の約25%を占める主力工場。今回、基準値以上のシアン化合物が検出されたのは3カ所の井戸のうち2カ所からだったが、事態を重く見て工場全体の停止を決めた。生産は他工場に移管し、通常と同じ生産量を確保するとしている。約620人の従業員の雇用も続ける。
 また同社は、藤巻正生・東大名誉教授を委員長とする調査対策委員会を11月5日をめどに設置する。食品の安全管理などの有識者6人程度で構成し、原因究明のほか、公表の遅れが批判を浴びていることから、社内の管理体制や危機管理体制について対策を考える。

「ウインナー異臭」と苦情 伊藤ハム製、生協が回収 2008年10月28日
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081027/crm0810272300041-n1.htm
 伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)の地下水からシアン化合物が検出された問題で、生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(横浜市)が製造委託したウインナーソーセージの購入者8人から「異臭がする」と苦情が相次ぎ、事業連合が商品を回収していたことが27日、分かった。事業連合によると、苦情があったのはいずれも賞味期限が11月4日の「CO・OPあらびきポークウインナー」。重い健康被害を訴えた人はいない。問題の地下水は使われておらず、伊藤ハムが原因を調査している。
 一方、千葉県柏市保健所は27日、伊藤ハム東京工場の地下水の浄水から、基準値の約2倍に当たる1リットル当たり1・1ミリグラムの塩素酸を検出したと発表した。大量摂取すると赤血球に障害を起こす恐れがある。この浄水は製品の製造に使われていない。

異臭ウィンナーからトルエン 伊藤ハム  2008年10月29日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081029/crm0810291337018-n1.htm
 伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)で製造したウインナーソーセージから異臭がするとの苦情を受け、自主回収している問題で、同社は29日、回収した商品から有害物質のトルエンの成分29・64ppmを検出したと発表した。
 これまでに健康被害は出ていないという。
 ウインナーや袋の製造工程でトルエンは使わないため、混入の経緯は調査中という。
 検出されたのは生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(横浜市)から製造委託された「CO・OPあらびきポークウインナー」。
 いずれも21日に製造され、賞味期限が11月4日の商品という。
 工場にあった在庫6検体のうち4検体から8・08~29・64ppmのトルエン成分が検出された。前後の日に製造された商品からは検出されなかった。回収対象の1万422袋のうち、1万32袋がすでに回収済みという。
 同商品は、24日にユーコープから「異臭がする」と苦情があり、同日から自主回収を始めていた。同社をめぐっては、同工場の地下水からシアン化合物が検出されているが、今回のトルエン検出とは関連性はないという。

伊藤ハム:5人が健康被害訴える トルエン検出コープ商品 2008年10月30日 
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081030k0000e040051000c.html
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/1030/TKY200810300340.html
 伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)で製造されたウインナーからトルエンが検出された問題で、この商品を食べた5人が腹痛や下痢などの健康被害を訴えていたことが30日、分かった。製造を委託した生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(横浜市港北区)が発表した。伊藤ハム製品を巡る一連の化学物質混入問題で初の健康被害となる。
 発表によると、商品は「CO・OPあらびきポークウインナー」(賞味期限11月4日)で、同連合が24日から1万410袋を回収。購入者への電話連絡の際、これまでに神奈川県の2人(川崎市、鎌倉市)と静岡県の3人(静岡市2人、浜松市1人)が「腹痛や下痢になった」「食後に気分が悪くなった」「舌がしびれた」などと訴えたという。
 同連合が順次、被害を横浜市港北福祉保健センターと伊藤ハムに届けた。伊藤ハムが食べ残しを回収をして原因を調べている。

PB、問われる安全性 伊藤ハム、回収1日遅れ 2008年10月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081028AT1D270A727102008.html
 伊藤ハムがソーセージ生産などにシアン化物を含む井戸水を使っていた問題で、自社ブランドの公表・回収は25日だったが、生協向けなどのプライベートブランド(PB=自主規格)品の公表は26日と1日遅れた。PB品の安全性に関する課題が浮かび上がった格好だ。
 背景にはPBに関するメーカーと小売り間の契約問題がある。一部を除き、小売り側はあくまで自主企画品であるため、委託先を商品表示せず、公表もしていない。このためメーカーは契約上、どの小売りから生産受託したか開示できない仕組みになっている。





 伊藤ハムの東京工場(千葉県柏市)の地下水から基準値を超えるシアン化合物が検出されて自主回収騒ぎになっていますが、同社は29日から水質の安全が確認できるまで東京工場を一時停止することを決めたようです。
 もっとも、伊藤ハムについては、同じ東京工場で作りPB製品として生協に卸していたウインナー(回収対象は、コープあらびきポークウィンナー ・コープ細挽きポークウィンナー ・コープ熟成あらびきウィンナー )からも異臭がすると苦情が来ていて自主回収騒ぎになり、こちらは問題の地下水を使っておらず、麻酔作用があり毒性も強いトルエンが検出されただけに、東京工場の再開は思いのほか長引きそう…。
 大手スーパーも今のところは伊藤ハムの他の工場で生産した製品を販売し続けているようですが、原因が地下水だけでないとすれば、他の工場にも共通の問題がある可能性も否定できず、それだけに気味の悪いところですし、生協に提供している商品などPBブランドの回収が1日遅れになったことも合わせ、企業体質への不信感から長期的に消費者のブランド離れが起こるリスクも十分ありうるのではないかという懸念をどうしても感じずにはいられません。

米、ビッグ3に公的支援 報道官示唆

2008-10-30 20:15:41 | Weblog
米、ビッグ3に公的支援 報道官示唆 2008年10月29日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081028AT2M2800K28102008.html
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20081029k0000m020129000c.html
 米政府は経営が悪化するビッグスリー(米自動車大手3社)への金融支援を拡大する検討に入った。公的資金を活用する金融安定化法に基づいてローン債権買い取りなどを実施したり、既に決まっている政府融資を前倒しで実行したりする案が浮上している。実体経済の底割れを防ぐ狙い。自動車業界への事実上の経営支援になる可能性があり、実施までに曲折がありそうだ。
 ホワイトハウスのペリーノ報道官は27日の記者会見で「自動車各社は傘下に金融子会社を持っており、金融安定化法に基づく支援策活用が可能」との見方を示した。同時に、安定化法に基づく支援を巡り「財務省が各社と協議している」と明らかにした。支援の具体策は流動的な部分が多い。
 安定化法に盛り込まれた7000億ドル(約65兆1000億円)の公的資金は、金融機関への資本注入や不良資産買い取りに使うとみられてきた。だが金融危機が事業会社に与える打撃が予想外に深刻で、同法の「金融機関」に自動車メーカーの金融子会社も含める方針を明確に示した。

米ムーディーズ、GMとクライスラーの格付け引き下げ  2008年10月28日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081028AT2M2801028102008.html
 米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは27日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と米クライスラーの格付けをそれぞれ、投機的等級内で「Caa1」から「Caa2」に引き下げた。米自動車市場の低迷が一段と深刻になり、資金繰り悪化の懸念が膨らんでいるため、見直した。
 GMについては、米政府による250億ドル(約2兆3000億円)の自動車産業向け低利融資が実行されたとしても、「2009年にかけて手元流動性がむしばまれ続けるだろう」と指摘。GMとクライスラーは合併協議を続けているが、金融市場からも抜本策を求められている。

日産ゴーン社長、金融危機対策「中銀の企業融資必要」  2008年10月28日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081028AT1D2800A28102008.html
 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は28日、都内で開かれた第10回日経フォーラム「世界経営者会議」の対談で、金融危機を乗り切るには「中央銀行が企業に直接資金供給をするような、これまでと違う変革が必要だ」と述べた。金融危機を「異常事態」ととらえ、政府などの公的な関与の重要性を訴えた。
 経営危機に陥るビッグスリー(米自動車大手3社)への出資を伴う戦略提携については「今重要なのはキャッシュ。金融危機が続くなか資金をつぎ込むにはリスクが多く、現時点ですぐ動くことはない」と述べた。ただ、「第三者が資金を提供してくれるならば考える」とし、政府支援策が実行された場合などの提携には含みを残した。
 米ゼネラル・モーターズ(GM)と米クライスラーは合併協議を進めている。ただ、日産は車両の相互OEM(相手先ブランドによる生産)供給など業務提携しているクライスラーと資本提携するとの観測も出ていた。

日産:ゴーン社長否定的…「クライスラー出資打診」報道 2008年10月28日 日経夕刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081029k0000m020126000c.html
 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は28日、日産が米クライスラーに出資を打診したとの一部報道について、「金融危機がどこまで続くか分からず、大規模な現金のリスクを負って戦略的な動きをすることはない」と否定的な見解を示した。
 東京都内で開かれた討論会で述べたもので、日産とクライスラーのOEM(相手先ブランドによる受託生産)提携については「それ以上踏み込むことはないということでやっている」と指摘した。
 ただ、ゴーン氏は「今の環境ではどの産業でも合従連衡が起きる可能性がある」と強調。再編が進めば「競争が少なくなり価格を上げやすくなる」と述べ、自動車業界でも新たな再編が起きる可能性があるとの考えを示した。




 ビッグスリー(米自動車大手3社)への金融支援の問題ですが、政府は公的資金を活用する金融安定化法に基づきローン債権の買取を実施したり、既に決まっている政府融資を前倒しで実行したりする案が検討されているようです。
 もっとも、大手格付機関のムーディーズは、27日にGMとクライスラーの格付けを「Caa1」から「Caa2」に引下げ。そもそも「Caa」というのが、『安全性が低く、信用リスクが極めて高いと判断される債務に対する格付け。』に該当し、あと2ランクダウンすれば、「Ca(非常に投機的であり、デフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にあるが、一定の元利の回収が見込めると判断される債務に対する格付け)」に転落するまでの段階にまで追い込まれました。
 気の早い一部の誌では、今週末にもGMとクライスラーの合併が発表される(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000018-rps-ind)という報道も出ているようですが、私も政府の公的資金を投入した上でGMとクライスラーが経営統合した上で、適性規模まで不採算の工場と人員を削減する以外に両社が生き残る術はないように思います。

 一方、日産ルノー連合とクライスラーとの間で進んでいた提携交渉ですが、「金融危機がどこまで続くか分からず、大規模な現金のリスクを負って戦略的な動きをすることはない」とこれまでだんまりを決めていたゴーン社長がが否定的な見解を示したことで、この案件はひとまず保留状態に…。
 万が一、GMとクライスラーとの経営統合がお流れになることがあれば、公的資金を投入することと、地元労組に文句を言わせないことを要件に出資交渉を再開しても良いと思いますが、現時点での状況を総合的に考慮すれば、至極妥当な判断だと思いますね。

<参考 ムーディーズの格付け 投機的格付け以下>
Ba  投機的要素をもち、相当の信用リスクがあると判断される債務に対する格付け。
B  投機的であり、信用リスクが高いと判断される債務に対する格付け。
Caa  安全性が低く、信用リスクが極めて高いと判断される債務に対する格付け。
Ca  非常に投機的であり、デフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にあるが、一定の元利の回収が見込めると判断される債務に対する格付け。
C  最も格付けが低く、通常、デフォルトに陥っており、元利の回収の見込みも極めて薄い債務に対する格付け。

日経平均大幅続伸、9000円台回復 終値817円高の9029円

2008-10-30 15:43:05 | Weblog
日経平均大幅続伸、9000円台回復 終値817円高の9029円 2008年10月30日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081030NTE2INK0930102008.html
 30日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続伸。終値は前日比817円86銭高の9029円76銭で、21日以来、7営業日ぶりに9000円台で終えた。上昇率は9.96%と過去4番目となる。前日の米利下げを受けた各国の協調利下げ姿勢が買い安心感につながる中、後場はアジア株高や仕掛け的な先物買い、公的年金の買い観測などを手掛かりに一段高となった。業績予想の下方修正の発表が相次いだにもかかわらず主力株は全面高となり、値幅制限の上限(ストップ高)まで上昇する銘柄が相次いだ。東証1部の売買代金は概算で2兆2834億円(速報ベース)だった。

アジア株が急伸 韓国株一時12%超上昇 2008年10月30日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081030AT2M3002B30102008.html
 30日のアジア株式市場で、主要株価指数は寄り付きから急伸。韓国総合指数は一時前日比12.1%高。香港ハンセン指数は7%前後上昇、台湾加権指数は5%超値を上げた。シンガポールST指数、中国の上海総合指数も高い。米金融当局の追加利下げなどを好感、世界経済悪化への懸念がひとまず後退した。



 30日の日経平均は、米国の0.5ポイントの利下げを素直に好感して、開始直後に8500円近くまで上昇し、直後に150円程調整するも、再び8601円69銭まで一気に上昇し、午前は前日比318円87銭高い8530円77銭で終了。
 午後に入ると、香港や(27日に0.75ポイントの利下げをした)韓国で上げ幅が10%を超えるなど、アジア株式市場が大幅上昇していることを好感したのか上げ幅を強め、終値はほぼ高値圏での終了となる前日比817円86銭高い9029円76銭と、上昇率にして10%近い上昇(上昇率9.959%)で9000円台を回復して終了しました。
 前回の協調利下げのように同日には行なわないものの、日銀や欧州中央銀行も利下げを検討していることから、個別企業の業績発表待ちという状況ながらも、相場全体としては堅調に推移しているのではないかと思いますし、対ドルもさながら、対ユーロで大幅に円安に戻したこともあり、欧州の売り上げが多いマツダなどは上昇率が24.24%と大幅に上昇。
 銀行は84銘柄中81銘柄で上昇(みずほFGは15.66%、三井住友FGは13.53%、三菱UFJは6.23%の上昇)、証券は極東証券を除く15銘柄で上昇、保険は9銘柄全てで上昇するなど金融株も堅調だったようです。

 それにしても、ここまで日銀の利下げ期待をお目当てに株価が上げてしまうと、日銀から見れば外堀ばかりか内堀まで埋められてしまう形になってしまいましたねぇ…(苦笑
 日銀の利下げについては、『今の段階で利下げを行なうと、更に円高が進んだ時に打てる対策がなくなってしまう』『政策金利を下げても実体経済に与える影響は少ない』『日本が金利を下げれば、アイスランドやハンガリーのように通過防衛に走っている国を更に窮地に追いやってしまう』といった反論もあるようですが、『今の段階で利下げを行なうと、更に円高が進んだ時に打てる対策がなくなってしまう』については、米FFレートも1%・公定歩合も1.25%まで下がった状況で、市場は既に日銀の0.25ポイントの利下げを織り込んでいるのに、利下げを見送れば再び円高に転じかねないでしょうし、『政策金利を下げても実体経済に与える影響は少ない』については、日銀が利下げに追従せずに、もし再び世界的な株安状態になったら日本悪玉論が出かねないこと。『日本が金利を下げれば、アイスランドやハンガリーのように通過防衛に走っている国を更に窮地に追いやってしまう』についても、輸出企業主導の日本社会では、急激な円高は国力そのものを奪い、(言い方は不適切かもしれませんが)他所の国にまで配慮する余裕は既になくなっているかと思います。 
 日銀は不気味なほど沈黙を守っていますが、果たして利下げを打ち出してくるのでしょうか…。株式市場は下げて当たり前、利下げしなければ急激な株安と円高が直撃することが予想されるだけに、日銀の判断が注目されそうです。

 参考までに、15時時点での為替レートは、対ドル円で前日比1円35銭円安の98円20-26銭、対ユーロ円は前日比7円12銭円安の130円03-10銭で推移しています。

米利下げは0.5ポイント NYダウは74ドル安の8990ドル NY原油は67.50ドル

2008-10-30 06:31:08 | Weblog
NY株反落 終値74ドル安の8990ドル 2008年10月30日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081030AT3L3000330102008.html
 29日の米株式市場でダウ工業株30種平均が反落。前日比74ドル16セント安の8990ドル96セント(速報値)で終えた。米連邦準備理事会(FRB)が予想通り政策金利の0.5%引き下げを決定。発表直後には売りが先行したが、下値で値ごろ感などの買いが入ると地合いが好転。ただ取引終了間際に大口の売りが出たため、ダウ平均は下げに転じて終えた。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数の終値は7.74ポイント高の1657.21ドル(同)だった。

米FOMC、FF金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げ1.00%に 2008年10月30日 日経
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34612520081029
 米連邦準備理事会(FRB)は29日、連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げ1.00%とすることを決定した。
 これによりFF金利水準は2004年6月以来の低水準となった。
 市場では利下げがほぼ確実視されていたが、利下げ幅をめぐり見方が分かれていた。FRBは、公定歩合も0.50%ポイント引き下げ1.25%とした。

米、0.5%追加利下げ 声明文「持続的成長へ必要に応じ行動」 2008年10月30日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT3K2901029102008.html
  米連邦準備理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5%引き下げ、年1.0%とすることを全会一致で決定、即日実施した。8日の緊急利下げに続き、3週間で2回の利下げに踏み切る異例の措置。日銀や欧州中央銀行(ECB)も利下げを検討しており、日米欧の中央銀行が金融危機の克服へ政策協調を強化する。
 FOMC終了後に公表した声明は個人消費の低迷を主因に「経済活動は著しく減速している」と指摘。景気判断を一段と下方修正した。
 声明は「今回の利下げを含めた各国中央銀行との協調利下げや流動性供給、金融システムの強化策などが信用改善に寄与する」との見方を示したが、「それにもかかわらず、成長の下振れリスクは残る」と強調。「持続的な経済成長と物価安定へ必要に応じて行動する」と述べ、一段の金融緩和も辞さない姿勢を示した。

米ファニーメイ、繰延税資産を実質全額取り崩しへ 2008年10月30日 日経
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34612120081029
 米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)は29日、繰延税金資産を「実質的に全額」取り崩す公算が大きいと発表した。
 ファニーメイについては、四半期ベースで赤字が続き資本調達が困難なことから繰延税資産の計上を疑問視する声が出ていた。
 同社の繰延税資産は6月末時点で206億ドルだった。あるアナリストは9月末時点ではさらに増加している公算が大きいとの見方を示した。

9月の米耐久財受注は予想外のプラス、航空機と自動車の需要増 2008年 10月 30日
ロイター  http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34610720081029
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT3K2900Z29102008.html
 米商務省が発表した9月の耐久財受注は前月比プラス0.8%と、航空機や自動車の需要増を受けて予想外に増加した。ただ、アナリストは基調的なトレンドは依然弱いとしている。
 前月は4.8%減から5.5%減に下方修正された。
 ロイターがまとめた市場予想は1.2%の減少だった。
 民間設備投資の動向を探る上で目安となる航空機を除く非国防資本財は1.4%減少した。前月は2.2%減だった。
 BNPパリバのエコノミスト、アンナ・ピレッティ氏は「信用市場の緊張と業績見通しの悪化を受けて企業が設備投資を削減していることが裏付けられた」とし、状況はさらに悪化するとの見方を示した。
 輸送機器の受注は6.3%増。自動車・部品が前月の8.8%減から3%増となった。非国防航空機・部品も前月の37.7%減から29.7%増に転じた。
 輸送機器を除いた数字は1.1%減。前月は4.1%減だった。

ロンドン株式市場、世界的な利下げ観測のなか急続伸 2008年 10月 30日
ロイター http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34611620081029
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/market/20081029c9ASB7IIAA6291008.html
 ロンドン株式市場は急続伸。指数は8.1%の上げとなった。世界の主要中央銀行が利下げするとの観測やクレジット市場の緊張緩和が株式買いを後押しした。
 FT100種総合株価指数は316.16ポイント(8.05%)高の4242.54。
 金融株では、スタンダード・チャータード銀行、ロイズTSB、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、HBOS、HSBC、バークレイズが値上がり。
 保険株では、オールド・ミューチュアル、アヴィヴァ、プルーデンシャルが軒並み急騰した。
 世界経済に対する市場心理の改善を背景に原油価格が上昇し、石油株の買いを誘った。BPは9.6%高、ロイヤル・ダッチ・シェルは11.6%高、BGグループは12.8%高。
 鉱山株では、エクストラータが25.1%高。BHPビリトン、リオ・ティント、アングロ・アメリカンも高い。

ドイツ株29日 DAXは14ポイント安の4808 2008年10月30日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20081029c9AS2R2900Y291008.html
 29日のフランクフルト株式相場は反落。ドイツ株式指数(DAX)の終値は、前日比14.76ポイント(0.31%)安の4808.69だった。前日まで急騰していたVW株が45%急落し全体の足を引っ張った。
 一方、保険のアリアンツが26.2%上昇したのをはじめ、流通のメトロ、総合電機のシーメンス、ダイムラーがそれぞれ20%以上の上げ。電力のエーオン、化学のBASF、電力のRWE、半導体のインフィニオン、ドイツテレコム、肥料大手のK+Sも買われた。
 ドイツ取引所は18.0%上昇。ドイツポストやミュンヘン再保険、コメルツ銀行、ドイツ銀行も買われた。

独不動産金融、政府に資金繰り支援を要請 150億ユーロの信用保証 2008年10月30日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT2M2903Z29102008.html
 ドイツ不動産金融のヒポ・レアルエステートは29日、ドイツ政府に資金繰り支援を要請したと発表した。金融危機対策として政府が導入した「金融市場安定化法」に基づいて150億ユーロの信用保証を求める。同社には官民合計で最大500億ユーロの緊急融資枠を11月にも設けることが決まっているが「(それまでの期間の)資金需要をまかなう必要がある」(同社)という。今後は公的資金による資本増強も検討する。

ノルウェー中銀、0.5%利下げ 2008年10月30日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT2M2903V29102008.html
 ノルウェー中央銀行は29日、政策金利を0.5%引き下げ、年4.75%にすると発表した。今月15日に続く利下げとなる。世界的な金融市場の混乱などで、同国経済の減速が鮮明になってきたことが背景。インフレも急速に落ち着くとの見通しも示した。新金利は30日から適用する。
 同中銀は下落基調にあるノルウェークローネの動向を監視することも表明した。

中国が今年3回目の利下げ、市場の資金不足解消狙う 2008年10月30日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081029-OYT1T00620.htm?
 中国人民銀行(中央銀行)は29日、今年3回目となる利下げに踏み切った。
 主要政策金利の一つで金融機関から企業などに貸し出す際の「法定貸出金利」を30日から期間1年物で0・27%引き下げ、年6・66%とする。同時に、預金金利も1年物で0・27%引き下げる。中国は今月9日にも利下げをしたばかりだ。世界的な金融危機の影響を抑制するため、1か月半の間に3回という異例の対応となった。
 中国では、サブプライム問題による金融機関の直接の損失は多くないが、市場の一部では資金不足が生じている。


NY原油、大幅反発 終値4.77ドル高の67.50ドル 2008年10月30日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081030ATQ2INYPC30102008.html
 29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は4営業日ぶりに大幅反発。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の12月物は前日比4.77ドル高の1バレル67.50ドルで終えた。利下げ期待から買いが入った。ドルが軟調だったことも相場を支えた。
 朝方から買いが優勢だった。大幅な利下げで金融危機が和らぐとの見方が買い材料となったようだ。午後に米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%引き下げることを決めたと発表。発表後は利益確定売りなどでやや伸び悩む場面があった。
 外国為替市場でドルが対ユーロなどで軟調に推移したことも支援材料。ドル建てで取引される原油先物相場の割安感が意識され、買いが膨らんだ。時間外取引で69.24ドルまで上昇した。この日の安値は63.65ドル。
 ガソリンは4営業日ぶりに反発、ヒーティングオイルは7営業日ぶりに反発した。





 29日のNYダウは、利下げの発表までは9000-9200ドル近辺を推移していましたが、利下げ後に9363ドル32セントまで上昇するも、利下げ幅が当初予測通りの0.5ポイント(一部には0.75ポイントの引下げの可能性も囁かれていました)だったことから利益確定売りが入り、一時8890ドル29セントまで下落。終値ベースでも前日比74ドル16セント安い8990ドル96セントで終了しました。(下落率0.82%)
 ナスダック総合は前日比7.74ポイント高い1657.21ポイントで終了(上昇率0.47%)、S&P500種は前日比10.42ポイント安い930.09ポイントで終了(下落率1.11%)しています。

 また、欧州3市場は、前日とは対照的に、ロンドンとフランスが大幅上昇し、ドイツDAXはやや伸び悩む展開。 
 英FTSE100は前日比316.16ポイント高い4242.54ポイントで終了(上昇率8.05%)し、100銘柄中96銘柄が上げる展開。
 仏CAC40は、前日比287.65ポイント高い3,402.57ポイントで終了(上昇率9.23%)し、デクシア以外の39銘柄が上昇
 独DAXは、前日比14.76ポイント(0.31%)安い4808.69ポイントで終了(下落率0.31%)し、フォルクスワーゲン以外の全ての銘柄が上昇したものの、これまでの急騰の反動でフォルクスワーゲン株が45.29%下げたことで足を引っ張られる形になりました。(政府に金融支援を申し出たヒポ・レアルエステートは4.10%の上昇)
 ちなみに、他の欧州市場もハンガリーの14.09%上昇を筆頭に、スペインIBEX35が9.42%、スペインMAマドリードが9.28%、オランダが9.09%、デンマーク8.55%、イタリア8.48%、ポルトガル6.59%、ベルギー6.56%、アイルランド6.32%、スイス6.18%、スウェーデン5.99%、フィンランド5.91%、ノルウェー2.73%と軒並み米国の利下げを好感して、各市場で上昇しています。

 一方、NY原油は前日に0.49ドルながら小幅下落するなど、利下げを織り込んでいなかったこともあり、29日は前日比4.77ドル高の1バレル67.50ドルで終了となり、時間外取引では69.24ドルまで上昇。昨日の分もまとめて上げたといったところでしょうか…。

アイスクリームの外箱から防虫剤成分 生協が07年末に販売

2008-10-29 21:07:42 | Weblog
アイスクリームの外箱から防虫剤成分 生協が07年末に販売 2008年10月27日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081026AT1G2600M26102008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081026-OYT1T00447.htm
朝日 http://www.asahi.com/national/update/1027/TKY200810260182.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081026/crm0810262001021-n1.htm
 日本生活協同組合連合会は26日、昨年末に東京都内で販売されたアイスクリームの外箱から防虫剤成分のパラジクロロベンゼンを検出していたと発表した。商品からは検出されず、原因は不明だったことから、回収も公表もしなかったという。
 商品は「CO・OPミニチョコバー生チョコタイプ」。昨年12月29日に練馬区の店舗で購入した客から異臭がするとの申告があり、国内の製造メーカーが検査したところ、紙製の外箱からパラジクロロベンゼンが検出された。製造工場は防虫剤を使っておらず、冷凍商品が防虫剤と一緒に陳列されることも考えにくいことから、物流段階での混入が疑われたが、原因は判明しなかったという。同一製造日の製品に異常はなかった。
 横須賀市で販売された「CO・OP」ブランドのカップめんから防虫剤成分が検出されたことを受けて公表。同製品は3月末で製造を終了しており、回収などはしないという。

防虫剤成分検出のカップめん販売再開、家庭で「移り香」か 2008年10月29日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081028-OYT1T00575.htm
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081028/crm0810281640030-n1.htm
 神奈川県藤沢市と横須賀市で「日清食品」製のカップめんから防虫剤成分が検出された問題で、日本生活協同組合連合会(生協連・東京都渋谷区)は28日、生協連が同社に製造委託した「CO・OPコープヌードルしょうゆ」など5商品について、家庭などで保管中に防虫剤などのにおいがつく「移(うつ)り香(が)」だった可能性が高いとして販売を再開すると発表した。
 生協連によると、今年3月下旬以降、異臭の苦情は29件。9件で防虫剤成分が検出されたが、いずれも微量で健康被害は報告されなかった。工場や配送トラック、倉庫で防虫剤成分を含む薬剤は全く使用されていないことも確認。一方、カップめんの近くに防虫剤を置くと、苦情のあった商品と同レベルの防虫剤成分が検出されることがテストで分かったという。
 生協連は、においの強い物と一緒に置かないよう商品に表示するとともに、においが移りにくい容器に変更していくとしている。

カップめん:容器から防虫剤成分を検出 佐賀 2008年10月29日 毎日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081029k0000m040119000c.html
 日清食品の即席カップめんから防虫剤成分「パラジクロロベンゼン」が検出された問題で、佐賀県は28日、佐賀市の男性会社員(64)が今月23日に同社の製品を食べ、吐き気や下痢などの症状を示していたと発表した。県が残された容器を調べたところ、パラジクロロベンゼンが検出された。男性はすでに回復しているという。
 県生活衛生課によると、男性は同県神埼市のディスカウントストア「ダイレックス日の隈店」で、「カップヌードル カレーMINI」2個を今月20日に購入。いずれも同社滋賀工場の製品だった。
 男性は1個を購入当日に食べたが、異常はなく、残りの1個を食べたところ、吐き気や下痢があったという。
 一方、佐賀市の男性(68)は今年8月中~下旬、同市のスーパー「マルキョウ佐賀店」で、下関工場製造の「カップヌードル シーフードヌードル」を5個購入。このうち1個を9月26日に食べようとしたが、開けたところ強い薬品臭があったため、日清食品に連絡。同社が回収し、今月22日に「パラジクロロベンゼンが検出された」と連絡があったという。県が調べたところ、もう一つのカップめんからも同じ成分が検出された。
 男性と家族らが食べたカップめんは3個で、うち2個に軽い異臭がしたが、健康被害はなかった。
 県は、店舗や購入者の保管状況から県内で混入した可能性は低いとみて、同社と工場所在地の自治体に原因究明の調査を求めている。




 カップ麺から防虫剤の成分が検出されていることが社会問題になっていますが、今度はアイスクリームの外箱から防虫剤が検出される騒ぎがあったようです。
 それにしても、私には、防虫剤の成分が検出されていることについて、お上は何が何でも『保管の過程で防虫剤成分が移った』ことにして問題をうやむやにしようとしているようにしか見えないのですが、実際のところどうなんでしょうね…。
 これまではカップ麺の内部ということで、『長期間防虫剤とカップ麺を同じ場所に保管していたことから、成分が気化して移ったのではないか』という説が有力になっているようですが、カップ麺と防虫剤ならば、『湿気を苦手とする』ということから、長期間同じ場所に保管しておくという可能性も、全く考えられないわけでもありません(もっともほとんどの方は、防虫剤のストックはたんすの中など、カップ麺は台所のストックスペースなど別の場所に置く方が普通だと思うんですけどね…)が、今度検出されたのはアイスクリームの箱…。
 もし、中身のアイスクリームを入れる前から臭いがついていれば、アイスを詰め込む前あるいは出荷の段階で異臭に気がつくでしょうし、出荷後は冷凍状態で保存する必要性がある(防虫剤を冷凍保存することなどまずないでしょう)ことから、同じ場所に防虫剤を置くことは常識的に考えてもありえないと思います。
 この問題。万が一にも、消費者の過失ではなく、何らかの原因で製造工程中に防虫剤成分が混入していたとしたら、調査機関への信頼はそれこそ丸潰れになりますし、(生協は早くもカップ麺の販売を再開するようですが、日清食品では新たに混入疑惑のある製品が発生しているようですし、他のカップ麺メーカーに生産委託しているPB商品である以上、嫌疑が完全に晴れるまでは)最初から全てを消費者の過失として決め付けるのではなく、一度真剣に調べて見たほうが良いと思うんですけどね…。

与党の経済対策は21世紀版地域振興券と住宅ローン控除の拡大 衆議院解散は先送りか?

2008-10-29 20:54:49 | Weblog
定額減税「給付金」が有力 実施方式巡り政府・与党 2008年10月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT3S2802328102008.html
 追加経済対策の目玉として政府・与党が検討中の定額減税で、クーポン券などを直接配る給付金方式が急浮上してきた。28日開いた自民・公明両党の与党政策責任者の協議で、自民が提案した。給付金方式は1998年度に実施した地域振興券と同様、納税額の少ない人にも一定額を確実に配ることができるのが特徴。家計の消費を刺激しようと狙った策だが、典型的なばらまき型の政策であるうえ、実際に配る市町村の事務負担や効果の点で問題も多い。
 自民党の保利耕輔政調会長が公明党の山口那津男政調会長らと同日午前に会談。総額2兆円の定額減税について、クーポン券や現金といった給付金方式による配布を提案した。

住宅ローン減税、控除上限「600万円」軸に 期間10年が有力 2008年10月29日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081029AT3S2801V28102008.html
 政府・与党は2009年度の税制改正で、住宅を取得した人が住宅ローン減税で所得税額の控除を受けられる上限をいまの160万円から、過去最高の600万円に引き上げるなど制度を大幅に拡充する検討に入った。購入時の負担を軽減して住宅取得を促し、世界経済の減速に伴って悪化する景気にテコ入れするのが狙い。月内にまとめる追加経済対策に制度拡充の方向性を盛り込み、年末の税制改正論議で詳細を決める。
 麻生太郎首相が23日に追加対策の一環として住宅ローン減税を過去最高まで引き上げるよう指示したのを受け、国土交通省と財務省が協議に入った。8月の税制改正要望で300万円としていた控除額の要望を大幅に上方修正する形になる。


衆院選:早期解散派に徒労感 2008年10月29日 毎日
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081029k0000m010124000c.html
 麻生太郎首相が年内の衆院選を見送る方針を固めたことを受け、「11月30日投開票」を想定して準備してきた与党内には、徒労感が広がった。「解散より景気対策」を強調する首相に対し、特に早期解散に向け圧力を強めていた公明党には不満が残った。自民党内でも「ねじれ国会」での麻生政権の弱体化を懸念し、今後の政権運営や解散戦略を心配する声が出ている。

◇公明、募る首相不信
 「首相は『どんなに困難があっても解散しないで、追加景気対策をやり遂げたい』と話していた」。自民党の大島理森国対委員長は28日、公明党の漆原良夫国対委員長と会談し、前夜に首相らと会った際の内容を伝えた。大島氏は「首相には『今、解散しないと追い込まれてボロボロになる』と言ったんだが……」とも明かした。
 しかし、公明党の太田昭宏代表は28日、党本部での会合で「月内解散を念頭に、気を引き締めて準備に当たってほしい」と述べ、解散先送りを受け入れていないことを強調した。太田氏は30日に首相と党首会談を開く意向だが、その前にも会い、首相の真意を問いただす考えだ。民主党が解散先送りで新テロ対策特別措置法改正案などで徹底審議する姿勢を強めていることに対し、「民主党がどんどんごねれば、それを理由に首相が解散に踏み切る道もまだ残っている。民主党頑張れ」と、エールを送る公明党幹部すらいる。
 しかし、太田氏らがなお早期解散を掲げることに対し、党内では「これまで早期解散で旗を振ってきたから、最後の抵抗をしているのだろう」と冷めた見方が強い。公明党の支持母体である創価学会は既に容認する方向のためだ。
 ただいずれにしろ、公明党幹部が「解散を先延ばししても景気状況はますます悪くなるだけだ。首相はそんな簡単なことも分からないのか」と述べるなど、首相への不信感は確実に高まっている。

◇自民幹部にじむ無念
 自民党内にも、執行部が早期の衆院解散を先導してきただけに無力感が募る。解散時期を巡っては、細田博之幹事長や大島氏らが「解散風」の中心だったが、中川昭一財務・金融担当相ら首相側近グループの先送り論に押し切られた格好だ。
 「私はまだ首相が解散をやるとの思いでいる」。大島氏は28日、同党の国対正副委員長会議で強調した。だが、出席者から「そろそろ刀を放し、クワに持ち替えた方がいいか」と質問が飛ぶと、「そろそろクワだけでいい」と返答。選挙戦が遠のいたとの本音をのぞかせた。細田氏は28日の会見で「解散するかは首相の考え一つ」と述べるにとどめた。
 「早期解散の旗はまだ立っているが、ボロボロだ」。早期解散を主導した党四役の一人はこの日、敗北感をにじませた。首相は「解散先送り派」に軍配を上げた形だが、自民党幹部は「このタイミングを逃したことで来年9月の任期満了選挙の可能性も強いが、それまで政権が持つかどうか」と不安視する。



 与党が追加経済対策案を打ち出してきましたが、定額減税は、1998年度に国民1人あたり2万円ずつばら撒いたものの、『1000円単位で利用できたため、日常の買い物にも使われるなど実質的にその68%が貯蓄されてしまい、景気刺激効果の少なかった』悪名高い地域振興券とどこが違うのかわからないような内容ですし、住宅ローン減税も10年間で600万円の減税と聞くと『お~!』と思いますが、仮に住宅ローン控除率を10年間1%で固定(参考:現在の制度はこちら http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/063.htm)するとすれば、10年後にも住宅ローン残高が6000万円以上残っているという、余程のお金持ちでもなければフルに減税を利用できない、見掛け倒しもいいところな制度。
 さんざん国民に期待させておいて、これだけ二番煎じな制度しか打ち出せないようでは、将来の景気指標を先取りすると言われている株式市場もさぞかし落胆しているのではないでしょうか…。

 しかも、麻生総理は衆議院の年内解散を先送りすることを決め、解散先送りに反発していた公明党を半ば強引に説得。野党の民主党もこれまでは早期解散できる期待があったからこそ、予算の成立にも協力的な姿勢を見せてきましたが、住宅ローン控除の拡大については『富めるものと貧しいものの格差拡大』を理由に、定額減税については『ばらまき』を理由に反発してきそうですし、それだけに国会は年末まで大荒れになりそうな嫌な予感がしますね…。
 まあ、私も今の段階で解散回避の流れが主流である以上、スケジュール的にも年内及び1月中の選挙は限りなく困難だと思いますが、あまり国会が荒れるようだと、政策そのものが打てなくなり、株価の下落対策や円高対策が打てなくなる可能性もありますし、ちょっと心配な流れになってきたと思います。