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「放射能地域の人、結婚しない方が」公益法人会長が講演

2012-08-30 08:36:06 | Weblog
「放射能地域の人、結婚しない方が」公益法人会長が講演 2012年8月30日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY201208290581.html
 福島市議会の佐藤一好議員らは29日、記者会見し、公益財団法人・日本生態系協会の池谷奉文会長が東京電力福島第一原発事故の影響について話した7月の講演で「不適切な差別発言をし、容認できない」として、訂正を要求することを明らかにした。
 佐藤市議らによると、池谷会長は講演で「福島の人とは結婚しない方がいい」「福島では発がん率が上がり、奇形児が生まれる懸念がある」と述べたという。
 協会側の説明や記者が確認した録音によると、池谷会長は、福島のほか原発事故で一定の放射能汚染を受けた関東地方の県名をあげ、地域の地図を示しながら「放射能雲の通った地域にいた方々は極力結婚しない方がいいだろう」と発言。「結婚して子どもを産むと、奇形発生率がドーンと上がる」などと話した。
 池谷会長は朝日新聞の取材に、「被曝(ひばく)で遺伝子損傷と奇形児出産のリスクが高まることを訴えた」と説明。「一般論として私の見解を話した。差別する意図はなかった」と話した。


 う~ん。この方のブログ(池谷奉文ブログ 日本をかえる!http://d.hatena.ne.jp/h_ikeya/?of=5)を読んでいる限りでは、どこぞの前市長のような差別主義満載な論調のものではなく、最近の投稿記事では「防災林はマツ林ではなく自然の森を」「復旧では悲劇を繰り返す」「トキ・コウノトリが舞う世の中に」と指摘は中々辛辣ながらも冷静な分析ができる方だけに、どうしてこんな過激発言をしてしまったんだろう??? とただただ残念でなりませんね。

 つい先日も、妊婦の血液で出生前にダウン症の診断が精度99%でできる技術が確立されて9月から導入されることを巡って物議を醸すなど、人の出産の問題は赤の他人がむやみに踏み込んでよい範疇の問題ではないでしょうし、まして結婚についてはそれこそ余計なお世話というもの。
 また、たとえ一般論で差別する意図はなくとも、当事者とりわけ20代や30代の出産予備軍だけでなく、小学校高学年から高校生位の思春期の女の子達までもが、将来健康な子供を無事産むことができるのか、他の地域の方には到底理解できない位真剣に悩み、そして神経を尖らせていること位、巷の報道でも聞いていると思います。
 氏の年齢も1942年生まれと、広島や長崎の原爆後遺症に苦しむ方々が、就職や生活の様々な局面で差別を受けてきた社会問題を自分自身の目で直接見てきた世代に位置しますし、生態系という社会的に弱いものを守る立場にある責任にある方だからこそ、その生態系の中で生きている人間のうち、同じく社会的に弱い立場に置かれている方々への気持ちにも配慮してほしかったと思いますね。

五島市長に新人野口氏 長崎

2012-08-27 07:07:22 | Weblog
五島市長に新人野口氏 2012年8月27日 西日本
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/320720
 任期満了に伴う長崎県五島市長選は26日投開票され、無所属新人の元県水産部長野口市太郎氏(56)=民主、自民、公明推薦=が、無所属新人の地域紙社長永冶(ながや)克行氏(63)を破り、当選した。
 野口氏は島の基幹産業である農林水産業振興や島内消費の拡大を公約に掲げ、幅広い団体、市民から支持を得た。永冶氏は市役所や民間企業での若年層の雇用拡大などを草の根の運動で訴えたが、及ばなかった。
 投票率は61・90%。当日有権者数は3万4415人(市選管調べ)。
★長崎県五島市市長選挙結果
当 15617 野口市太郎(56) 無新=民主、自民、公明推薦
  5382 永冶克行(63) 無新



 長崎県五島市(ごとうし)は、長崎港から約100キロメートル離れたところに位置する県の西部の五島列島の南西部を占める、2004年8月に福江市・富江町・玉之浦町・三井楽町・岐宿町・奈留町が合併して誕生した人口約3.9万人の市で、市長選は九州初の女性市長として就任した中尾郁子氏が出馬を見送ったことから、県水産部長で56歳の民主・自民・公明が推薦する56歳の野口市太郎氏と五島新報新聞元社長で63歳の永冶克行氏の2新人による一騎打ちとなりましたが、
 「人口が減っている五島を活性化したい」と声を張り上げ、農林水産業の振興など16の公約を訴えると共に中尾郁子市長も支持を呼びかけた野口市太郎氏が15617票を獲得して、
 「若者の中には、五島に戻りたいという人も多い。生活ができれば島に人は残る」島外にアンテナショップを設け、農水産物の加工業を育成することで雇用確保に努めると共に市職員の給与削減で若者の就業支援の資金を生み出すと訴え5382票 を獲得した永冶克行氏 に1万票以上の大差をつけて危なげなく初当選を決めました。

 1970年には68649人いた市の人口も今は4万人を下回るなど、正に働く場がなくて急速な若者人口の流出が止まらない五島市長に新しく就任する野口市太郎氏ですが、新市長はどのような市制の舵取りを行ってくれるのでしょうか。
 観光地は多くあってもその各観光地までのアクセスがイマイチで天候に左右されることが多いなどいろいろと問題を抱えているようですし、中長期的には観光以外の産業も創造していく必要があると思いますが、新市長がどう舵取りをしていくのか注目されることになるのではないかと思います。

家庭の「損害」14億円以上!? 備蓄志向の裏側で…相次ぐ「水の期限切れ」 

2012-08-26 10:09:20 | Weblog
家庭の「損害」14億円以上!? 備蓄志向の裏側で…相次ぐ「水の期限切れ」 2012年08月24日 J-CAST
http://news.infoseek.co.jp/article/20120824jcast20122143975
 東日本大震災以来、日本人の「備蓄」への関心が高まっている。その一方で思わぬ「ムダ」も広がっていることが、小学生の子どもがいる母親800人を対象としたキリンMCダノンウォーターズの調査でわかった。それは買いだめした食品の「期限切れ」だ。


期限切れ回避の「循環備蓄」実践者は6割
 2012年8月24日発表されたこの調査によると「買いだめしたものの、使わないまま期限切れでムダにしてしまった備蓄品」として最も多かったのは「水」。14.7%が「期限切れ」経験があり、これらの家庭の平均「損害額」は年間1182.2円に及ぶ。仮に全国の12歳未満の子どもがいる家庭で、同じ割合で「ムダ」が発生しているとすると、日本全体では年間14億7580万円分もの水が空費されている計算だ。
 こうした「期限切れ」回避のため推奨されているのが、備蓄品を日常生活の中で活用しながら、なくなった分をその都度補充していく「循環備蓄」という考え方だ。用語の認知度こそ15.8%に留まったが、用語を知らなくても全体の61.8%がこの方法を実践していた。 
 なおこの調査では、節電を心がける人ほど水分補給への意識が高い傾向も見られたが、節電対策を実践している家庭は前年の63.8%から5.9ポイント減の57.9%に留まった。



 ん…。大きな地震被害などが発生する度に、防災意識ににわかに目覚めて非常食や水を買い集めたはいいものの、気が付いたら賞味期限切れになっているケースが今でも結構見られるようですね。
 缶詰めなどは悪天候で買い物に出たくない時に使用したり、携帯食糧も朝の早い時間帯から旅行等に出かける時に持ち出すなどたまに使用機会がある一方で、案外見落としがちなのがこのミネラルウォーター。
 なまじ保存の利くものだけに賞味期限切れにはどうしても無頓着になってしまうのでしょうし、夏場のおでかけ時に冷蔵庫で冷やして置いて利用。帰りの買い物時に補充するといった使い方をすればいいのだと思いますが、いつでも補充できると思っているから案外切り替えを忘れてしまうのかもしれません。

 職場などでは、定期的な防災訓練の後の小休憩の時に皆で使い切ってしまう(当然予算を確保した上で新しいものを補充)といった入れ替え手法も取れますが、個々の家庭ではそういった習慣もないだけに、こればかりは入れ替える日時を事前に決めて置くなど個々で気をつけていくしかないのかもしれませんね。

過疎地の郵便局、隔日営業も…日本郵政が検討

2012-08-26 10:05:57 | Weblog
過疎地の郵便局、隔日営業も…日本郵政が検討 2012年8月26日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120825-OYT1T01259.htm
 日本郵政グループは、山間部など利用者の少ない郵便局で、窓口業務を隔日で行うなど営業の日数や時間を短縮する検討を始めた。
 郵便局を10~20局程度のグループ単位で運営し、従業員が複数の局を担当することで経営を効率化する。早ければ2013年度中にも始めたい考えだが、地域の反発など曲折も予想される。
 日本郵政は今年4月に成立した改正郵政民営化法で、全国どこでも郵便、貯金、保険の基本サービスを一体的に提供する「全国一律サービス」を義務づけられた。約2万4000の郵便局を維持しなければならず、赤字の局でも閉鎖は難しい。
 このため、従来は1局ごとに配置していた従業員に複数局を担当させ、利用者の少ない局は営業日や営業時間を減らさざるを得ない面はあるものの、人件費を削減することで効率化と維持の両立を検討している。


 う~ん。過疎地の簡易郵便局の運営人数が減るだけなら、単に運営する側の当事者の問題ですから、顧客に迷惑がかからないのならば別に構わないと思うのですが、さすがに隔日営業は無理があると思うんですけどね。
 まあ、切手やゆうパック(宅配便)の取扱程度ならば、近隣のコンビニやスーパー・雑貨屋などに委託するとしても、問題は簡保(簡保生命)や貯金に関わるあらゆる業務をどうするか。
 昔と比べると本人確認がかなり厳格になったこともあり、孫名義の預貯金もその孫が遠方に住んでいるような場合には、満期手続き等の諸手続も困難(今は直接本人が出向いてかつ健康保険証等の身分証明を持参=コピー不可 して手続きする必要があります)になるといった郵政職員でなければ処理が困難な事務処理もあるでしょうし、顧客も平日はこの日でないと休みが取れないといった方も決して少なくないだけに、郵便局側の一方的な事情で「○○局は月曜日と水曜日、金曜も午後からはお休み」などということになると、それこそ顧客に多大なる迷惑がかかることになるでしょう。
 銀行の場合はATMだけの付き合いの顧客の比率も高いことから、臨機応変に支店から出張所やATMのみの店舗への格下げといった対応も可能ですが、郵便局の利用者は高齢者の比率も高いだけに、営業時間の1時間程度の短縮はともかく、また多少ふるさと小包などのセールス勧誘がしつこくなることになっても営業日数の短縮だけは本気で勘弁してもらいたいものだと思います。


十和田湖観光汽船が倒産 「原発事故の風評被害が深刻」 

2012-08-20 06:39:52 | Weblog
十和田湖観光汽船が倒産 「原発事故の風評被害が深刻」 2012年08月18日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0817/TKY201208170266.html
 青森・秋田両県にまたがる十和田湖で遊覧船を運航する十和田湖観光汽船(本社・青森市)が17日、民事再生手続きの開始を青森地裁に申請し、倒産した。同社は「原発事故の風評被害で修学旅行生らが来なくなった。乗客数は事故前の7割までしか戻らず、収益回復が見込めない」と説明している。
 同社によると、震災後、外国人旅行者と修学旅行生が激減。乗客は2010年度の約10万人から11年度に約6万5千人に減り、12年度も回復していない。
 負債総額は約5億7千万円。今後も遊覧船事業を続けながら、従業員42人も解雇せずに再建を目指すとしている。青森県や金融機関に十和田湖の観光振興策などの支援を求めている。
 同社は3月、原発事故の風評被害だとして昨年4月~今年2月の減収分の全額4200万円の賠償を東京電力に求めたが、5月に昨年3~5月の外国人旅行客の減少分として75万円が払われただけだったという。



 ………。福島県内にある企業ならまだしも、十和田湖観光汽船の営業ルートは奥入瀬渓流の十和田湖側となる子(ね)の口から休屋(やすみや)までの50分コースと休屋からの湖の真ん中まで行って戻って来る同じく50分コースの2種類のみで、しかもその十和田湖にアクセスする手段はマイカ-等を別にすれば青森や八戸を結んでいる別会社の路線バス位のもの。
 しかも、バスによっては3~5分の男性のそれも小でもなければ対処困難としか思えないトイレ休憩しか設けずに、車内にトイレがない!バスもあるようですし、これでは「女性客は来なくていいよ!」 と言っているようなものではないでしょうか…(呆れ

 私が昔十和田湖まで旅行に行った頃は、今年の3月一杯で廃線になった十和田観光電鉄線は当然残っていて、十和田湖へのアクセスももう少し便利だったように思いますが、これだけアクセスが不便だと個人旅行の外国人観光客を取り込むことすら困難。
 文句を言う前に、せめて目的地に到着するまでの車内環境(トイレ)のような、ほんの少しの努力で解決できるような問題はクリア(お客が来なければ意味がないのですから、バスへのトイレ設置費用くらい出費してあげてもよかったのでは…)してから反論して欲しいものだと思いますし、別に東京電力を擁護する気は毛頭ありませんが、何でもかんでも原発事故のせいにするのは無責任にも程があると思います。
 経営不振も風評被害の有無以前に、本当に真剣に観光客に足を運んでもらうための努力をしていたのか? という素朴な疑問を感じずにはいられませんね。

暑すぎる職場、法令違反?節電の落とし穴とは…

2012-08-19 07:47:32 | Weblog
暑すぎる職場、法令違反?節電の落とし穴とは… 2012年8月18日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120818-OYT1T00753.htm
 残暑が厳しい中、職場で節電し過ぎると、法令違反になる恐れがあります――。
 全国で節電が求められている今夏、多くの企業や家庭で、「エアコン温度を高めにする」という取り組みが定着してきている。だが、労働安全衛生法が事業所の室温を28度以下に保つよう定めていることはあまり知られていない。厚生労働省は「節電に取り組む際も熱中症の予防に気をつけて」と呼びかけている。
 同法の「事務所衛生基準規則」では、事業者は室温を「17度以上28度以下になるように努めなければならない」と明記。罰則はないが、28度は熱中症を防ぐ上限の温度だとされている。
 だが、空調がオフィスビルの消費電力に占める割合は5割近い。厚労省は5月、「節電期間中は29度まで上げても致し方ない」との見解をまとめたが、企業からは「規則違反になるのでは」との問い合わせが続出した。
 結局、同省は「違反」と認めた上で、▽まずは28度とするよう努める▽29度に引き上げる場合も熱中症予防策を講じる――という対応が必要だとし、6月に経団連などの経済団体や全国の労働局に通知した。
 労働現場では様々な取り組みがみられる。顧客へ2010年比で10%以上の節電を要請中の関西電力(大阪市北区)。本店では「20%」の目標を課し、要請期間(7月2日~9月7日)の設定温度は29度だ。「水分の補給を」などと記したポスターを貼り、社員へ注意を促している。



 ん。暑さへの感じ方は人それぞれですし、私などは冷え過ぎたエアコンは苦手な方ですが、夏のエアコン設定温度を28度に…と言い出したここ数年から、顧客がいない時に社員がウチワで扇ぐ光景を見かけることも決して珍しい光景ではなくなってきたように思えますし、個人的には節電をやり過ぎて生産性が低下するようでは全く意味がなく、残業時間が増えて従業員のストレスにつながったり、エアコン以外の電気代など維持コストが上昇することにもなりかねないと思うのですが、さすがにエアコン設定温度29度推奨はどうなんでしょうかねぇ。
 水分補給の問題も、最近はノートパソコンが職場の主流になる中、万が一にもお茶やジュースをこぼすことがあってパソコンが一時使用不能(デスクトップならキーボード交換で済みますが、ノートだと中のデーターも危ないかも…)などということになっては冗談抜きに笑えませんし、扇風機も書類が風に飛ばされるような強さで回すわけにもいかないだけに、何事にも程ほどにしておくのが肝心だと思います。

生保:保険料値上げへ…来年4月 運用利回り低下

2012-08-19 07:43:32 | Weblog
生保:保険料値上げへ…来年4月 運用利回り低下 毎日新聞 2012年08月18日 毎日
http://mainichi.jp/select/news/20120818k0000e020175000c.html
 生命保険各社は、来年4月以降の新規の保険契約から、終身保険や年金保険など貯蓄性の商品を中心に保険料を引き上げる方向で検討を始めた。超低金利で資金運用による利益を出しにくくなっているため。引き上げ幅は商品によって異なるが、数%になる見通しだ。既存契約分は引き上げの対象外。
 各社は保険料で集めた資金を運用し、保険金や年金の支払いに充てている。契約者に約束する運用利回り(予定利率)が高いと保険料を低くできるが、利回りが低い場合は、保険料を値上げするなどしないと保険会社の財務が悪化する。
 予定利率は、金融庁が示す「標準利率」を目安に決める。金融庁は10月、来年4月以降の標準利率について、現行の年1.5%から1.0%に下げる見通しだ。標準利率の基準となる10年物国債の利回りが0.7?0.8%台の歴史的な低水準にあるためで、引き下げられれば01年4月以来、12年ぶり。この時は標準利率が2.0%から1.5%に引き下げられ、保険料が約1割高くなるケースもあった。
 保険業法は標準利率が低下した場合、将来の支払いに備えた責任準備金を積み増すことを定めており、各社はこの原資を確保するためにも、保険料引き上げの検討を始めた。
 超低金利で運用実績が予定利率を下回る「逆ざや」への懸念から、標準利率引き下げに先行して保険料を上げる動きも出ている。日本生命保険は7月1日から、一時払い年金などの標準的な契約について、予定利率を0.85%から0.7%に引き下げ、保険料を約1.5%高くした。朝日生命保険は7月2日から一時払い個人年金で、明治安田生命保険も6月から一部の終身保険の保険料を上げた。
 ただ、「生保離れ」を招く懸念もあり、商品によってはコスト削減で値上げを回避する動きも出てきそう。経営体力の差で対応が分かれる可能性もある。



 こういう報道が出ると、保険を売り込む側から見ると「保険料が値上がりする前に…」と売り込みたくなりそうですが、運用利回りが下げられるからこそ、貯蓄性の高い保険ではなく、「保険はあくまでも必要な保障を買うものと割り切って、掛け捨て商品を中心に必要な保障を算出してその分を買う」という賢い保険の選び方をしたいものですね。
 どうもここ十数年デフレや円高・ゼロ金利が続いたことから1%~1%半でも一見有利に運用できているようにも映らなくもないのですが、貯蓄性保険商品の最大の問題は、この運用利率が良い意味でも悪い意味でも数十年の長期間にわたって固定されてしまうということ。
 消費税も10%までの引き上げはおおよその目途が付き、今後日本経済が回復したところで、数十年レベルではその後も15%、20%までの引き上げはなされていく可能性が濃厚だと思いますが、さすがにその水準まで上昇すると「零細下請けが商品に消費税値上げが転嫁できない」などと言っていられる水準ではなく、否応なく貨幣価値は毎年目減りする時代に戻るでしょうし、そうなった時に果たして1%や1.5%の水準が本当に貯蓄に値する水準なのかどうか。
 超長期で付き合う金融商品だからこそ、目先の感情に流されることなく慎重に考えたいものですね。

ロムニー氏「我々は今後没落する日本とは違う」

2012-08-11 12:09:00 | Weblog
ロムニー氏「我々は今後没落する日本とは違う」 2012年8月11日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120811-OYT1T00017.htm
 米大統領選の共和党候補となるミット・ロムニー氏は9日、ニューヨークでの資金集めパーティーであいさつし、「我々は日本とは違う。今後10年、100年かけて没落し、困難に苦しむ国にはならない」と述べた。
 経済が低迷する日本を「反面教師」として引き合いに出し、米経済改革への意欲を示したものだ。
 ロムニー氏は、「我々が最も恐れているのは『弱い米国』だ」と強調。日本の将来は悲観的だとし、「我々はまもなく、米国民が過去3年間に見てきたものとは全く異なる経済の将来像を示す」と述べ、自らが政権を担えば、オバマ大統領とは異なる経済政策を断行するとアピールした。
 選挙戦でロムニー氏が日本について触れることは珍しいが、同氏が日本の将来性を低く評価していることが明らかになった形だ。



 ん…。米失業率など諸経済指標が現職のオバマ大統領に不利と言われる中、「雉も鳴かずば撃たれまい」状態なのに、外交面でほぼ無条件に米国に従って賛同票を入れてくれる日本という親密国を批判するなんて、この人はひょっとしてとんでもないおバカさんなんですかねぇ…(呆れ
 それでなくとも、韓国が中米の二股外交を繰り広げようと画策するなど中国の影響力が大きくなっているところに、防衛面で全面的に米国に頼り、国民感情も沖縄県民を除けば概ね良好な日本相手にケンカを売ったところでメリットは全くありませんし、接戦の選挙ではこのような軽はずみな発言が案外勝敗を分けたりするもの。
 日本国内は勿論のこと、この発言が米国本土でどう物議を醸すことになるのか要注目です。

肥満受刑者に高カロリーかゆ強制は「人権侵害」 ???

2012-08-10 06:21:57 | Weblog
肥満受刑者に高カロリーかゆ強制は「人権侵害」 2012年8月10日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120809-OYT1T01220.htm
 大阪刑務所(堺市)が男性受刑者1人の食事について、高血圧などの治療のための肥満解消を目的としながら、通常食より量が多く、高カロリーの「かゆ」にしたのは不合理で人権侵害に当たるとして、大阪弁護士会は9日、合理的な理由がない食事の変更を強制しないよう同刑務所に勧告した。
 勧告書によると、同刑務所は2009年4月25日、当時50歳代だった受刑者について、医師から「低カロリー食が必要なので(量が減っても満腹感が得られる)かゆに変更するように」との指示を受け、主食の麦入り米飯をかゆに変更した。受刑者は「おいしくない」と嫌がったが、同刑務所は「減量効果が確認できた」という同年6月19日までかゆを出し続けた。
 この受刑者が10年、「同意なくかゆを強制された」と人権救済を申し立て、同弁護士会が調査。同刑務所の主食は懲役作業の種類に応じ、3食で計1200~1600キロ・カロリーの3段階あり、この受刑者は最も少ない食事だったが、かゆは計1388キロ・カロリーだった。同弁護士会は「肥満は解消できず、医療効果を伴わない」と判断した。受刑者は体重が減った理由を「かゆを残すことが多かったためだろう」と説明したという。
 同刑務所は「結果的にカロリーが増えてしまい、不適切だった」としている。



 う~ん。肥満受刑者に高カロリーかゆだなんていうものだから、肉の脂でも大量に入れ込む嫌がらせでもしたのか? と思えば、計1388キロ・カロリーという通常のダイエット希望者から見ても相当低カロリーなもの。
 こういう発言は本来言ってはならないことなのでしょうが、食事制限が必要になる程太ってしまったのは(特別な病気でもない限り)ひとえに本人の責任でしょうし、ご飯が少なくて文句を言うならまだしも、カロリーが少し多くて人権侵害扱いされるなんて、個人的にはどうも納得がいかないものがありますね。
 終戦直後のシベリア抑留中の日本人捕虜などはロクに食糧も与えられないまま厳しい重労働に耐えられず死亡していった人も多くいましたし、世界を見渡せば受刑者にこれだけ気を使っている国は日本以外にはそうはないと思いますが、それでも人権侵害扱いされてしまうなんて、また本当に生活保護が必要な人が受給できずに貧困な生活を余儀なくされている方もまだ多くいるというのに、塀の向こうの罪を犯した方の方が優遇されているなんて、一体権利って誰のためにあるのだろう? と少し考えさせられるものがあります。

JT、「マイルドセブン」を「メビウス」に名称変更 プレミアム領域で世界展開を加速

2012-08-09 06:04:15 | Weblog
JT、「マイルドセブン」を「メビウス」に名称変更 プレミアム領域で世界展開を加速 2012年08月8日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK086918420120808
 日本たばこ産業(JT)は8日、代表的なブランド「マイルドセブン」の名称を「メビウス(MEVIUS)」に変更すると発表した。ブランド名称やパッケージデザインを刷新し、世界でナンバーワンのプレミアムプランドを目指す。
 小泉光臣社長は会見で「現在は、ウィンストンというサブプレミアム価格帯が好調だが、今後のさらなる利益成長を実現するためには、プレミアム価格帯の強化が重要になってくる」と述べた。 昨年度比で240億円積み増した販売促進費の多くを投入して、ブランド刷新を進めていく。
 同社の世界でのたばこ販売の約14%、日本では約半分を占める主力ブランドの刷新にあたっては、2年前からプロジェクトを組み、一切の制約を取り払って、検討を進めてきた。小泉社長も「相応の決断が必要だったのは事実」としながらも「2年間の調査の中で、メビウスのほうが高評価を得た。こちらで世界戦略を考えたほうがよいと決断した」と話す。
 ウィンストンは現在、85カ国で1307億本を販売している一方、マイルドセブンは17カ国・765億本にとどまっている。小泉社長は「既存市場のシェアの拡大はもちろんのこと、展開市場数を増やすことでさらなる成長が見込める」とした。そのための施策として、新ブランド名称の導入、パッケージデザインの刷新、ラインナップの拡張を実施する。
 「メビウス(MEVIUS)」は造語。マイルドセブンのMとSを付け、真ん中にEVOLUTIONのEV、I&YOU(U)のIUを入れた。日本では、12年11月にパッケージデザインの刷新、13年2月に名称の変更を行う。また、海外では、すでに12年4月から新パッケージへの切り替えを始めている。また、新名称は、今後1年をかけて導入を進める方針。既存市場での新名称導入が完了した時点で、あらたな市場への展開を進めていく。
 同社は、「ウィンストン」、「キャメル」、「マイルドセブン」、「ベンソン&ヘッジス」、「シルクカット」、「LD」、「ソブラニー」、「グラマー」の8銘柄を事業の中核をなすグローバル・フラッグシップ・ブランド(GFB)と位置付けている。なかでも「マイルドセブン」は、1977年に日本で発売を開始した老舗ブランド。日本では78年から国内ナンバーワンシェアを守り続けており、現在では、台湾や韓国、マレーシア、ロシアなど世界17カ国で販売している。

<国内では将来の値上げを示唆>
 小泉社長は「リーマンショックで気が付いたのは、ブランドポートフォリオの必要性だった」と述べている。景気悪化時の受け皿としては、5月にベルギーの手巻きたばこ大手のGryson社を510億円で買収することを決めた。一方、景気回復時のプレミアム領域強化として、マイルドセブンの刷新を決めたという。
 日本において「マイルドセブンは」1箱410円で、サブプレミアムの領域にある。小泉社長は「中期的にプレミアムに持っていく、明確な意思を持っている」と述べ、値上げも視野に入っていることを明らかにした。佐伯明副社長も「持続的な利益成長のために、価格戦略は重要なオプションの1つ。新しい価値を理解してもらえれば、オプションを実行する基盤が整ってくる」とした。
 現在、マイルドセブンは、欧州市場から撤退している。今回のブランド刷新は、欧州の形容的表示規制を意識したものではないとしながらも「結果的に(規制のある国への対応として)ポジティブに働く。プレミアムブランドが売れているのは欧州や米国。当然、欧州を意識した展開を図っていく」(佐伯副社長)と述べており、欧州での再投入も視野に入っている。
 EU域内では、「マイルド」や「ライト」という表現は、他の製品よりも健康へのリスクが少ないかのような誤解を消費者に与えるとして、たばこの包装に使用することを禁じている。
 ただ、米国市場については「展開は考えていない」(小泉社長)と明言した。



 ん…。多くの日本人にとって、メビウスの名称は、スペルこそ違うもののシャープが2009年に生産を終了した高性能ノートパソコンの方をどうしても連想してしまいます(ちなみにシャープのメビウスのスペルはMebius)し、この名称変更はただただ当惑しか感じませんね。
 どうも日本人はブランド名が持つ価値を過小評価しがちですが、国外の知名度こそイマイチなものの、日本でのマイルドセブンの知名度の高さは言わずもがな。
 パナソニックのように先行してブランド名を浸透させて会社名まで変更する覚悟があるのならまだしも、中途半端な名称変更は逆に主戦場の日本での顧客離れを招くだけだと思います。

運動時のお茶はNG 状況別水分補給のコツ

2012-08-06 07:02:14 | Weblog
運動時のお茶はNG 状況別水分補給のコツ 日経ヘルス・フォーメン 2012年8月5日 日経無料記事 ライター 瀬戸和奏
 うだるような暑さが毎日続いている。じっとしていても汗ばんできて、体もだるくなりがちな季節。体調を上手にコントロールするには、水分補給が大切だ。いつ、何を飲めばいいのか。猛暑に負けない水分補給方法を知ろう。
 暑い時期に体調を保つためには水分補給が大切だ。
 水分をとることは、「体内の水分量と塩分濃度」に関係している。私たちの体の60%は水分でできていて、なおかつ0.9%の塩分濃度が保たれている。人が生命を維持するためには、必ずこの二つが一定基準を保っていなければいけない。この水分量と塩分濃度が狂うと、私たちの体を構成する60兆個の細胞は生きられなくなってしまう。細胞の活動が衰えると、体の各器官が上手く働かなくなり、生命維持ができなくなる。言い換えれば、上手に適切な水分をとることは、体の状態をいいコンディションで保つことにつながるのだ。
 「水分補給といっても、何を飲んでもよいわけではありません」とは、日本医科大学腎臓内科部長の飯野靖彦教授。例えばビールが水分としてカウントされないのはご存じだろう。アルコールには利尿作用があり、かえって水分を体外へ排出させる原因になってしまうためだ。同様にお茶やコーヒーに含まれるカフェイン飲料にも利尿作用がある。では何をどう選んで飲めばいいのだろうか?
 
■状況に応じて飲み物のタイプを変える
 水分補給は、仕事や家にいる時などの通常時と、運動時、ダイエット時で種類を飲み分けると効果的だ。
 通常時には、水が一番。お茶には利尿作用があるし、ジュースやスポーツ飲料はカロリーが高すぎるため継続的に飲み続けるには向かない。ただし通常時でも、汗を多くかいた時はスポーツ飲料を飲むといい。
 運動時は大量に汗をかくため、塩分を多く失う。それを補うにはスポーツ飲料が最適だ。
 ダイエットならば生活習慣病予防のために作られたトクホ飲料がいいだろう。ただしお茶系の飲料には利尿作用があるので、飲み過ぎには注意だ。

■中高年はしっかり補給を、就寝前と起床後が大事
 実は水を飲むタイミングにも注目したい。基本的には、のどが渇く前にこまめに水分補給をすることが大切だが、40~50代の人に必ず水を飲んで欲しいタイミングがある。それは起床時と就寝前、屋外での活動時だ。
 朝、寝起きにのどが渇いていることはないだろうか? 睡眠時に脱水状態になっている人は少なくない。熱帯夜が続く夏なら、なおさらである。「就寝前と起床時の水分補給を怠ると、午前中の体内は水分量が減って血液濃度が高くなります。血液の粘度が高いため、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります」と、飯野さん。そのため夜寝る前の一杯で脱水の予防をし、朝の起き抜けの一杯で水分のさらなる補充が必要なのだ。
 またこの季節に気をつけたいのが、屋外での活動中の脱水症状。特に40~50代は仕事中に熱中症になることが多い。屋外での活動で汗を大量にかいた時は、体内の塩分を補うスポーツ飲料を選ぶといい。
 「ただしスポーツ飲料は糖質が高いため、日常の屋内で汗をかいた時などは、スポーツ飲料をそのまま飲むよりも水で薄めて飲みましょう」と、飯野さん。体を大切にしたい40、50代だからこそ普段から効率的な水分補給を意識しよう。

~水分補給と腎臓の密接な関係~
 腎臓と水分補給は切っても切れない関係だ。体内の水分量や塩分濃度を保つ重要性は先に述べたが、それには腎臓が大きく関与している。腎臓は尿の排せつによって、老廃物の除去、体内の水分量と塩分濃度の調節、血液のpH 調整などを行っている。その中でも重要なのが、水分量と塩分濃度の調節の役目だ。「人が水分補給をうまくできず、体内の水分や塩分濃度のバランスが悪化すると、腎臓は体内の環境を元に戻そうとリカバーをします。しかし負担があまりに大きくなると腎臓が疲弊し、弊害が起こるのです」。そうならないためにきっちり水分補給を守ろう。



 日経無料記事よりお役立ち情報をアップです。
 補足の必要のない程の内容の濃いトピックですが、しいて補足するならば、夏祭りや花火などを見る目的で遠方に旅行に出かけるような場合も、お茶ではなくスポーツ飲料を飲んだ方がいいと思いますし、可能なら薄めて飲むという行為は自宅にいる方だからできることで、仕事中や移動中にはいささか無理な提案でしょうね…。
 炎天下の日中に長時間過ごすなど、急に太陽の日差しに焼けるようなことがあると、体がどんどん水分を欲してくる(旅行中に急に日焼けして喉が渇いてペットボトルを何本も買ったご経験はないでしょうか?)ものですし、そういう時は単にお茶よりはポカリスウェットなどの機能性飲料を少量ずつ口に含んだ方が無難。場合によっては市販のアイスキャンディやソフトクリームなどを購入して中から体を冷やすのもいいでしょう。
 40代や50代というのは自分の体が思うようにコントロールできなくて苛立つ人生の最初のステージですが、とりわけこの暑い時期は体調を崩しやすいもの。
 若さを過信することなく、時には(健康の方が大事と)男の意地やプライドもかなぐり捨てて、体調維持に万全の備えをして欲しいと思います。

福山市長に羽田氏3選 大差で新人・大戸氏破る 広島県

2012-08-06 06:54:12 | Weblog
福山市長に羽田氏3選 大差で新人・大戸氏破る 2012年08月06日 山陽
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2012080523385740/
 任期満了に伴う福山市長選は5日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の羽田皓氏(68)=民主、自民、公明推薦=が、無所属新人で作曲家の大戸博史氏(61)を大差で破り、3選を果たした。
 当選を決めた羽田氏は、支持者を前に「先人が残した素晴らしいまちを継承し、子や孫に引き継いでいく4年間にしたい」と決意を述べた。
 4年後の市制100周年に向け、備後圏域の中核都市にふさわしい将来構想が問われた選挙。中心市街地の空洞化対策、行財政改革の進め方なども争点になった。広島県が架橋計画撤回を表明した鞆の浦の交通問題は、論戦の主要テーマにはならなかった。
 羽田氏は、都市基盤整備や施策の見直しに取り組んだ2期8年の実績を強調。民主、自民、公明各党や連合広島の推薦を受け、支持を広げた。
 大戸氏は、JR福山駅前広場整備事業などを「税金の無駄遣い」と指摘し、市政刷新を掲げたが、批判票の受け皿になり切れなかった。
 投票率は22・59%(男23・36%、女21・89%)で、1995年の23・18%を下回って戦後最低。当日有権者数は37万5007人(男17万9866人、女19万5141人)。
★広島県福山市 市長選挙結果
当 羽田 あきら 59411
  大戸 ひろし 23455



 広島県福山市は、岡山県と県境を接する人口約46.1万人の市で、市長選は現職で民主・自民・公明が推薦して3選を目指す68歳の羽田皓氏に対して作曲家で61歳の大戸博史氏が挑みましたが、
 2期8年の実績と実行力をアピールした羽田皓氏が59411票を獲得し、
 職員給与の削減や労組の扱いの見直しなど、市役所内部からの抜本的改革を訴え23455票を獲得した大戸博史氏 に2.5倍近い大差をつけて危なげなく再選を決めました。

 それにしても、この現職にぶつけたライバルの大戸候補。市政刷新を目指す市民団体「投票率70%で福山を変える会」が行政刷新には高いマネジメント力が必要との考えから、市長選立候補希望者を全国から公募して2名から絞り込んだ候補らしいのですが、皮肉にもその投票率はこれまでの過去最低だった23.18%を更に更新してしまう22.59%…(汗
 当の福山市民から見れば、市議会議員等で実績を積んで来られた方ならともかく、また労組や職員改革以外での大まかな政策の争点もなかったことから、選択以前に大戸氏の人柄もわからず棄権した方も多く、現職を打倒するどころか、投票率の低迷脱出にも程遠い結果になってしまったように思います。


「原発ゼロ」7割の民意反映で苦慮 政府 意見聴取会終了 結論先延ばし論も

2012-08-05 07:40:37 | Weblog
「原発ゼロ」7割の民意反映で苦慮 政府 意見聴取会終了 結論先延ばし論も 2012年8月5日 日経
 総発電量に占める原子力の比率など2030年の望ましい電源構成を巡り、政府が国民から募った意見をどう反映するかに苦慮している。地方11都市での意見聴取会は4日で終えたが、意見表明を希望した約1400人の7割が「原発ゼロ」を支持。原発維持を探る政府との違いは鮮明となった。拙速に結論を出すべきではないとの慎重論も目立ってきた。
 政府のエネルギー・環境会議が4日、高松市で開いた意見聴取会。「生活の利便性のために安全性を犠牲にしてよいか」「今後電気代が倍になるとの試算も聞く」。12人が原発存廃へ意見を表明、ほぼ半分が「原発ゼロ」を支持した。細野豪志原発事故担当相のあいさつが終わっても、立ち上がって持論を展開した登壇者が警備員に押さえられる一幕もあった。
 政府は東京電力福島第1原発事故を受け、30年のエネルギー戦略を練り直している。近く原発や再生可能エネルギーなどの望ましい比率を固める方向で、原発比率は「0%」「15%」「20~25%」の3つの選択肢を用意した。4日に福岡市の聴取会に参加した古川元久国家戦略担当相は「(11回開いた聴取会での)議論を踏まえて戦略をまとめる」と語った。
 政府は意見聴取会のほか、討論型世論調査、パブリック・コメントの3つを使い、国民の意見を吸い上げる。これまで目立つのは「原発ゼロ」を求める意見。聴取会で事前に参加希望者に望ましい原発比率を聞いたところ、福島を除く10都市の合計で68%が「原発ゼロ」を選んだ。「20~25%」が16%、細野担当相が妥当とした「15%」は11%にとどまった。
 聴取会では、運営方法に対する不満も噴出した。開催当初は電力会社の社員が原発政策の正当性を訴えたり、首都圏からの参加者が地方で発言したり、地元参加者の神経を逆なでする場面が目立った。野田佳彦首相が「国民に誤解を与える動きがあった」と釈明し、電力会社社員の発言を制限したが、政府や電力各社への不信感はむしろ強まったといえる。
 原発比率を巡ってはそれぞれの選択肢の課題や欠点が浮き彫りとなり、論点は絞られてきた。「原発ゼロ」に対しては再生エネが期待通り普及しないことなどで、電力需給が不安定になるとの懸念が浮上。産業競争力への影響を警戒する意見が多く出た。「20~25%」は原発事故の再発防止策の甘さや核燃料サイクルの是非などが不安材料として挙がった。
 政府にとって“民意”の扱いは難問だ。多数意見となった「原発ゼロ」を無視するわけにいかないが、経済界は「脱原発」に猛反発。結論を出す時期を秋以降に先延ばしするよう求める声が浮上している。だが国のエネルギー政策の根幹がみえないと企業は生産・投資の計画を立てづらい。節電など国民生活へのしわ寄せも大きくなる。



 う~ん。福島原発事故による環境保全意識の高まりや東電への被害者に対する対応のまずさへの反発もあるのか、原発ゼロを目指す意見が7割を占めるなど政府は対応に苦慮しているようですね。
 ただ、原発ゼロと言えば聞こえはいいですが、日経オンラインの記事によれば、原発ゼロの状況で電力供給を維持しようと思えば、『重油ボイラーの原則禁止、省エネ性能に劣る空調の省エネ改修義務付け、省エネ性能に劣る設備・機器の販売制限、省エネ性能の劣る住宅・ビルの新規賃貸制限、高効率空調機器以外の暖房機器(ストーブなど)販売禁止』や中心市街地へのガソリン車の乗り入れ制限など、交通ルールの見直しによる省エネ対策なども必要になるのだとか。
 日本人は、とかく「まだ使えるから買い換えるのは勿体無い」という意識が強く、また目先のキャッシュの流出への懸念から家庭用のエアコンや冷蔵庫一つとっても10年以上使っているケースが決して少なくないと思いますが、もし本当に原発ゼロ社会を目指そうと思うのならば、こういった節電努力への義務は当然ながら企業だけで収まるものではなく、個々の家庭内でも行って貰わなければ当然成立せず、当たり前と言えば当たり前の話ですが、省エネ環境の家や家電機器への買い替えも自腹で行って貰わなければならなくなりますが、はたしてそこまでの覚悟をもって、それでも原発ゼロ社会を願っているのか、それとも単なる感情論なのか…(汗
 他にも、原発に代わるエネルギー源を、例えば天然ガスに依存していますが、その天然ガスのスポット市場では日本が買い占めるため価格が上昇して世界の各国に迷惑をかけるといった弊害が発生していることも、外交を考える上で決して無視できないレベルに達していると感じます。
 中長期的に再生可能エネルギーの比率を増やしていくことそのものに異存はありませんが、例えば地熱発電のような比較的ハードルが低そうな再生可能エネルギー一つとっても、敷地の大半が国立公園の中にあるため急にその比率を増やすことができないなど、急激なエネルギーシフトはできないのが現実。
 原発依存比率を減らしていくなら減らしていくで、足りなくなる電力供給量をどう補っていくのか、まさにその議論こそ優先してなされるべきではないでしょうか。

「大飯、活断層あれば停止」 規制委委員長候補の田中氏

2012-08-01 12:55:21 | Weblog
「大飯、活断層あれば停止」 規制委委員長候補の田中氏 2012年8月1日 日経夕刊
 衆院は1日午前の議院運営委員会で、政府が新たな原子力規制組織「原子力規制委員会」の委員長候補として提示した田中俊一・元原子力委員会委員長代理(67)から所信を聴取した。原発の再稼働について「政府の判断基準も含め、慎重に確認評価する」と強調。すでに再稼働した関西電力大飯原発3、4号機に関しては「活断層が見つかった場合には止めてもらう」と明言した。
 政府は9月上旬の規制委発足を目指し、早期の国会同意を求めている。各党は所信聴取を踏まえ、党内で検討したうえで今月上旬に衆参両院本会議で採決する見通しだ。
 田中氏は原発再稼働について「安全かどうか厳しく判断する」と述べ、電力需給やエネルギー政策には配慮せず、安全規制に取り組む姿勢を強調。運転開始から40年で原則廃炉とする方針に関しては「40年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさないものは運転させない姿勢で臨むべきだ」と語った。
 活断層を巡っては、経済産業省原子力安全・保安院が、大飯原発のほか、日本原子力発電敦賀原発や北陸電力志賀原発について調査を指示している。
 田中氏は東京電力福島第1原発事故の教訓について「どんなに反省しても反省しきれるものではない」と指摘。「日本のために身を投げ出すべきではないかと考えて就任を決心した」と今後の安全対策に責任を負う決意を表明した。
 田中氏は旧日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)の出身で、日本原子力学会会長も務めた。福島第1原発事故後は「原子力の平和利用を進めてきた者として国民に深く陳謝する」として福島県内の除染活動などに注力してきた。
 一方、田中氏には原発再稼働に慎重姿勢をみせる与野党議員から「原子力ムラの一人」と同意への反対論もある。田中氏は「経歴をもって言われるなら否定しないが、透明性が大事なので事業者と一線を画した規制ができる」と反論した。午後には参院議運委も所信聴取と質疑を実施する。



 う~ん。この「原子力規制委員会」の委員長候補の田中俊一・元原子力委員会委員長代理による「大飯、活断層あれば停止」発言。
 アンチ原発派を黙らせるにはこの位は言わなければ収まらないとの判断なのだと思いますが、もし活断層が発見されたら、たとえ真夏であっても即時停止など本当にできるんでしょうかねぇ…(汗
 感情論で脱原発を叫ぶ方の多くが、中長期的なエネルギー供給については楽観論・精神論で捉えがちで、もし本当に突然停電になったらどうなるのかのシナリオ分析が十分にできていないと思いますし、とりわけ関西電力管内は大飯原発の再稼働がなければ最悪大阪市営地下鉄構内(注:車内は冷房を効かせるとのこと)のエアコンを電力ピーク時に3時間止めることさえ真剣に議論されたようなエネルギー供給が絶対的に足りない地域。
→ 地下鉄と言っても御堂筋線など地上区間を走っている路線もありますし、万が一にも人身事故が発生したら駅構内は大混雑に陥ること必至。その状況下でエアコンを使わないとなれば、夏場ならば熱中症患者の大量発生にもつながりかねないでしょう。

 他の発電手法で電力供給を賄っていくとしても、供給割合を変更していくにはそれこそ数年・十数年レベルの中長期で変えていくしかないでしょうし、「活断層あれば停止」という決断一つとっても、電力供給に比較的余裕のある北陸電力の志賀原発と比べるとその意味することは数段重く、関電の大飯でも同じような判断が本当に下せるのか正直疑問に思いますね。