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関越道 高速バス事故関連報道 9本

2012-04-30 15:07:15 | Weblog
格安で人気のツアーバス、過当競争で安全対策犠牲も 2012年4月30日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120430/dst12043000420002-n1.htm
 今回事故を起こした高速バスは定期の路線バスと異なり、旅行会社が観光バスを借り上げて運行する「ツアーバス」だった。格安を売りに人気を集め、年間利用者は600万人。一方で過当競争による過酷勤務などから重大事故も起きており、国土交通省はツアーバスに路線バスと同じ法令を適用するよう方針転換したばかりだった。国交省は29日、日本バス協会などに大型連休中の安全確保を徹底するよう通達した。
 業界団体「高速ツアーバス連絡協議会」によると、ツアーバスは、運行を企画・実施する旅行会社が、主にインターネット上の販売会社を通じて乗客を募集し、運行は貸し切りバス会社へ委託する仕組み。定期の路線バス会社の高速バスが道路運送法の適用を受けるのに対し、ツアーバスは旅行業法が適用される。
 平成12年からの規制緩和により一気に普及した。17年に21万人だった利用者は22年に600万人と5年で30倍に。閑散期でも全国で1日200台前後が運行され、大型連休など繁忙期はその数倍に増便される。
 今回のバス料金は金沢-浦安で3500円と、特急と新幹線を乗り継ぐより1万円近く安い。関西大学の安部誠治教授(公共事業論)は「何より値段が安く、快適なサービスも増えて人気が出た。だが、過当競争で旅行会社はチケットを安売りし、そのしわ寄せでバス会社に無理が行きがちとなる」と話す。
 19年2月には大阪府吹田市でスキー客を乗せた長野県のツアーバスが事故を起こし、乗客ら27人が死傷。大阪地裁は運転手が過労状態だったと認定した。事故を受け、国交省はバス会社に対し1日当たりの勤務を9時間、670キロまでとするなど安全策を強化した。
 一方で、貸し切りバス会社は11年度の2336社から22年度の4492社へ倍増。行政処分も18年の237件から昨年は過去最高の625件に増えた。バス会社の関係者は「過当競争で旅行会社からの無理な金額設定を断れず、法令順守など安全対策がおろそかになっている零細のバス会社も多い」と打ち明ける。
 連絡協議会は吹田市の事故を受け20年に設立され、旅行会社の加入率はハーヴェスト社を含む39社でほぼ100%だが、バス会社の加入はわずか18社で陸援隊も非加入だった。協議会は「バス会社は運行期間も定まらず全体を把握できない」。国交省幹部は「路線や料金設定など届け出の必要がないため、運行実態さえ分からない」と話す。
 国交省は今月から、ツアーバスにも路線バスと同じ道路運送法を適用するよう方針転換。旅行会社も乗客への安全義務を負うほか、バス会社の監督も求められ、監査も受ける。バス会社に対しても、新規参入の際の審査や法令順守の事後チェックを強化する。
 安部教授は「今回の会社が法令を守っていなかったなら監査体制が不十分だったことになる。ツアーバスという仕組みそのものに問題がなかったかも検証する必要がある」と指摘する。

関越道バス事故:同業者も「過当競争で運転手に過酷労働」  2012年4月30日 毎日
http://mainichi.jp/select/news/20120430k0000m040097000c.html
 関越道で起きた衝突事故で、同業のツアーバス会社も、背景に規制緩和で相次いだ新規参入により業界が低コスト・過当競争化に陥っている現状を指摘する。
 石川県のバス会社幹部は「規制緩和後はバスを5台持って責任者を置けば誰でも参入できる。そのため過当な料金競争が起こり、運転手に過酷な労働条件を強いている」と明かす。金沢?東京間を夜間運行で往復すれば、日中の休憩を挟んで2泊3日。大型連休など繁忙期には人手が足りず、長距離運転に慣れない運転手に依頼することもあったという。
 関西圏で20年超の運転歴を持つバス運転手(52)によれば、東京?大阪間の相場は片道3000円台に下落しているという。「給料も10年前の半分になった。生き残るには悪条件でも仕事するしかなく、過密スケジュールで運転する人もいるだろう」と語った。
 一方、茨城県のバス会社社長(54)は「うちの会社はコストはきつくても夜間は2人体制で運行している」と強調。「今回の事故で国が規制強化の方向に走ることが心配だ」と懸念した。

過去に白バス営業容疑で摘発も 「陸援隊」  2012年4月30日 
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120429/dst12042918580020-n1.htm
毎日 http://mainichi.jp/select/news/20120430k0000m040095000c.html
 事故を起こしたバス会社「陸援隊」(千葉県印西市)の針生裕美秀社長は、事業免許なしで観光バスを走らせたとして、過去に警視庁に道路運送法違反(白バス営業)容疑で摘発されていた。
 警視庁は平成9年、東京ディズニーランドや成田空港に無許可で外国人観光客を送り届けた事件に関与したとして、針生社長を摘発。11年にも同じ容疑で社長と同社の従業員が摘発された。
 ツアーを企画した旅行会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府豊中市)の橋本卓也専務は、29日の記者会見で「千葉の運輸局のホームページでバス会社の違反歴を調べたが、過去2年間で違反はなかったため契約した」と話した。
 一方、ハーヴェスト社も20年、富山での営業区域外運行などを理由に国土交通省から行政処分を受けたことがある。橋本専務は「その後は法令順守を約束している」と釈明した。

「無理な運転強要されたことない」 バス運行会社社員  2012年4月29日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120429/dst12042913320015-n1.htm
 群馬県藤岡市の関越自動車道上り線で29日、高速バスが側壁に衝突し7人が死亡した事故で、車両を運行していた千葉県印西市の「陸援隊」の従業員2人が同日、同社事務所近くで報道陣の取材に応じ、「同僚として申し訳ないと思う」と謝罪した。同社の針生裕美秀社長は早朝の電話で、社員らに「大変なことになってしまったので群馬に行く」と伝え、30日からの仕事も断ったようだという。
 取材に応じた2人は、未明までの運転業務を終え事故のことを知って同社まで駆けつけたという。運行管理については、「社長は運転手思いの人。無理な運転を強要されたことはない」と口をそろえた。
 2人ともに社歴が浅いうえ、運転手同士が顔を合わす機会は少ないといい、「事故を起こした運転手のことは分からない」と答えた。また、同社では「過去に大きい事故を起こしたなんて聞いたことはない」と戸惑いを隠さなかった。
 同社は正社員が5、6人で、繁忙期などで運転手が足りないときは臨時に雇うという。小さな4階建てビルの一室に会社事務所があり、看板はかかっていない。所有するバスを止める駐車場も他の運行会社などともに使っている。

「起きると思っていた事故」 TDRでバス運転手に聞く 2012年04月30日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0430/TKY201204300054.html
 「いつか起きると思っていた」「起こるべくして起きた事故」。多くのツアーバスが駐車場で帰りの客を待つ東京ディズニーリゾート(TDR)で、運転手たちは業務の過酷さを口にした。
 関越自動車道で死亡事故をおこしたバスと同じ石川県を前夜に出発、29日早朝に着いた男性(45)は、もう1人の運転手と2時間おきに交代しながら運転してきた。「それでも、事故が起きた時間帯はいつも眠くなる。どれだけ寝ても体のバランスが取れない」
 やはり北陸地方から来た男性(47)は「1人では負担が大きすぎる。2人で交代しないと無理」と話す。しかし「大型連休やお盆は運転手が足りない。ふだんは2人で走っていても、この時期だけは1人で走る会社も出てくるのでは」。
 甲府市から早朝、約40人を運んだ40代の男性は、駐車場に並ぶ関西や北陸地方のナンバーのバスに、運転手が1人でいるのを見かけることがある。「道中の仮眠をどうしているのだろうと思っていた」

豊中の旅行会社、運転時間基準超過で4年前に行政処分  2012年4月29日 
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120429/dst12042915390018-n1.htm
毎日 http://mainichi.jp/select/news/20120430k0000m040108000c.html
 ツアーを手配した大阪府豊中市の旅行代理店「ハーヴェストホールディングス」が、乗務員の1日の運転時間が基準を超えていたにもかかわらず、適切な指導監督を怠ったとして、平成20年8月に国土交通省富山陸運支局の行政処分を受けていたことが29日、分かった。
 関係者によると、同運輸支局が19年12月、ハーヴェスト社の富山営業所の監査を実施したところ、同社が営業許可区域外で観光バスを運行していたことが判明、乗務員の1日の拘束時間や運転時間が基準を超えていた日もあったという。
 同運輸支局は、同社に対し観光バスの使用を50日間停止した。

速度計は時速92キロで停止  2012年4月30日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120429/dst12042922430033-n1.htm
 群馬県藤岡市の関越自動車道上り線で29日、高速バスが側壁に激突し7人が死亡した事故で、このバスの速度計が時速92キロを表示したまま止まっていたことが、県警の調べで分かった。
 バスは直線道路の左側にある高さ約3メートル、幅約10~20センチの鋼板製防音壁に、正面から突き刺さるような形で衝突。防音壁が車体中央から左側の部分をほぼ貫通し、車体左側が押しつぶされたようになっていた。
 現場にブレーキ痕はなかった。

座席吹き飛び「助けて」 激突直前、左右に揺れる  2012年4月30日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120429/dst12042920330026-n1.htm
 眠っていた乗客は床に打ち付けられ、座席は吹き飛んだ。「助けて」。車体に挟まれた男性からはうめき声が上がった。
 「事故の瞬間まで寝ていて、突然衝撃を感じて起きると、粉々になった窓ガラスで視界は真っ白になった。床にたたきつけられて気を失った」。静寂な車内が一転したのは、夜明け直前の29日午前4時40分ごろ。前から10列目の右窓側に座っていた金沢工業大4年の香林聡志さん(22)は、ショックを隠せない様子で振り返った。
 意識が戻ると、車内は原形をとどめておらず、前方の座席はなくなっていた。車内後方ではうめき声を上げる男性も。ほかの乗客と後方の非常口をこじ開けて脱出した。
 金沢大4年の女性(21)は「左右に揺れていて事故が起きるのではないかと思っていたら、そうなった」と知人男性に話した。現場にブレーキ痕はなく、河野化山運転手は「居眠りしていた」と群馬県警に説明した。

関越道事故『針生エクスプレス』がHPを突如削除と言う暴挙!ネットで批判相次ぐ 2012年4月30日 秒刊SUNDAY
http://news.infoseek.co.jp/article/sunday_4181274
 群馬県藤岡市の関越自動車道で東京ディズニーランドへ行く途中だったバスが、事故を起こし7人の死傷者を出した問題で、このバスを運営している「針生エクスプレス」社は、ホームページ上で謝罪文や経緯等を説明することなく、突如閉鎖してしまうと言う暴挙に出ていることが判った。昨日の時点ではページが存在していた事からこの事件による問い合わせが殺到した可能性がある。
 http://hariu-express.jp/
 関越自動車道事故を起こした「針生エクスプレス」社のホームページは昨日までは存在しており、運営を続けていた、ところが本日突如、何の告知も無くホームページが閉鎖され、真っ白なページが表示されていることが判った。またトップページは真っ白だが、それ以外の会社概要や採用ページなどは、データごと削除され、NOTFound状態となっていることから、単なるアクセス負荷によるサーバエラーではなく、トップページ以外をごっそり削除したものと思われる。
 またソースコードを見ると、意図的に真っ白になるよう、データを改編した形跡も見受けられる。
 通常、問題を起こした場合、ホームページ上でなんらかの経緯を説明し、謝罪をすべきではあるが、運営会社によっては、ホームページがあることにより、余計な突っ込みを入れられることを恐れ、その前に削除してしまうという暴挙に出てしまう企業もある。
 一般消費者からは、これは逆効果で『何か見られてはまずいものがあるのではないか』という不信感に駆られてしまい、企業への反発も避けられない状況だ。
 ネットではこれを受け『逃亡した!』『謝罪する気は無いのか!』『燃料投下か』『これは悪質だな。』などと案の定批判が相次いでいることから、何故削除したのか早急に説明することが求められる。
 相次ぐ自動車事故、日本では年間5000人近くの命が失われている。1日に13人近い死亡者がでていることになるが、報道されないだけで、日本各地でこのような事故が発生していると思うとゾッとする。




 群馬県藤岡市の関越自動車道で発生した高速バス事故 関連記事9本です。
 第一報が入ってきた時点で、乗降者名簿も保有していないなど、運用管理体制がガタガタなのはわかっていましたが、バス会社も旅行会社も過去に行政処分を受けていて、しかもバス会社はHPを突如削除するなど、その後の対応も最悪ですね…(溜息
 全く同じ距離でも昼に比べて夜の運転は運転手の視力にかかる負荷も相当重くなりますし、到着時間を調整する目的でパーキングエリアで2時間以上の時間調整休憩が取れるようなルート(例えば移動に5時間かかるルートだと、深夜10時に発車して現地の公共交通網が動き出す現地6時に到着できるように、あえてパーキングエリアで3時間の時間調整&運転手の休憩(仮眠)時間とすることがあります)は別にしても、法規制が再整備されるまでの当面の防衛策として(2時間程度に一度のペースとして)途中休憩が3回以上あるような長距離の移動の場合には、複数のバス運転手が乗務&実際に交代するのか。JRや大手私鉄系同業他社と比べて極端に運賃設定が安過ぎはしないか(企業目線で見れば利幅が薄いと従業員に負荷をかけることになってしまいます)といった、料金の安さだけで選ぶのではなく、利用者の側が自ら業者の質を厳しく選別していく眼というものを身につけていくことも、自衛のためには必要なのかな…と思います。

群馬の関越道でバス事故、乗客7人死亡

2012-04-29 10:23:51 | Weblog
群馬の関越道でバス事故、乗客7人死亡 2012年4月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120429-OYT1T00111.htm?from=top
 29日午前4時40分頃、群馬県藤岡市岡之郷の関越道上り線藤岡ジャンクション(JCT)付近で、高速バスが道路左側の防音壁にぶつかり大破した。
 群馬県警や高崎市等広域消防局によると、乗客45人のうち7人が死亡、13人が重傷、25人が軽傷。
 バスを運行する針生エクスプレス(千葉県印西市)によると、バスは定員53人で45人の乗客を乗せて28日午後10時頃に金沢市を出発し、千葉県の東京ディズニーランドに向かっていた。
 県警は自動車運転過失傷害の疑いがあるとみてバスの男性運転手(46)から事情を聞いている。
 事故の影響で、関越道新潟線上り線の高崎―本庄児玉両インターチェンジ(IC)間と、北関東自動車道(西行き)の前橋南IC―高崎JCT間が通行止めになっている。

参照記事 バス事故 過重労働にあえぐ運転手 規制緩和のひずみ 2007年02月24日 毎日(元記事リンク切れ)
 大阪府吹田市の府道で、スキー客を乗せた「あずみ野観光バス」(長野県松川村)の大型観光バスがコンクリート柱に激突し、27人が死傷した事故から、25日で1週間。事故はバスの小池勇輝運転手(21)=入院中=の居眠り運転が原因で、亡くなった弟の雅史さん(16)は人員不足のため急きょ誘導員として乗務していた。家族経営の小規模業者。過重労働にあえぐ夜行バスの運転手たち。その際どい実態には、00年の貸しバス事業の規制緩和によるひずみが凝縮されていた。
 ■昼夜逆転、疲労蓄積
 居眠り運転した小池運転手は約半年前に大型2種免許を取得したばかり。府警の事情聴取に「長野と大阪間の運転が連日続き、疲労していた」と話した。石川県のバス会社に勤務する運転歴32年の藤岡幸夫さん(59)は、事故前日の17日夜、長野のドライブインで小池運転手を見た。「若い運転手だなあ」と心配しただけに、翌朝の事故には複雑な気持ちだった。
 夜行バスの運転手は昼夜逆転生活だ。小池運転手の睡眠時間は5時間ぐらいだったという。藤岡さんは「大手のバス会社は1往復すると翌日は休みにしている。連続運転も2往復が限界。何日も続けるのは事故のもと」と言う。だが、現実は「激務がつらくて辞める運転手がいても、景気が悪いから運転手を募集したらすぐに集まる。代わりはいくらでもいるという感覚で、運転手は人間じゃなくナットやタイヤと同じバスの部品のように扱われている」と憤った。
 ■規制緩和の陰で
 国土交通省によると、貸し切りバス事業者は99年度は2336業者だったのが、翌年の規制緩和で免許制から許可制になり、04年度は3743業者に増えた。その約7割がバス10台以下の小規模事業者。事業者増加で競争が激化し、運賃はピーク時の半額に下落。業者は「働いてももうからない」状態にある。
 長野県のバス会社に勤務する50代の運転手は「運賃は95年ごろがピーク。今はバス1台につき、長野と大阪の往復で20万円以下。運転手の年収は400万円を切っている人が多い」と話す。事故を起こした「あずみ野観光バス」から今月、仕事を下請けした同県内のバス会社は「白馬と大阪往復を16万円で請け負った。燃料費と人件費を引いたら、2万円も残らなかった。今のバス料金はおかしい。夜間に雪道を走る悪条件の運行なのに、安すぎて割に合わない」と明かした。
 ■便利で楽だが
 JR新大阪駅前のスキーバスツアーの集合場所。金曜の夜は大勢のスキー客でにぎわう。これから乗務する運転手らは「眠くなると中央分離帯が人間に見えたりする」「眠気覚ましのタバコも吸えず、コーヒーでも客から『飲みながら運転している』とクレームがつく」と窮状を訴えた。
 大阪府警交通捜査課は、小池運転手は道路交通法で禁じられた「過休労運転」の可能性もあると捜査を進めており、同社が運転手に国の基準の労働時間を超えて運転させていたのかどうか、昨年末からの勤務状態などを調べる。運転手の体調など医学的な面からも「過労運転」と認められれば、同社を道交法違反などで書類送検する方針だ。
 しかし、ある捜査員は「悪質な経営というより、家族経営の零細企業が追い詰められ、むちゃをしたという印象だ」とつぶやいた。
 ■国の監査追いつかず
 規制緩和には「事後チェック」の強化が不可欠だが、増える一方の貸し切りバス事業者への国の監査は追いついていないのが現状だ。「あずみ野観光バス」についても、00年の設立以来、長野労働局の通報に基づいて今月5日に監査に入るまで一度も監査は行われなかった。
 国土交通省の担当者は「特に零細業者への監査をどうすれば良いのかという問題意識は持っている」と話す。昨年2月には、新規事業者の参入ラッシュに対応するため、設立許可後、半年をめどに監査に入ることや5年程度監査を受けていない事業者には優先的に入るよう方針を転換。02年7月に108人だった全国の監査人員は、今年1月の増員で166人に増えた。それでも、貸し切りバス事業者に監査に入る平均頻度は、5・3年に1回だけだ。
 冬柴鉄三国交相は、「規制緩和の中で今回の事故が起きたのは大きなマイナスがあった。規制緩和は安全・安心という点で行き過ぎがあるのではという声があるのは事実」と認めたうえで、「監査を強化するとともに業界団体を通じて(安全に不備がないか)指導していきたい」と強調している。
 ◆安くて便利だが
 JR東京駅の高速バス乗り場。週末を利用し、夫婦で静岡県に旅行に行くという東京都北区の男性会社員(59)は、メリットに運賃が電車より安いことを挙げたが、「規制緩和で危険が増していると聞くと、やはり不安はある」と言ってバスに乗り込んだ。これから徳島県に帰るという女性(61)は、深夜の高速バスに乗り大阪経由で上京した。千葉県に住む次男との東京観光が目的で、「新幹線と違い、高速バスなら朝早く到着でき、息子も休日をうまく使える」と説明。上京に使ったバスには運転手が2人おり、途中で休憩も取っていたといい、「(大手会社は)態勢が整っていて安心できる」と話した。





 午前4時40分と言えば、大半の方がまだ眠りについている無防備な時間帯で、そのことが被害を更に拡大する大惨事につながってしまったのだと思いますが、私も(座席では眠れない性格なので夜行バスこそ使わないものの)急がないプライベートな旅行では長距離高速バスをよく利用するだけに、こういったバス事故は決して他人事には思えませんし、多少利用料金が高くなったり、あるいは到着までの時間が遅れるようなことがあっても一向に構わない(高速バスを使う以上は、事故渋滞に巻き込まれれば1時間や2時間の遅れは出るものと覚悟する位の度量が必要です)から、運転手の方には十分な休憩や交代要員を用意するなど安全最優先で運行して欲しいと思うと共に、不幸にして巻き込まれた方、そしてお亡くなりになられた方に対しては、心からお気の毒に思います。

 どうもこの事故を引き起こしたバス会社。JRバスや私鉄系バス会社が(JR特急料金の半額程度の値段で)運行している従来型の高速バス会社ではなく、規制緩和後に新規参入してきた料金の安さをウリにするツアーバス型の会社のようですが、こういう料金の安さは人件費を削って運転手に過重労働を強いて生み出しているケースもあり、こういった悲惨な事故も過去の教訓が世間から忘れ去られた頃に繰り返すことが決して少なくないだけに、利用する事業者は価格の安さだけで決めるのではなく、やはり安全性を最優先に慎重に選んだ方が無難そうです。

東京 目黒区長に青木氏3選

2012-04-23 17:19:06 | Weblog
目黒区長に青木氏3選 2012年4月23日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20120423-OYT8T00119.htm
 任期満了に伴う目黒区長選の投票が22日、行われ、即日開票された結果、無所属で現職の青木英二氏(57)(民主、公明、社民推薦)が、いずれも無所属の新人で前区議の土屋克彦氏(42)、出版企画業の松尾信彦氏(66)(共産推薦)、自営業の後藤輝樹氏(29)の3人を破り、3選を果たした。
 投票率は26・94%で、前回区長選(27・27%)を下回った。当日有権者数は21万3714人。
 今回の選挙は、2012年度からの3年間で約180億円の収支改善を目指す区の行財政改革のさなかに実施。福祉施設の建設延期や高齢者対象の紙おむつ支給事業の有料化などの施策に批判が集まることも予想されたが、選挙戦では、2期8年の実績を訴えた青木氏が終始、安定した戦いぶりで支持層を固めた。
 一方、土屋氏は「区長報酬の半減」を訴え、松尾氏は行財政改革を「区民サービスのカット」などと批判したが、いずれも支持の広がりを欠いた。後藤氏は、出馬表明が遅く、浸透しなかった。
★東京都目黒区 区長選挙結果
当 29203 青木英二(57) 無現=民主、公明、社民推薦
  14743 土屋克彦(42)無新
  10127 松尾信彦(66)無新=共産推薦
  2051 後藤輝樹(29)無新




 東京都目黒区は、23区西部の世田谷区や渋谷区などに隣接する人口約26.8万人の区で、区長選は現職で民主・公明・社民が推薦して3選を目指す57歳の青木英二氏に対して、前区議で42歳の土屋克彦氏、出版企画アドバイザーで共産党が推薦する66歳の松尾信彦氏、自営業で29歳の後藤輝樹氏 の3新人が挑戦しましたが。
 区民の安心安全を守ることを、一番大きな課題と心がけて2期8年を務めた。力を入れたことの一つが、青色パトカーによる24時間の地域巡回の導入だ。今年3月の犯罪件数は区民1000人あたり約2件と、23区で最も少なかった。「区民が自分の町を自分で守る意識が生まれた結果」と2期8年の実績を訴えた青木英二氏が29203票を獲得し、
 区議時代に、区長に財政難を訴えたが、聞き入れられなかった。その結果、財政がますます切迫したと感じている。「今の区政は何も決めず、改革一つできない。決められない区政ではだめだ」と現職を批判して14743票を獲得した土屋克彦氏、
 昨年8月に開かれた懇親会で区長が財政危機について説明したことについて「財政危機が福祉や教育の切り捨ての口実になっているのでは。お金の使い方を変えないといけない」社会を支えてきたお年寄りや、子育て世代に優しい政策を考え、特養ホームや認可保育所の増設を訴え10127票を獲得した松尾信彦氏
 昨年は神奈川県議選に立候補するも落選。「目黒に友人はおらず、ゆかりはないが若さはプラス。若い力をぶつけて、日本を覆う閉塞感を壊したい」と若さをアピールして2051票を獲得した後藤輝樹氏 の3新人を破って初当選を決めました。
 まあ、いくら若くても目黒区に人脈がないことを自ら宣言する後藤輝樹氏は蚊帳の外だろうな…とは思っていましたが、現職が半分強を抑えて再選。
 財政問題については何らかの取組を検討せざるをえないと思いますが、区民の安全にも直結する問題だけに何を削るかでも一悶着ありそう。再選を決めた現職が次の4年間でどう区政の舵取りを行っていくのかが注目されることになるかと思います。

千葉 茂原市長に田中氏 実績アピールし再選 市議補選も投開票

2012-04-23 17:16:39 | Weblog
茂原市長に田中氏 実績アピールし再選 市議補選も投開票 2012年04月23日 千葉日報
http://www.chibanippo.co.jp/c/news/politics/78728
 茂原市長選は22日投票が行われ、即日開票の結果、現市長の田中豊彦氏(59)=民主推薦=が、元市議で新人の三橋弘明氏(59)の挑戦を退け再選を果たした。
 同市長選では、市が抱える650億円を超す借金や、パナソニックや東芝の企業撤退など課題が山積する中、財政再建や企業誘致を推進しながら雇用の確保や市民の暮らし、健康をいかに守るかを争点に戦いが繰り広げられた。
 田中氏は、民主党や連合千葉、自治労県本部、県教職員組合をはじめ、市の医師会や歯科医師会、建設業組合などの幅広い組織から支持を受け、安定した戦いを展開した。
 特に、4年間で約120億円の借金を減らしたことや、市給食公社の解散と民間委託、慢性的に赤字が続いていた公立長生病院の黒字化、工業団地の茂原誘致など実績を強くアピールした。
★千葉県茂原市 市長選挙結果
当 21797 田中豊彦(59)無現=民主推薦
  10316 三橋弘明(59)無新



 千葉県茂原(もばら)市は、千葉県のほぼ中央東部&県都千葉市からは約30キロの距離にある人口9.2万人弱の市で、市長選は現職で再選を目指す59歳の田中豊彦氏に対して、市議を辞職して出馬した59歳の三橋弘明氏が挑戦しましたが、
 「市の債務返済は重要な課題。国、県とも協力して次の4年間で道筋をつける。1期目は今までできなかった学校給食業務の民間委託、公立長生病院の黒字化を実現した。やればできるはずだ。これ以上借金を増やしてはいけない」と強調すると共に、学校の耐震化については「厳しい財政下でも遂げなければならない」と訴えた田中豊彦氏が21797票を獲得して
 「大企業の撤退、人口減など茂原をどうにかしてほしいという声に後押しされて出馬を決意した。財政再建は最重要課題。市議4期15年の経験を生かし、借金返済だけでなく、暮らし、健康を守る」と訴えると共に、「市長給料50%削減、退職金返納するなどして、自ら身を切って改革を進め茂原市の再生に全力で取り組む」と述べて10316票を獲得した三橋弘明氏 をダブルスコア以上の大差で退けて再選を決めました。

山口 美祢市長 村田さん再選 実績訴え支持広げる

2012-04-23 17:15:30 | Weblog
美祢市長 村田さん再選 実績訴え支持広げる 2012年04月23日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20120423-OYT8T00054.htm
 美祢市長選と市議選(定数19)は22日投開票された。市長選は現職・村田弘司氏(59)が、新人で前市議会副議長・河村淳氏(76)(いずれも無所属)を破って再選を果たした。
 村田氏の支持者らが集まった美祢市於福町下の広場では、当選が確実になると大きな拍手と歓声がわき起こった。祝福を受けた村田氏は「期待に応え、未来に向けての希望と誇りを持てる市をつくりたい」などと抱負を述べた。
 選挙戦で村田氏は「観光事業特別会計の累積赤字を削減し、二つの市立病院を維持して単年度の黒字化も達成した」などと1期目の実績を強調。「財政、経済の基盤をもとに農業・観光業の振興や市立病院の機能拡大を進めたい」と、事業の継続性を訴えて旧美祢市を中心に支持を広げた。
 河村氏は「市民が主役の公平公正な市政の実現を」と呼びかけ、出身の同市美東町を中心に支持を求めたが及ばなかった。
 ▽当日有権者数 2万3254人▽投票者数 1万8088人▽投票率 77・78%(前回84・21%)
 今回から定数が7減となった市議選は立候補した現職18人と新人5人の計23人の激戦となり、開票作業は深夜にずれ込んだ。投票者数は1万8084人、投票率は77・77%(前回84・21%)だった。
★山口県美祢市 市長選挙結果
当 12585 村田弘司(59)無現
  5102 河村淳(76)無新



 山口県美祢(みね)市は、08年3月に旧美祢市と美東町・秋芳町が合併して誕生した県中央部に位置する人口約2.7万人の市で、市長選は4年前の選挙戦で新人4人の争いを制した59歳で現職の村田弘司氏に対して、元同市議で76歳の河村淳氏が挑みましたが、
 公営病院の建て直しなどを手がけた実績に加え、観光産業の発展や人口減少対策を訴えた現職の村田弘司氏が12585票を獲得して
 住民訴訟が起きる市政の浄化に加えて、市政の基盤作りや地域格差是正を訴え5102票を獲得した河村淳氏 にダブルスコア以上の大差をつけて退けています。

岡山 倉敷市長に伊東香織氏再選 4年間の実績アピール

2012-04-23 17:12:47 | Weblog
倉敷市長に伊東香織氏再選 4年間の実績アピール 2012年04月23日 山陽 
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2012042223350476/
 任期満了に伴う倉敷市長選は22日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の伊東香織氏(45)が、無所属新人で市民団体代表の矢引亮介氏(41)を破り、再選を果たした。
 中国地方3番目となる48万人の人口を擁する中核市として、都市ビジョンが問われた。JR倉敷駅周辺の連続立体交差(鉄道高架)事業の是非や中心市街地の活性化、産業振興策、防災対策などで両候補が主張を戦わせた。
 伊東氏は子育て支援や行財政改革などを4年間の実績としてアピールし、地域の個性と魅力を市民とともに伸ばすと強調。鉄道高架事業では推進の立場を訴えた。共産を除く主要政党、連合岡山の推薦を受け、幅広く支持を集めた。
 当確の知らせを受け、伊東氏は「市民と協働して、倉敷を活力あふれるまちにしていきたい」と抱負を語った。
 矢引氏は「暮らしと福祉優先の市政」と強調し、鉄道高架事業の中止や福祉施策の拡充などを掲げたが及ばなかった。
 市長選の投票率は33・72%(男33・15%、女34・25%)で前回の47・13%を大きく下回り、1967年の児島、玉島との3市合併以降で最低となった。当日有権者数は37万7023人(男18万1696人、女19万5327人)。
★岡山県倉敷市 市長選挙結果
当 112634 伊東香織(45) 無現=民主、自民、公明、社民、国民新、たちあがれ日本推薦
  13477 矢引亮介(41)無新=共産推薦


 岡山県倉敷市は、1967年に旧倉敷市・児島市・玉島市が新設合併&2002年には中核市入りした人口47.7万人を擁する県2番目の都市で、市長選は現職で民主・自民・公明・社民たちあがれ日本・国民新党が相乗り推薦する現職で45歳の伊東香織氏に対して、共産党が推薦する41歳の矢引亮介氏が挑戦しましたが、
 「4年間、倉敷のまちづくりをがんばってきたが、まだまだやり残したことがあります。みなさんが健康で長生きできるまちを作っていきたい。地域経済が元気なまち、都市機能を高め、環境にやさしいまちを実現したい。私に再び市政を担わせて頂きたい」と訴えた伊東香織氏が11万2634票を獲得して、
 「高すぎる健康保険料を引き下げます。子どもの医療費を中学校卒業まで無料にします。JR倉敷駅周辺の鉄道高架事業という無駄づかいをなくせばまちづくりが進み、暮らし福祉優先の倉敷市を作っていけることを市民1人1人に訴えていきたい」と訴え13477票を獲得した矢引亮介氏 を一蹴しました。
 まあ、民主・自民・公明どころか社民党や国民新党まで推薦に回るALL与党支持体制の中事実上の信任投票状態だったかと思いますが、票数をみる範囲ではライバル候補は共産党の支持層以外はほとんど取り込めなかった模様。結果はやる前から見えていた状況だったかと思います。

新潟 阿賀野市長に田中氏

2012-04-23 17:10:35 | Weblog
阿賀野市長に田中氏  2012年04月23日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20120423-OYT8T00148.htm
 阿賀野市長選は22日、投開票が行われ、新人の元県職員、田中清善氏(60)(無所属)が、新人で前市議の雪正文氏(49)(無所属)、現職の天野市栄氏(53)(地域政党・日本新生)の2人を破って初当選した。
 田中氏は市民不在の市政を批判して市民との対話を強調。高齢者やNPO、ボランティア団体などの活動を行政が支援する、市民協働のまちづくりを主張した。多くの現職市議の支援を受けて選挙戦を展開し、支持を広げた。
 雪氏は、市議経験を生かした安心感を与える行政を訴えたが、浸透しなかった。天野氏は市政改革の実績と継続を掲げたが、現職の強みを生かせなかった。
 同時に行われた市議補選(欠員2)には新人4人が立候補し、激戦となった。
★新潟県阿賀野市 市長選挙結果
当 10335 田中清善(60)無新
  7887 雪正文(49)無新
  7195 天野市栄(53)諸現




 新潟県阿賀野市は、新潟市や新発田市に隣接する人口約4.5万人程の市で、市長選は現職で再選を目指す53歳の天野市栄氏に対して、元県職員で60歳の田中清善氏、元市議で48歳の雪正文氏 の2新人が挑戦する形になりましたが、
 「新党を設立して国政について語る市長に対して、市民は信頼を失っている」と現市政を批判すると共に市民への情報公開や説明責任の強化を訴える。市長と市民が語り合う「車座懇談会」を定期的に開催するほか、行政職員が出向いて市の事業について説明、意見交換する「出前講座」を実施すると訴えた田中清善氏が10335票を獲得して、
 市長と市議会の対立を「市長も市議も無意味な対立を強めている」と批判すると共に、「停滞した市政を何とかしたい」。また「市の実態、実情を把握してきた」と2期7年の市議としての経験をアピールして、病床の拡大や夜間の急患診療なども強化。中学校卒業までの子ども医療費の無料化▽小中学校の耐震化▽私立保育園の拡充などを公約に掲げて7887票を獲得した雪正文氏、
 1期目の行財政改革の実績を強調。2期目の課題として、市職員削減などの行政改革▽県営工業団地への企業誘致▽市長の多選禁止条例の制定を掲げると共に、14年までの水原郷病院立て替えを柱とした救急医療体制の整備など、「まだまだ取り組みの途上にある課題が多い」として現市政の継続を訴え7195票を獲得した現職の天野市栄氏 を退けて初当選を決めました。

 この阿賀野市長選。4年前に新人同士の争いを制した天野氏が当選直後から、経営が悪化した水原郷病院の再建問題などを巡って市長と議会が対決。議会は09年に水原郷病院について、「再建が難航しているのは市長の指導力が欠如しているからだ」などとして、市長の辞職勧告決議案を可決。10年度の一般会計当初予算案も全会一致で否決するなど、まさにどこぞの地方都市と同じような経緯を辿っていて身動きがとれない状態に追い込まれていたのですが、現職は再選を阻まれるどころか次点にもなれずまさかの最下位ですか…(吃驚
 対立した市議会との関係をどう修復していくのか、新市長に就任する田中清善氏の手腕に注目が集まりそうです。

京都 京丹後市長に中山氏3選 実績強調、3新人を破る

2012-04-23 17:03:13 | Weblog
京丹後市長に中山氏3選 実績強調、3新人を破る 2012年04月23日 京都
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20120423000004
 任期満了に伴う京丹後市長選は22日投開票され、現職の中山泰氏(52)=無所属=が、前市議の大同衛氏(51)、前市議の奥野重治氏(60)、農民組合京都府連合会書記長の安田政教氏(57)=共産推薦=のいずれも無所属の3人を破り、3選を確実にした。市議選も同日、投開票された。
 旧6町の合併から8年が経過する市政の運営をめぐり、保守が分裂。選挙戦では、市財政の立て直しのほか、地域経済の活性化や雇用の創出などを焦点に激しく争った。
 中山氏は、行財政改革に取り組んだ2期8年の実績を強調。「国や府、他の地域と連動したまちづくりを進める」と訴えて府知事や近隣市町の首長の応援を得、商工団体など業界の組織力や知名度を生かして勝利した。
 大同氏は、市民との対話を重視した市政への転換を主張したが、及ばなかった。奥野氏は、周辺地域も含めたまちづくりを強調したが届かず、安田氏も福祉を中心とした循環型経済の推進を訴えたが、伸びなかった。
 当日の有権者数は48782人。投票率は74・23%で、2008年の前回市長選(78・45%)を4・22ポイント下回った。
★京都府京丹後市 市長選挙結果
当 12830 中山泰(52)無現
  11056 大同衛(51)無新
  8140 奥野重治(60)無新
  3461 安田政教(57)無新=共産推薦



 京都府京丹後市は、2004年04月に峰山町・大宮町・網野町・丹後町・弥栄町・久美浜町が合併して誕生した人口約5.8万人の日本海側に面する市で、市長選は現職で52歳の中山泰氏に対して、農民組合京都府連合会書記長で共産党が推薦する57歳の安田政教氏、前市議で60歳の奥野重治氏、前市議で51歳の大同衛氏の3新人が立候補する混戦となりましたが、
 「国や他の地域と連動し、まちづくりを力強く進める」と訴えた現職の中山泰氏が12830票を獲得して、
 「対話で行政と市民の距離を縮め、市民のための市政を」と訴え11056票を獲得した大同衛氏
 「周辺地域の声を聞き、若い人たちが住めるまちに」と訴え8140票を獲得した奥野重治氏、
 「市民の暮らしと福祉を最優先に考えた公共事業を」と訴え3461票を獲得した安田政教氏 の3新人を退けて再選を決めました。

 う~ん。京都の場合、ALL与党VS共産党との戦いになることが多く、まして人口6万規模の市で現新合わせて4人も立候補すること自体異例で、もし新人2人が候補を一本化できていればひょっとしたら逆転もあり得たのではないかという気もしなくもないのですが、中山泰氏は再選を決めたとはいえ、大同衛氏とはかなりの接戦。
 知名度の差や候補乱立を考慮すると、現職は何とか逃げ切ったとはいえ、お世辞にも市民の信頼を十分得られているとは言えない状況かと思いますが、予想以上の苦戦を強いられた現職中山泰氏は次の4年間でどのような市制運営を行ってくれるのでしょうか…。

新座市議当選無効 市選管「居住実態ない」立川さん「寝泊まり」主張

2012-04-22 08:01:55 | Weblog
新座市議当選無効 市選管「居住実態ない」立川さん「寝泊まり」主張 2012年4月21日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20120420-OYT8T01275.htm?from=popin
 2月の新座市議選で初当選したタレント立川明日香さん(27)が20日、市選管から「市内に居住の実態がなく、被選挙権は認められない」として、当選無効の決定を受けた問題。立川さんは取材に、「『ここに住んでいる』と住民票が表している。居住の実態がないとだめ、というのは疑問」と不満を口にした。
 立川さんは決定を不服として、県選管に審査申し立てを行う考えだ。
 公職選挙法は、市町村議は「引き続き3か月以上、選挙区内に住所がある」ことを被選挙権の要件とし、「住所」について最高裁は、生活実態が必要、との見解を示している。
 立川さんは昨年9月に東京都練馬区から新座市に転入したが、市選管は、水道が使用されていないことなどから、「成人女性が生活しているとは考えにくい」とした。
 市選管によると、立川さんの家族は、「新座市に移ったのは当選後で、それまで(練馬区に)一緒にいた」と証言したという。また、立川さんは「新座市には寝泊まりに行っていた。水道水は飲まない。トイレも行かない」と弁明したという。これについて、立川さんは記者会見で、「(事実関係については)弁護士と相談して対応する」と明言を避けた。
 他の市議らは、複雑な反応を見せた。亀田博子議長は「市選管が出した結論でありやむを得ない」と話し、26日の同市議会全員協議会で意見を求め、今後の対応を考えることを明らかにした。
 一方、立川さんが所属する市議会会派「市民と語る会」代表の高邑朋矢市議は「母親をしながら選挙を行い、芸能活動も続けてきた立川さんの努力が認められなかった。寝るために新座市に帰っていたということが生活実態にならないと判断され、残念」と話した。




 この騒動。当初は美人市議がいると好意的な報道がされていたものの、その後居住実態がないことが判明して一転当選無効となってしまったようですが、ポストが1つしかない市長選や区長選ならともかく、なぜ練馬区に住んでいた方が練馬区からではなくわざわざ新座市を選んで出馬したのか? という根本的な疑問があるんですよね…。
 100歩譲って直近の練馬区議選が11年の4月24日に既に行われていることから、次の選挙は15年の4月で「3年後を待っていては時期を逸する」と判断したのだとしても、もしそうならば名実共に新座市民になっていればいいものを、ツメの甘さが原因で当選無効になりあげく見苦しい言い訳でますます自分の首を絞める…。
 政治家としての将来のキャリアさえ棒に振りかねない痛恨のイメージダウンになってしまったように思います。

壱岐市長選は白川さんが激戦制し再選 財政再建の実績訴え

2012-04-19 08:21:11 | Weblog
壱岐市長選は白川さんが激戦制し再選 財政再建の実績訴え 2012年04月16日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20120415-OYT8T00631.htm
 壱岐市長選は15日、投開票され、現職の白川博一氏(61)が新人の前市農協組合長・吉野誠治氏(63)(ともに無所属)を破り、再選を果たした。
 白川氏は選挙戦で、財政健全化などに取り組んだ1期目の実績を強調し、市政の継続をアピール。主な争点となった市民病院の経営改革では、県病院企業団への加入で医師不足の解消を目指す方針を示し、支持を広げた。
 選挙事務所では、当選が伝わると、集まった多くの支援者から歓声が上がった。白川氏は「離島航路の運賃値下げなどを実現し、地域振興の起爆剤にしたい」と抱負を語った。
▽当日有権者数 2万3793人▽投票者数 1万9475人▽投票率 81・85%(前回85・37%)
★長崎県壱岐市 市長選挙結果
当 10301 白川博一(62)無現
  9019 吉野誠治(63)無新



 長崎県壱岐市は、壱岐島を主な行政区域とする人口約2.8万人の市で、市長選は再選を目指す62歳で現職の白川博一氏に対して、前市農協組合長で63歳の吉野誠治氏が挑戦しましたが、
 1期4年の実績を強調すると共に、農業や漁業の競争力を高めようと離島航路の船賃引き下げを主張。市民病院の医師不足解消や経営改革のため「県病院企業団への加入を目指す」と訴えた白川博一氏が10301票を獲得し、
 農協組合長の経験やスーパーの経営建て直しなどの手腕をアピールして農業や漁業を中心とする街の活性化を訴えると共に、病院改革は「企業団加入の前にまず経営の見直しから」と現市政を批判して9019票を獲得した吉野誠治氏 を激戦の末制して再選を決めました。

下呂市長に野村氏再選 新人石田氏を退ける

2012-04-19 08:18:28 | Weblog
下呂市長に野村氏再選 新人石田氏を退ける 2012年04月16日 岐阜
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20120415/201204152230_16777.shtml
 任期満了(17日)に伴う下呂市長選は15日投票、即日開票され、無所属現職の野村誠氏(63)=自民、たちあがれ日本推薦=が、無所属新人で元愛知県犬山市長、元衆院議員の石田芳弘氏(66)を退け、再選を果たした。投票率は84.11%で前回の84.60%を下回った。
 野村氏は「子や孫のため元気な下呂市をつくる」などと訴え、4年間の実績や「地元の政治家」をアピール。多数の国会議員や県議らの応援など自民党の組織的支援を受けた。
 石田氏は「下呂市の潜在力を引き出し、地方から日本の政治を変える」と大胆な改革を主張。元市長で民主党衆院議員の山田良司氏らの支持層の支持を固めたが、及ばなかった。
 当日有権者数は2万9706人(男1万3987人、女1万5719人)。
★岐阜県下呂市市長選挙結果
当 13336 野村誠(63)無現=自民、たちあがれ日本推薦
  11303 石田芳弘(66)無新

前田国交相、当面辞任せず…支援文書問題で釈明 2012年4月17日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120416-OYT1T01022.htm
 前田国土交通相は16日、岐阜県下呂市長選(15日投開票)をめぐり同市建設業協会幹部に特定の立候補予定者への支援を依頼する国交相の署名入り文書が郵送された問題で記者会見し、「(文書の)内容や送付には関与していない。思いもよらない使い方をされた」と述べ、当面は辞任しない意向を表明した。
 参院に問責決議案が提出された場合の対応については、「党に任せる。最終的には国会の判断等もある」と述べ、辞任する可能性にも含みを持たせた。野党側は、公職選挙法(公務員の地位利用など)に抵触する疑いがあるとして辞任要求を強めている。
 国交相は国交省での会見の中で、元下呂市長で民主党の山田良司衆院議員の依頼を受け、「(内容を)確認しないまま署名した」と説明。「軽率で深く反省している」としたが、「(市長選に)使われるとは全く思っていなかった。あぜんとしている」などと釈明した。また、山田議員側と文書のやり取りをした国交相の政務秘書官が責任を取って辞任したことを明らかにした。国交相は、続投かとの質問には、「いまのところは」と語った。



 岐阜県下呂市は、2004年3月に萩原町・小坂町・下呂町・金山町・馬瀬村が合併して誕生した人口約3.5万人の市で、市長選は4年前の前回選挙で当時の現職を破って初当選を決めた自民とたちあがれ日本が推薦する63歳の野村誠氏に対して、連合岐阜が推薦する前衆院議員&元愛知県犬山市長で66歳の石田芳弘氏が挑戦しましたが、
 「子どもたちのために元気な下呂市をつくりたい」「合併した旧5町村の一体感を増すため、心を一つにするような市民憲章を制定したい」と述べると共に、候補地選定が難航するごみ焼却施設の建設や医療体制の充実、学校施設の耐震化100%などの政策を掲げた野村誠氏が13336票を獲得し、
 「世界中が政治と経済の不安定に悩んでいる。大自然のある下呂から復興したい。水、森林、空気、大地、無限の宝がある」と少子高齢化や財政難に悩む市の活性化策に加えて、地元に縁はないが「強いリーダーシップ」を前面に出して11303票を獲得した石田芳弘氏 を退けて再選を決めました。
 この市長選は 結果そのものよりも、前田国土交通相が特定の立候補予定者(落選した石田芳弘氏)への支援を依頼する国交相の署名入り文書を郵送したことが発覚して騒動になっていますが、こちらの問題も気になるところです。

村上市長選、大滝氏が大差で再選

2012-04-19 08:15:01 | Weblog
村上市長選、大滝氏が大差で再選 2012年04月16日 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/34285.html
 任期満了に伴う村上市長選は15日投票が行われ、即日開票の結果、現職の大滝平正氏(63)=無所属=が、元山北町議の斎藤寿明氏(64)=同=を2万票を超える大差で制して再選を果たした。
 2008年の旧5市町村合併後、初代市長を務めた大滝氏の市政継続か刷新かを焦点に争われた。投票率は74・31%で、前回(83・90%)を9・59ポイント下回った。
★新潟県村上市 市長選挙結果
当 29791 大滝平正(63)無現
  9247 斎藤寿明(64)無新



 新潟県村上市は、山形県と県境を接している08年4月に旧村上市と荒川町・神林村・朝日村・山北町が合併して誕生した人口6.5万人程の市で、市長選は4年前の前回選挙選で三つ巴の争いを制して初当選を決めた現職で63歳の大滝平正氏に対して、元山北町議で64歳の斎藤寿明氏が挑戦しましたが、
 財政健全化や行政改革など4年間の実績を掲げたうえで、「市民協働のまちづくりや村上総合病院の建て替え、公共交通体系の確立など多くの問題が山積している。継続しなければ、これらの事業はできない」と1期4年の実績を強調した現職の大滝平正氏が29791票を獲得し、
 「3カ月半、毎日10時間、市内を歩いて人々の声を聞いてきた。地域の問題は深刻で『政治に私たちの声が届かない』という人が多い。政治に対する信頼を取り戻さなければならない。光を失った村上を良くしたい」「選挙のためにたくさんのお金が使われるが、私はポスターの公費助成も受けない。最後まで自分1人の力でやっていく」と独自の戦いをして9247票を獲得した斎藤寿明氏 にトリプルスコア以上の大差をつけて一蹴しました。
 う~ん。ポスターの公費助成は受けなくても選挙を行えば当然ながらそれ相応のお金もかかるわけで。本気で現職を倒す気があるのならば、政策を訴えるのは当然としても自身の考えを伝えてくれる賛同者集めなどもきちんと行うべきだったのではないか…という気がしますね。


笠岡新市長に三島氏 新人同士の対決制す

2012-04-19 08:13:13 | Weblog
笠岡新市長に三島氏 新人同士の対決制す 2012年04月16日 中国
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201204160051.html
 笠岡市長選は15日投開票され、無所属新人で前副市長の三島紀元氏(65)が、無所属新人の元市部長で前市社会福祉協議会事務局長の柚木義和氏(63)を破って初当選を果たした。
 同市で初めての元市職員による一騎打ちとなる中、三島氏は安定財政を前提にした福祉充実や教育環境整備などを強調。健康づくりを図る温水プール建設、子どもの医療費無料化対象年齢の拡大なども訴え、有権者から幅広い支持を得た。
 昨年12月に現職の高木直矢市長(71)引退を表明。柚木氏が同月内に立候補を表明したのに対し、三島氏は2月に表明した。地道な活動で知名度を広げ、出遅れをカバーした。
 柚木氏は市役所改革などを訴えたが、支持を広げられなかった。当日有権者数は4万4129人。投票率は68・69%で選挙戦があった8年前の73・47%を下回り、過去最低となった。

▽新市議の22人も決まる
 笠岡市議選も15日投開票され、新議員22人が相次いで決まった。今回から定数が2減となり、24人が立候補して少数激戦となった。議会改革へ向けた流れが市議会にある中、新議員には責任ある政治姿勢が求められる。
 新議員の内訳は現職18人、新人4人。党派別は公明党2人、共産党1人、無所属19人となった。知名度を生かし、固い後援会を背景にした現職が選挙戦を優位に進めた。8年ぶりに実施された市長選の陰で市議選の印象は薄かったが、各候補は確実に支持を固めた。
 投票率は68・70%で、市議選単独だった前回(2008年)の67・23%を上回った。(谷本和久)
★岡山県笠岡市 市長選挙結果
当 15674 三島紀元(65)無新
  14085 柚木義和(63)無新



 岡山県笠岡市は、広島県と県境を接する人口約5.3万人の市で、市長選は2000年4月から3期12年現職を務めた木直矢氏が引退を表明したことから、元市政策部長で63歳の柚木義和氏と、前市副市長で65歳のの三島紀元氏による新人同士の争いとなりましたが、
 「着実、誠実、確実な市政」を掲げ、財政基盤安定化や温水プール整備などを主張した三島紀元氏が15764票を獲得し、
 笠岡市の人口減少について「若い人が戻ってくるために企業誘致をしていきたい」と述べると共に、市民生活に密着した市政を目指す。「長年の課題だった水道料金の値下げをする。子育て環境を充実させるため、中学生までの医療費の無料化を実現していきたい」と訴え14805票を獲得した柚木義和氏 を退けて元市職員同士の争いを制しました。
 新市長はどのような市制の舵取りを行ってくれるのでしょうか。

大東市長 東坂さん初当選 投票率 最低46・37% 「財政合理化進める」 

2012-04-16 12:14:00 | Weblog
大東市長 東坂さん初当選 投票率 最低46・37% 「財政合理化進める」 2012年04月16日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20120416-OYT8T00085.htm
 無所属新人4人で争われた大東市長選は15日投開票され、元建設会社社長の東坂浩一氏(49)(自民、公明推薦)が、元中学校教諭の小松正明氏(63)(共産推薦)、老人ホーム施設長の岡井康弘氏(54)、住宅リフォーム業の村岡千鶴男氏(69)を破り、初当選を果たした。東坂氏は「新しい街づくりに責任をもって取り組む」と決意を述べた。投票率は46・37%(前回48・46%)と過去最低だった。当日有権者数は9万8270人。
 同市氷野の東坂氏の事務所では、「当選確実」が伝わると、詰めかけた支持者らから大きな歓声と拍手がわき起こった。間もなく姿を見せた東坂氏は、支持者と一緒にバンザイを繰り返し、「企業経営者としてのノウハウを生かして財政を合理化し、同時に、市民の声がまっすぐ届く市政を実現する」と抱負を語った。
 東坂氏は、3期目の岡本日出士市長(76)が昨年12月、市議会で引退を表明したことを受け、今年2月に立候補を表明。選挙戦では、告示日の出陣式で岡本市長が「大東を引き継いでもらいたい」と事実上の後継者であることをアピール。自民、公明両党の推薦も受け、幅広い支持を得た。
 東坂氏は同市出身。関西学院大卒。米国の金属加工会社を経て1989年、同市の建設会社「三住建設」に入社、2009年1月から立候補直前まで同社社長も務めた。
 一方、小松氏は、元教諭の立場から、教育改革や若者の雇用問題の改善などを訴えたが、及ばなかった。同市氷野の事務所で支持者らを前に、「結果は残念だが、大東の教育問題など政策を堂々と訴えることができた」と話した。
 岡井氏は救急医療体制の確立や高齢者福祉の充実などを公約に掲げ、村岡氏は高齢者療養施設の開設や若者の起業支援などを訴えたが、支持は広がらなかった。

◆都構想影響市民に示せ◆
 自民、公明両党の推薦を受けて、大東市長選で初当選した東坂氏。選挙戦では、大阪維新の会提唱の大阪都構想への賛否を明らかにしなかったが、激動する府内で大東市をどう発展させていくのか、かじ取りの手腕が問われる。
 1週間前の茨木市長選では維新の地元支部に推薦された新人が初当選したが、大東市では維新の支部が設立されなかった。選挙戦では同市選出の維新府議が東坂氏の応援演説をしたが、「個人的な応援」とした。
 都構想では、政令市以外の市町村を原則中核市(人口30万人以上)にするとしている。大東市の人口は約12万6300人。現職の岡本市長は昨年末の読売新聞のアンケートで市町村再編に「反対」としたが、東坂氏は公約で「30万人都市のメリットについて最善の判断を下せる体制をつくる」と述べるにとどめた。
 大東市は、1956年に3町村が合併し、「大阪市の東にある市」と命名された。大阪市中心部まで電車で20分と近く、結びつきは強い。新市長には、基盤整備の遅れなどの課題に取り組むとともに、府や大阪市の政策による暮らしへの影響を大東市民にわかりやすく示しながら、市政運営を進めてもらいたい。
★大阪府大東市市長選挙結果
当 20167 東坂浩一(49)無新=自民、公明推薦
  11025 小松正明(63)無新=共産推薦
  6242 岡井康弘(54)無新
  5778 村岡千鶴男(69)無新




 大阪府大東市は、門真市や寝屋川市、大阪市、東大阪市などに隣接する人口約12.6万人の市で、市長選は2000年5月から3期12年現職を務めた岡本日出士氏が出馬を見送ったことから、元建設会社社長で自民と公明が推薦する49歳の東坂浩一氏、住宅リフォーム業で69歳の村岡千鶴男氏、老人ホーム施設長で54歳の岡井康弘氏、元中学校教諭で共産党が推薦する63歳の小松正明氏の4新人による争いとなりましたが、
 「地域のみなさんの努力が花咲き実を結ぶ市政を目指す」と強調し、医療や介護、教育、産業振興、防災、危機管理を進めると共に「生まれ育った大東市への郷土愛を背骨とし、企業経営者としての経営感覚で、幸せを実感できる街をつくる」と訴え岡本市長も応援に駆け付けた東坂浩一氏が20167票を獲得し、
 「教師として子どもの心を大切にしてきたように、市民の声を受け止める『あったか市政』を実現する」と主張すると共に中学校給食の実施や少人数学級による学力向上、不登校児童・生徒の解消などを公約に挙げ、「世界に誇れる教育発展都市をつくりたい」と訴え11025票を獲得した小松正明氏 
 介護現場での経験を紹介したうえで、「長生きできるようになったから、高齢者が増え、必要な医療や介護が増えた。お金がないから削る行政では、あまりに冷たい」乳幼児の夜間救急医療体制を整備し、病院のたらい回しを防ぐとし、「市民の命を守りたい」と訴え6242票を獲得した岡井康弘氏
 「市民が安心して暮らせるまちづくりに取り組みたい」動物園の誘致による雇用創出や市民税の税率10%引き下げなどを掲げ、「新興企業を呼び込み、若者の雇用や育成につなげたい」と訴え5778票を獲得した村岡千鶴男氏 を破って初当選を決めました。

 それにしても、こちらはやや意外だったのですが、今威勢に乗りまくっている維新の会は同日に行われた市議選に専念(といっても76歳と74歳の超ベテラン議員(元自民?)で余裕で再選を決めていますが…)して、大東市では維新の支部も設立されていなかったんですね。
 前市長の岡本氏を激しく批判していた経緯からてっきり独自候補を擁立してくるものとばかり思っていたのですが、他の候補者も公約を見る限り維新の会の方針とマッチしそうな方がいないだけに、あれだけの勢いをもちながら、維新の会が何故何もしかけてこなかったのか? と少し気味が悪いというのが正直な印象です。

坂戸市長に石川氏 4選阻み初当選

2012-04-16 12:11:32 | Weblog
坂戸市長に石川氏 4選阻み初当選 2012年04月16日 埼玉
http://www.saitama-np.co.jp/news04/15/11.html
 任期満了に伴う坂戸市長選と同市議選(定数22)は15日、投開票が行われた。市長選は新人で前市議の石川清氏(61)=無所属=が、4選を目指した現職の伊利仁氏(73)=無所属、自民推薦=を破り、初当選を果たした。
 石川氏は「市長が代わらなくては市政は変わらない」と現職の高齢多選を批判。選挙前から小まめに市内を回り、知名度アップに力を注いだ。市長給与50%カット、職員給与10%カットといった行財政改革、地産地消の経済活動などの政策を掲げた。
 伊利氏は医師会など市内の百数十団体から推薦を取り付け、組織選挙を展開。治水対策や高速道路のインター整備など実績をアピール。「信頼の政治」をスローガンに防災対策の推進や健康長寿のまちづくりなどを訴えたが、支持を広げ切れなかった。
 15日深夜、選挙事務所に姿を現した石川氏は「財政については5年間さかのぼって専門家の特別監査を行い、身の丈に合った予算編成をしたい。火葬場は隣接の事務組合に加入を要請。東日本大震災によるがれきの処理を早急に検討する」と抱負を語った。
 市議選は定数22をめぐり、公明4人、共産4人、民主2人、社民1人、無所属16人の計27人(現職17、新人8、元職2)がしのぎを削った。
 当日有権者数は8万326人(男4万196人、女4万130人)。市長選の投票者数は4万1573人(男2万89人、女2万1484人)。投票率は51・76%(男49・98%、女53・54%)で、前回(2008年)の54・79%を3・03ポイント下回った。
★埼玉県坂戸市 市長選挙結果
当 23177 石川清(61)無新
  17412 伊利仁(73)無現=自民推薦



 埼玉県坂戸市は、県中部に位置する1976年に市制施行した人口約10.2万人の市で、市長選は現職で4選を目指す自民が推薦する73歳の伊利仁氏に対して、前市議で61歳の石川清氏が挑戦しましたが、
 「坂戸市の財政は厳しい。現市長は2期目まではすばらしい市長だったが、3期目で変わった」と現職を批判すると共に「財政危機宣言をして市民に今の状態を開示する。今は1千万円の収入に対し1300万円使って貯金がなくなる状態」と、財政改革の必要性を訴えた石川清氏が23177票を獲得し
 「市政運営には、市民の理解と協力が必要で、みなさんと一緒にやってきた」と3期12年の実績を訴えると共に、財政問題では、市の基金は改善していると語気を強めると共に、「未来への投資も必要」とし、子ども医療費無料化拡大や、三つのインターチェンジを生かして企業誘致を進めると訴え17412票を獲得した現職の伊利仁氏を退けて見事初当選を決めました。
 自民が推薦に回ったとはいえ、多選に市民の側も飽き飽きしていたといった一面もあったのかな…と思いますが、現職を破って見事初当選を決めた石川清氏のお手並みをまずは拝見といったところでしょうか…。